メリーイタダキマス! グルメサンタの贈り物!
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対してゼブラは急に集まって来た子供たちが、みんな笑顔で自分を見るので驚きながらも鬱陶しそうに片腕を広げる。
「あ? なんだてめぇら。離れろ!」
「感謝しているのです」
「あ?」
「その七面魚のせいで、ずっと漁に出られなくて困ってたんです」
「「「「「ありがとう!!」」」」」
「知るか、そんなこと。鬱陶しいぞ、てめぇら!」
漁を中心に食べていたこの島は、ずっと七面魚のせいで困っていたようだ。大人や子供たちに礼を言われるも、ゼブラは再び鬱陶しそうに叫ぶが、子供たちは感謝が大きいのでゼブラを怖がりもしない。
ゼブラよりも大きい七面魚の丸焼きから漂う匂いに、子供たちは食欲がそそられて食べていく。
「おいしい!」
「この肉、七面鳥みたいな味がする!」
「ホント、クリスマスにピッタリだね!」
「あ? あぐっ……チョーシに乗った肉だ。まあフルコースにはまだまだだが」
ピクッ。
「あ?」
パアアァァアアア――……!
七面魚を食べるゼブラの耳に届いた音――それは赤色に光輝く空を示していた。
☆☆☆☆☆
……場所は戻ってリグの街。紛争のせいで家がなくなり、瓦礫の下を家代わりにして体を横にする少年たちがいた。
「お腹空いた……」
「ジッとしてろ……。動いたらもっとお腹が空いちゃうぞ……」
「お腹空いたよ……」
「だからもう…食べ物は何もないんだって……」
「お腹が…空いた……」
「きっと…お兄ちゃんが食べ物持って来てくれるから……我慢しな……」
「お腹空いた…お腹空いたよ……!」
「ウッ……クッ……!」
自分より下の弟が何度も『お腹空いた』と言って泣いている。それは自分も同じだが辛さをぶつけまいと体を起こして励ます。
「我慢しろ! お兄ちゃんだって、何も食べずに食べ物探しに行ってんだ……! がんばれ……お兄ちゃんが戻ってくるまでの辛抱だ……! きっと食べ物を持って来てくれるから……がんばれ……!」
「――励ましだけじゃあ、腹は膨れねぇよな」
「「!」」
第三者の声に二人が顔を向けると、食べ物を探しに向かっていた自分たちの兄と、リンと、そしてホカホカのおにぎりを持ったトリコがいた。この二人は先ほどトリコが助けた少年の兄弟のようだ。
「千の言葉は、握り飯一個にしかず」
「大丈夫か?」
「「お兄ちゃん!」」
「遅くなってすまんな。あったかいメシをどっさり持って来たぞ!」
「サ……」
「サンタさん……?」
「今日はクリスマス! グルメサンタからのプレゼントだ!」
積み重なるほどの荷物には食べ物がたくさんある。漂って来るいい匂いに次男の少年は起き上がっておにぎりを受け取った。
「ありがとう!」
「よかったな!」
「たくさんあるから、兄弟の分も持ってけよ!」
「――サンタさん?」
すると声や匂いにつられてきたのか、あちこちから子供たちが集まってきた。この子たちも彼らと同じようにお腹を空かせている。
「おい! 好きなだけ、腹いっぱい食べていいぞ!」
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「ハハッ!」
「ほ~ら、まだまだあるし! いっくらでも食べていいし!」
そして先ほどおにぎりを受け取った次男は、お腹空いたと泣いていた末っ子に渡す。そして長男の手には新しいおにぎりがあった。
「はい」
「わ~……ホッカホホッカだ……! はむっ……おいしい……!」
「おいしい……!」
「ホント…おいしいな……!」
末っ子だけじゃなく次男も長男も、みんな温かいおにぎりとそのおいしさに感動して涙を流す。その様子をトリコは微笑ましそうに見ていた。
「サンタさん……」
「ん?」
「ありがとう……!」
「「ありがとう!」」
「また…また来年も来てください……! サンタさん……!」
「!」
末っ子を始め三兄弟がトリコにお辞儀をして礼を言った。そして末っ子が涙を浮かべながら頼みこむと、トリコは一瞬驚いたが笑顔でしゃがみ、末っ子の両肩に手を置く。
「あ? なんだてめぇら。離れろ!」
「感謝しているのです」
「あ?」
「その七面魚のせいで、ずっと漁に出られなくて困ってたんです」
「「「「「ありがとう!!」」」」」
「知るか、そんなこと。鬱陶しいぞ、てめぇら!」
漁を中心に食べていたこの島は、ずっと七面魚のせいで困っていたようだ。大人や子供たちに礼を言われるも、ゼブラは再び鬱陶しそうに叫ぶが、子供たちは感謝が大きいのでゼブラを怖がりもしない。
ゼブラよりも大きい七面魚の丸焼きから漂う匂いに、子供たちは食欲がそそられて食べていく。
「おいしい!」
「この肉、七面鳥みたいな味がする!」
「ホント、クリスマスにピッタリだね!」
「あ? あぐっ……チョーシに乗った肉だ。まあフルコースにはまだまだだが」
ピクッ。
「あ?」
パアアァァアアア――……!
