四天王招集! 真冬の夜の奇跡!
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「ええ。死季の森の奥深くに行ったまま、無線連絡が途絶えたの。あなたたちにはパッチ氏を連れ帰ってほしいの」
「森って……今、凍季のはずだろ?」
「はい。おっしゃるように死季の森はブリザードが吹き荒れ、全てを凍らせる季節・凍季です。凍季の間、止まないと言われるブリザードですが……数年に一度、数日間だけ止むことがあるのです。寒さが和らぐ『休寒日』が」
それでヘリで来れるくらいの状態だったのか。前に聞いた話と違うから、最初に見た違和感はそれだったんだね。
「パッチ殿は休寒日を利用して、死季の森へ行きました。IGO開発局のヨハネス殿と一緒に」
「ヨハネスさんも!?」
「IGO専属の美食屋も同行しましたが、休寒日と言えども険しい死季の森。パッチ殿と逸れ、やむなく引き返してきました」
「でも、何故森に?」
ココさんの質問には私も同意だ。そこまで危険な森に専属の美食屋が一緒(途中で逸れたけど)とはいえ、なんでG7がわざわざ?
「甘露の木が目的よ」
「なっ!」
「甘露の木だと!? 森にあるのか!? あの伝説の木が!」
ラブ所長の言う木の名前にココさんとトリコが反応した。だけどなんのことかわからない私と小松さんとリンちゃんは、顔を見合わせて首を傾げるのだった。
――とりあえず依頼を受けることにし、私たちも死季の森に入ったんだけど……。
「うわ~広い森ですね~! それにしても……貸してもらった防寒着、まるでサンタクロースみたい……」
「だよね。防寒に優れていて、森でも目立つっていうのは私もわかるけど……」
「これまた貸してもらった収納袋がサンタチック! ラブ所長の趣味ですかね?」
「可愛くていいし! 何よりトリコとペアルック! 最高だし!」
「おい!」
「ペアルックというか、五人でおそろいだけどね……」
リンちゃんはハシャぎながらトリコと腕を組むと、ココさんが冷静にツッコミを入れた。
男性組は普通にズボンだけど、リンちゃんと私はミニスカサンタである。いつもの服装や私服はスカートの下にズボンを履いてるし、パーティードレスでも膝丈が多いからせめてもう少し長くしてほしかった……。
「でもやっぱりリンちゃんは可愛いね。ミニスカを履き慣れているってこともあって、着こなし方わかっているもの」
「そう? でも瑞貴も似合っているし。トリコだけじゃなく瑞貴ともペアルックって、ウチは嬉しいし!」
「だから五人でおそろいなんですてっば……」
……再びハシャぐリンに、今度は小松がコッソリとツッコミを入れた。
「あの~トリコさん」
「ん?」
「甘露の木っていったいどんな木なんですか? 伝説の木っておっしゃってましたけど」
「幹に葉、全てが食べられる木だ。樹液は甘く、幹はしっとりとしていて柔らかい! 葉はまるで飴細工のように美しく、舌の上でスッと溶ける! まっ、俺もまだ見たことねぇけどな」
「熱に弱くて冬――それもマイナス100度以下の寒い地域でしか育たないからね。なかなか見つけるのが難しいんだ」
「だから伝説の木か……。全てを凍らせるほどの凍季を迎える死季の森は、育つのにまさにうってつけの場所ってわけね」
「でも、なんでパッチさんが甘露の木を探すんでしょうか? 店や料理人の格付けが仕事なのに」
小松さんの疑問はもっともだ。伝説とはいえどうして直に来てまで甘露の木を? ……――全く関係ないけど、やっぱりミニスカが落ち着かない。いくら下に念のため短パン履いてきたとはいえ、歩く度に気になるんだけど……。
「どうしたんだ?」
「ううん、ちょっと短いから落ち着かなくて……」
「フ~ン。俺はそういうのよくわかんねぇがその……似合ってんぞ」
「えっ!?」
珍しくトリコが最初からマトモに褒めてくれたから、思わず顔がボンッという効果音が付くほど赤くなってしまった。
(トリコがマトモに褒めた!?)
