登場! 地下料理界のボス、ライブベアラー!
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……カジノ全体にある防犯カメラをモニターで通じて見える、監視室でも100面スロットの盛り上がりが出ていた。
「今の所をリプレイしろ」
「はい」
部下に指示を出した男はもう一度映像を見るが、ココは怪しい動きなどせずにただボタンを押しているだけだ。それも連続で押し続けているのでもう一人の部下も驚きを隠せない。
「文句のつけようのないビタ押しだ……!」
「四天王・ココ……過去に入場経験はあるが、そのときはゲームをしていない。占い師としての経歴も軽視できん……。このままだと、希少な食材をかなり持っていかれる。通すか……『あそこ』に」
こちらも商売なのでココを一般メインエリアに居続けさせるわけにはいかない、そう思った男はある場所に連絡した。
――また別の部屋では監視室から連絡を受けたモンちゃんが、ある豪華な部屋を尋ねた。
「ボス、極上のお客様のようですね」
「ウ~……ウィック……」
部屋の主はベッドに寝転がっていたが、その報告を聞いて起き上がると首に付けている装置にセットしていたホースが外れた。
「四天王トリコにココか……。ジュル……ぜひ私のコレクションに欲しいわ~」
この人物こそ、グルメカジノのオーナーで地下料理界のボス・ライブベアラーである。
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「うまそうなモンばっかー!」
「さすが100万枚のコイン! 1兆円分の景品! ものっそい量ですねー!」
ココさんが全てのコインを景品の食材に変えたので、何台もある巨大なワゴンに大量の食材が運ばれてきた。それを見てトリコはヨダレを垂らしながら駆け出し、小松さんと二人そろって小躍りをしている。
対してココさんと私の元には騒ぎを聞きつけたマッチさんたちが合流し、さらにカジノの従業員がやってきた。
「おめでとうございます。今夜は幸運の女神に気に入られているご様子で」
「ありがとう。でも僕には存在しているかわからない女神より、隣にいるお姫様の祈りのおかげだと思ってるけどね」
「!」
チラッと私を見て微笑むココさんは、さっきのこともあって余計にカッコよく見える!
「それに運じゃなくて実力だけど」
「相変わらずのチクリとした物言い……」
「ブレないね……ココさんも……」
あっ、従業員たちが嫌な顔をしている。皮肉に言ったつもりが皮肉で返されたからね。
「ではお客様のその実力、さらに楽しいゲームで試されてみては?」
「楽しいゲームね……」
「さっ、どうぞこちらへ」
従業員たちの案内で私たちも一緒に向かおうとすると、マッチさんがココさんに話しかけてきた。
「釣られやがったな」
「…………」
「お前の狙いはこれだったんだろ? 一般エリアでこれ以上勝たれたらマズいという状況まで持って行く」
「「ええっ!?」」
ココさんの狙いがわかったマッチさんの言葉に、ラムさんと小松さんが驚きの声を上げた。
「そうすればグルメカジノの連中は、賭け率の高いカジノに案内してコインを絞り取ろうと考える」
「それがVIPエリア……半分は正解だね」
「「「「「?」」」」」
「あとの半分は?」
トリコの問いにココさんはすぐ答えなかったけど、逆に言えばすぐにわかるという意味かもしれない。でも私は頭の中に浮かんだ仮説があったからココさんにコッソリ訊いてみる。
「ココさん。残りの半分のキーワードはもしかして……『グルメ時代でもっとも価値のあるモノ』ですか?」
「さすが、瑞貴ちゃん。察しがいいね」
そうして私たちは一般エリアから離れるように通路に入って行く。あちこちに絵が飾ってあり、サングラスで黒スーツの男たちがいる。絵を守る警備の人たちかな?
「ご安心を。獲得された食材は我々が責任を持ってお運びいたしますので」
数メートル進むと大きな絵のある壁に行き止まりになった。一人の従業員が絵に触ると左の壁が動いて新たな通路の姿を見せた。
「どうぞこちらからお入りください。ここからVIP専用のエリアとなっております」
シンさんたちが探しても見つからない訳だ。VIPエリアに向かう道は隠し通路になっていたんだからね。