七面魚を食べるゼブラの耳に届いた音――それは赤色に光輝く空を示していた。
☆☆☆☆☆
……場所は戻ってリグの街。紛争のせいで家がなくなり、瓦礫の下を家代わりにして体を横にする少年たちがいた。
「お腹空いた……」
「ジッとしてろ……。動いたらもっとお腹が空いちゃうぞ……」
「お腹空いたよ……」
「だからもう…食べ物は何もないんだって……」
「お腹が…空いた……」
「きっと…お兄ちゃんが食べ物持って来てくれるから……我慢しな……」
「お腹空いた…お腹空いたよ……!」
「ウッ……クッ……!」
自分より下の弟が何度も『お腹空いた』と言って泣いている。それは自分も同じだが辛さをぶつけまいと体を起こして励ます。
「我慢しろ! お兄ちゃんだって、何も食べずに食べ物探しに行ってんだ……! がんばれ……お兄ちゃんが戻ってくるまでの辛抱だ……! きっと食べ物を持って来てくれるから……がんばれ……!」
「――励ましだけじゃあ、腹は膨れねぇよな」
「「!」」
第三者の声に二人が顔を向けると、食べ物を探しに向かっていた自分たちの兄と、リンと、そしてホカホカのおにぎりを持ったトリコがいた。この二人は先ほどトリコが助けた少年の兄弟のようだ。
「千の言葉は、握り飯一個にしかず」
「大丈夫か?」
「「お兄ちゃん!」」
「遅くなってすまんな。あったかいメシをどっさり持って来たぞ!」
「サ……」
「サンタさん……?」
「今日はクリスマス! グルメサンタからのプレゼントだ!」
積み重なるほどの荷物には食べ物がたくさんある。漂って来るいい匂いに次男の少年は起き上がっておにぎりを受け取った。
「ありがとう!」
「よかったな!」
「たくさんあるから、兄弟の分も持ってけよ!」
「――サンタさん?」
すると声や匂いにつられてきたのか、あちこちから子供たちが集まってきた。この子たちも彼らと同じようにお腹を空かせている。
「おい! 好きなだけ、腹いっぱい食べていいぞ!」
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「ハハッ!」
「ほ~ら、まだまだあるし! いっくらでも食べていいし!」
そして先ほどおにぎりを受け取った次男は、お腹空いたと泣いていた末っ子に渡す。そして長男の手には新しいおにぎりがあった。
「はい」
「わ~……ホッカホホッカだ……! はむっ……おいしい……!」
「おいしい……!」
「ホント…おいしいな……!」
末っ子だけじゃなく次男も長男も、みんな温かいおにぎりとそのおいしさに感動して涙を流す。その様子をトリコは微笑ましそうに見ていた。
「サンタさん……」
「ん?」
「ありがとう……!」
「「ありがとう!」」
「また…また来年も来てください……! サンタさん……!」
「!」
末っ子を始め三兄弟がトリコにお辞儀をして礼を言った。そして末っ子が涙を浮かべながら頼みこむと、トリコは一瞬驚いたが笑顔でしゃがみ、末っ子の両肩に手を置く。