天国か地獄か⁉︎ 突入、グルメカジノ!
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――それから列車が私たちの目的の駅に到着した。もうすぐ夕方になるとはいえ空も暗いし、なんだか空気も汚れている。
「到着だ。ここがジダル王国か」
「――おやおやおや~?」
「――カッコいい兄さんたちに綺麗なお嬢さん、ウェルカ~ム!」
「――犯罪王国ジダルへようこそ~!」
「――観光しに来たの~?」
列車に降りて早々、五人組のチンピラに目をつけられてしまったようだ。なんていうか、卑しい目つきをしている。
「へ~、なかなかデッカいね~」
「うめぇモン食ってんだろうな~」
「いい服だし~」
「さっそくだけど、下着以外全て置いてってもらおうか!」
「これってもしや……――今絡まれちゃってる、俺? ねぇ、ココ!」
「何喜んでんだ……」
「貴重だぜ~? 普通の人間に絡まれるなんてよ!」
チンピラに絡まれているってのに、両拳を口元に向け脇を開け閉めしてウキウキと嬉しそうにしているトリコ。ココさんも呆れており、小松さんと私は顔を見合わせて苦笑した。
「確かに……IGO非加盟国にはトリコさんを知らない人が多いんですかね?」
「グルメフォーチュンに向かう美食鉄道でゾンゲに絡まれたのも、牽制とはいえ単に向こうが無知だっただけだしね」
「うるっせぇよ! お前らなんか知らねぇし!」
「あの~悪いことは言いません。トリコさんに絡むのはやめたほうが……」
「小松さん、それ逆効果――」
「うるせぇっつってんだろ! もうめんどいから逝け!」
小松さんの言葉は相手を苛つかせるしかないので止めようとしたら、我慢の限界が来た一人が銃を突きつけてきた。
「うわー!」
「きゃー! 怖いー!」
「言動と声音が一致してないじゃん!」
あからさまに撃つ気だってのに小松さんみたいに悲鳴を上げることなく、トリコは甲高い声で叫ぶ。言葉とは裏腹過ぎるほど笑顔だけどね! 銃を突きつけられて喜ぶ人なんて初めて見たわ!
「くらえ!」
バァンッ!
キンッ!
発砲音の次に鉄に当たった音が聞こえた。それもそのはず――トリコが弾丸をフォークのように指と指の間で挟んだんだから。撃った本人だって思わず目を擦って現実を確認するくらいだ。
「「「「「弾丸を指でー!?」」」」」
「何モンだ、こいつ!?」
「へへっ。美食屋トリコだ、覚えときな!」
「「「「「ぎゃあぁぁあああ!!」」」」」
グルメ細胞のオーラを混じったトリコの睨みに、チンピラ共はさっきの威勢が全くなくなった。……あれ? 退散しない?
「こ、こうなったらそこの女だけでも! 売っぱらってやるぜ!」
どうやらせめてと思って次に私をターゲットにしたようだ。こっちに伸びて来る手を払おうと私は腕を構えると――。
パシッ!
「なっ!」
「あれ?」
私に触れる前にチンピラの腕を取ったのはココさんだった。さっきまでチンピラに関心を持たなかったのに。
「僕のお姫様に何をする気だって? ――致死性の猛毒じゃすまないよ?」
「「「「「ヒイイィィイイイ!!」」」」」
これまたグルメ細胞のオーラを出して黒い笑みを浮かべたココさんに恐れ、チンピラたちは今度こそ退散して行った。
「瑞貴ちゃん、大丈夫かい?」
「はい、私は全然。ココさん、ありがとうございます」
「ハハハハハハッ! 楽しい街じゃねぇか! 退屈しねぇな、こりゃ!」
「ただ治安が悪いだけじゃあないですか!」
「治安? いつも行く大自然だって超危険だろ?」
「大自然には大自然のルールがちゃんとあると思います!」
「じゃあ、ここより大自然のほうが小松さんにはマシかな?」
「えっ? 大自然だと猛獣に食われそうだし……でも逆に治安が悪いと殺されそうだし……う~ん……」
「うん、ごめん。意地悪な質問をして」
想像しているのか両腕を組んで真剣に頭を悩ませる小松さんに私は謝罪した。どっちにしろ命の危険が隣合わせだもんね。
「……にしてもココ、さっきからずいぶん瑞貴にアピールしてんな」
「そんなつもりじゃないけど、攻めるときは攻めるよ。――あんな話を聞かされて、僕だって焦らないわけじゃないからね」
……クリスマスにIGOに泊まった日、ココはトリコからゼブラやスタージュンが瑞貴に想いを寄せていることを聞いた。
