天国か地獄か⁉︎ 突入、グルメカジノ!
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「トリコ? ココさん? 何か言った?」
「いや、なんでもねぇ」
「ほら、瑞貴ちゃん。向こうを見てごらん」
……もともと会話が聞こえないように小声で話していたので、ちゃんと瑞貴の耳には届かなかったようだ。トリコが首を振り、ココは奥の街を示す。
「『食のるつぼ』……この国の別名だ。古今東西、善も悪もまとめて全ての食材が入り乱れて人々の欲望を刺激する。無秩序で不条理……人の業が横行闊歩する街さ」
「無知なままで入ったら本当に危ないですね……」
ジダルに行くと知ってから私は今までより毒食材や麻薬食材の勉強をしてきた。もともと知っているのもあったけど、どんな効果をもたらすのか、もっとちゃんと知っておかないとね。
ココさんの案内で私たちはジダル王国の市場へ向かう。
「ここが闇市場」
「おおっ! スゲー賑わいじゃねぇか!」
「賑わう様子はワールドキッチンと変わりないね」
「街の市場は闇ルートで流れた食材でいっぱいだよ」
「うわっ! 毒化したフグ鯨、ホントに売ってる! こんなのいいんでしょうか!?」
「うまいよー! 食ったら死ぬけど」
「いや、いりません!」
そんな売り文句で買う人がいるか。小松さんだって全身を使うほど全力で拒否しているし……いや、命を落とすとわかっていながらも食べる人もいるんだよね。
「お兄さんや、お一ついかがえ? 安くしとくよ」
「っ!」
小松さんにおばあさんが近づいて来て、隠すようにその手に持っている者を見て私は目を見開いた。
「なんですか? これ」
「小松さん、行くよ」
「安いよ?」
「ああ、あとで。待ってください、瑞貴さん!」
よかった、小松さんが受け取らずにちゃんとこっちに来てくれて。向こうも商売とわかっていてもなんちゅーモンを小松さんに売ろうとしてんだか。
また話しかけられないようにするため、トリコたちも察してくれたのか私たちは歩を進めていく。
「あれは通称・毒星。劇薬指定のヒトデなの」
「ええっ!?」
「食べれば100パーセント中毒になるらしいよ。過去に毒星が出回って人口百万人級の都市が丸ごと崩壊した例もあるからね」
「他にもいろいろあるぞ」
さっきの毒星のことを説明していると、トリコが路上にシートを広げて売っている食材を示してくれた。
「こいつはドラッグマイマイ、普通の国なら完全な隔離生物。抜け殻を持ってるだけで捕まる。エレキバナナはひと口で体中に電流が走る。第二級の麻薬食材だ」
「ヤバい食材ばかりですね……」
「ああ。絶滅危惧種に品種改良の違法食材、数えたらキリがねぇぜ」
「マトモなモノは売ってないんですか?」
「もちろんあるよ。全てがそんなモノじゃないからね。ほら」
「あーこれは!」
私が尋ねるとココさんが示した食材に、小松さんも反応して嬉しそうに声を上げた。
「これはジューシイタケ! すごく貴重な高級食材ですよ!?」
「いくつか買ってくか? どうせカジノで必要になるし」
「そうだね」
「ジューシイタケください!」
「どうしてカジノで食材が必要なの?」
「食材を賭けてやるゲームもあるんだ」
「へ~……賭けの対象になるんですか」
「こういうのも、さすがグルメ時代って感じがするね」
店員がジューシイタケを用意してくれる間に、私たちはそんな会話をしていた。
「――ん? あれは……」
……そのとき四人の姿を見て足を止めた人物がいたのだが、ジューシイタケの購入やグルメカジのについて話している瑞貴たちは全く気づかなかった。
「いや、なんでもねぇ」
「ほら、瑞貴ちゃん。向こうを見てごらん」
……もともと会話が聞こえないように小声で話していたので、ちゃんと瑞貴の耳には届かなかったようだ。トリコが首を振り、ココは奥の街を示す。
「『食のるつぼ』……この国の別名だ。古今東西、善も悪もまとめて全ての食材が入り乱れて人々の欲望を刺激する。無秩序で不条理……人の業が横行闊歩する街さ」
「無知なままで入ったら本当に危ないですね……」
ジダルに行くと知ってから私は今までより毒食材や麻薬食材の勉強をしてきた。もともと知っているのもあったけど、どんな効果をもたらすのか、もっとちゃんと知っておかないとね。
ココさんの案内で私たちはジダル王国の市場へ向かう。
「ここが闇市場」
「おおっ! スゲー賑わいじゃねぇか!」
「賑わう様子はワールドキッチンと変わりないね」
「街の市場は闇ルートで流れた食材でいっぱいだよ」
「うわっ! 毒化したフグ鯨、ホントに売ってる! こんなのいいんでしょうか!?」
「うまいよー! 食ったら死ぬけど」
「いや、いりません!」
そんな売り文句で買う人がいるか。小松さんだって全身を使うほど全力で拒否しているし……いや、命を落とすとわかっていながらも食べる人もいるんだよね。
「お兄さんや、お一ついかがえ? 安くしとくよ」
「っ!」
小松さんにおばあさんが近づいて来て、隠すようにその手に持っている者を見て私は目を見開いた。
「なんですか? これ」
「小松さん、行くよ」
「安いよ?」
「ああ、あとで。待ってください、瑞貴さん!」
よかった、小松さんが受け取らずにちゃんとこっちに来てくれて。向こうも商売とわかっていてもなんちゅーモンを小松さんに売ろうとしてんだか。
また話しかけられないようにするため、トリコたちも察してくれたのか私たちは歩を進めていく。
「あれは通称・毒星。劇薬指定のヒトデなの」
「ええっ!?」
「食べれば100パーセント中毒になるらしいよ。過去に毒星が出回って人口百万人級の都市が丸ごと崩壊した例もあるからね」
「他にもいろいろあるぞ」
さっきの毒星のことを説明していると、トリコが路上にシートを広げて売っている食材を示してくれた。
「こいつはドラッグマイマイ、普通の国なら完全な隔離生物。抜け殻を持ってるだけで捕まる。エレキバナナはひと口で体中に電流が走る。第二級の麻薬食材だ」
「ヤバい食材ばかりですね……」
「ああ。絶滅危惧種に品種改良の違法食材、数えたらキリがねぇぜ」
「マトモなモノは売ってないんですか?」
「もちろんあるよ。全てがそんなモノじゃないからね。ほら」
「あーこれは!」
私が尋ねるとココさんが示した食材に、小松さんも反応して嬉しそうに声を上げた。
「これはジューシイタケ! すごく貴重な高級食材ですよ!?」
「いくつか買ってくか? どうせカジノで必要になるし」
「そうだね」
「ジューシイタケください!」
「どうしてカジノで食材が必要なの?」
「食材を賭けてやるゲームもあるんだ」
「へ~……賭けの対象になるんですか」
「こういうのも、さすがグルメ時代って感じがするね」
店員がジューシイタケを用意してくれる間に、私たちはそんな会話をしていた。
「――ん? あれは……」
……そのとき四人の姿を見て足を止めた人物がいたのだが、ジューシイタケの購入やグルメカジのについて話している瑞貴たちは全く気づかなかった。