四天王一の優男と言われるほど紳士で強いココは女性に大人気だが、ただ一人の女性に想ってもらわないと意味がない。――瑞貴が自分の言葉や動作にときめいてもらっても恋愛ではないと電磁波でわかっているので、さすがに本腰を入れなければと思ったようだ。
「到着だ。ここがジダル王国か」
「――おやおやおや~?」
「――カッコいい兄さんたちに綺麗なお嬢さん、ウェルカ~ム!」
「――犯罪王国ジダルへようこそ~!」
「――観光しに来たの~?」
列車に降りて早々、五人組のチンピラに目をつけられてしまったようだ。なんていうか、卑しい目つきをしている。
「へ~、なかなかデッカいね~」
「うめぇモン食ってんだろうな~」
「いい服だし~」
「さっそくだけど、下着以外全て置いてってもらおうか!」
「これってもしや……――今絡まれちゃってる、俺? ねぇ、ココ!」
「何喜んでんだ……」
「貴重だぜ~? 普通の人間に絡まれるなんてよ!」
チンピラに絡まれているってのに、両拳を口元に向け脇を開け閉めしてウキウキと嬉しそうにしているトリコ。ココさんも呆れており、小松さんと私は顔を見合わせて苦笑した。
「確かに……IGO非加盟国にはトリコさんを知らない人が多いんですかね?」
「グルメフォーチュンに向かう美食鉄道でゾンゲに絡まれたのも、牽制とはいえ単に向こうが無知だっただけだしね」
「うるっせぇよ! お前らなんか知らねぇし!」
「あの~悪いことは言いません。トリコさんに絡むのはやめたほうが……」
「小松さん、それ逆効果――」
「うるせぇっつってんだろ! もうめんどいから逝け!」
小松さんの言葉は相手を苛つかせるしかないので止めようとしたら、我慢の限界が来た一人が銃を突きつけてきた。
「うわー!」
「きゃー! 怖いー!」
「言動と声音が一致してないじゃん!」
あからさまに撃つ気だってのに小松さんみたいに悲鳴を上げることなく、トリコは甲高い声で叫ぶ。言葉とは裏腹過ぎるほど笑顔だけどね! 銃を突きつけられて喜ぶ人なんて初めて見たわ!
「くらえ!」
バァンッ!
キンッ!
発砲音の次に鉄に当たった音が聞こえた。それもそのはず――トリコが弾丸をフォークのように指と指の間で挟んだんだから。撃った本人だって思わず目を擦って現実を確認するくらいだ。
「「「「「弾丸を指でー!?」」」」」
「何モンだ、こいつ!?」
「へへっ。美食屋トリコだ、覚えときな!」
「「「「「ぎゃあぁぁあああ!!」」」」」
グルメ細胞のオーラを混じったトリコの睨みに、チンピラ共はさっきの威勢が全くなくなった。……あれ? 退散しない?
「こ、こうなったらそこの女だけでも! 売っぱらってやるぜ!」
どうやらせめてと思って次に私をターゲットにしたようだ。こっちに伸びて来る手を払おうと私は腕を構えると――。
パシッ!
「なっ!」
「あれ?」
私に触れる前にチンピラの腕を取ったのはココさんだった。さっきまでチンピラに関心を持たなかったのに。
「僕のお姫様に何をする気だって? ――致死性の猛毒じゃすまないよ?」
「「「「「ヒイイィィイイイ!!」」」」」
これまたグルメ細胞のオーラを出して黒い笑みを浮かべたココさんに恐れ、チンピラたちは今度こそ退散して行った。
「瑞貴ちゃん、大丈夫かい?」
「はい、私は全然。ココさん、ありがとうございます」
「ハハハハハハッ! 楽しい街じゃねぇか! 退屈しねぇな、こりゃ!」
「ただ治安が悪いだけじゃあないですか!」
「治安? いつも行く大自然だって超危険だろ?」
「大自然には大自然のルールがちゃんとあると思います!」
「じゃあ、ここより大自然のほうが小松さんにはマシかな?」
「えっ? 大自然だと猛獣に食われそうだし……でも逆に治安が悪いと殺されそうだし……う~ん……」
「うん、ごめん。意地悪な質問をして」
想像しているのか両腕を組んで真剣に頭を悩ませる小松さんに私は謝罪した。どっちにしろ命の危険が隣合わせだもんね。
「……にしてもココ、さっきからずいぶん瑞貴にアピールしてんな」
「そんなつもりじゃないけど、攻めるときは攻めるよ。――あんな話を聞かされて、僕だって焦らないわけじゃないからね」
……クリスマスにIGOに泊まった日、ココはトリコからゼブラやスタージュンが瑞貴に想いを寄せていることを聞いた。
四天王一の優男と言われるほど紳士で強いココは女性に大人気だが、ただ一人の女性に想ってもらわないと意味がない。――瑞貴が自分の言葉や動作にときめいてもらっても恋愛ではないと電磁波でわかっているので、さすがに本腰を入れなければと思ったようだ。