(ああっ! 僕も言おうと思ったのに……出遅れてしまった!)
「――トリコー!」
いつの間にかうしろにいたリンちゃんが何かを見つけたようだ。離れているからさっきの会話が聞こえないみたいでホッとする。私と小松さんは駆け寄ると、リンちゃんが何かを拾ったので私たちも両隣から覗き込む。
「無線機だし!」
「IGOって書いてあるね。パッチさんかヨハネスさんか、もしくは引き返しに来た美食屋の物かな?」
「ん? これって……」
裏返しすればバーコードがあり、私とは反対側から覗き込んだ小松さんがペロットを取り出した。バーコードを読み取ると……。
「これは……ヨハネスさんの!」
「連絡がつかないわけだな」
「いったい、何が?」
ペロットの表示にはヨハネスさんが写っていた。連絡手段がここにあるから通じないとトリコは納得したけど、リンちゃんはどうして落としたのか不思議に思う。
単に落としただけなのか、死季の森の猛獣に襲われて逃げる最中に落としたとか? それとも……――っ!
「何か来る!」
「えっ?」
第六感で危険を感じ取った私は振り向くと、ココさんを始めみんなも顔を向けた。すると――。
シュバンッ!
「うわー!」
「「ふっ!」」
雪の中から飛び出してきた猛獣が三人の元へ向かったので、トリコは小松さんを抱え、リンちゃんもその場をジャンプしてかわした。姿が見えたおかげで私もその猛獣の正体がわかる。
「森って……今、凍季のはずだろ?」
「はい。おっしゃるように死季の森はブリザードが吹き荒れ、全てを凍らせる季節・凍季です。凍季の間、止まないと言われるブリザードですが……数年に一度、数日間だけ止むことがあるのです。寒さが和らぐ『休寒日』が」
それでヘリで来れるくらいの状態だったのか。前に聞いた話と違うから、最初に見た違和感はそれだったんだね。
「パッチ殿は休寒日を利用して、死季の森へ行きました。IGO開発局のヨハネス殿と一緒に」
「ヨハネスさんも!?」
「IGO専属の美食屋も同行しましたが、休寒日と言えども険しい死季の森。パッチ殿と逸れ、やむなく引き返してきました」
「でも、何故森に?」
ココさんの質問には私も同意だ。そこまで危険な森に専属の美食屋が一緒(途中で逸れたけど)とはいえ、なんでG7がわざわざ?
「甘露の木が目的よ」
「なっ!」
「甘露の木だと!? 森にあるのか!? あの伝説の木が!」
ラブ所長の言う木の名前にココさんとトリコが反応した。だけどなんのことかわからない私と小松さんとリンちゃんは、顔を見合わせて首を傾げるのだった。
――とりあえず依頼を受けることにし、私たちも死季の森に入ったんだけど……。
「うわ~広い森ですね~! それにしても……貸してもらった防寒着、まるでサンタクロースみたい……」
「だよね。防寒に優れていて、森でも目立つっていうのは私もわかるけど……」
「これまた貸してもらった収納袋がサンタチック! ラブ所長の趣味ですかね?」
「可愛くていいし! 何よりトリコとペアルック! 最高だし!」
「おい!」
「ペアルックというか、五人でおそろいだけどね……」
リンちゃんはハシャぎながらトリコと腕を組むと、ココさんが冷静にツッコミを入れた。
男性組は普通にズボンだけど、リンちゃんと私はミニスカサンタである。いつもの服装や私服はスカートの下にズボンを履いてるし、パーティードレスでも膝丈が多いからせめてもう少し長くしてほしかった……。
「でもやっぱりリンちゃんは可愛いね。ミニスカを履き慣れているってこともあって、着こなし方わかっているもの」
「そう? でも瑞貴も似合っているし。トリコだけじゃなく瑞貴ともペアルックって、ウチは嬉しいし!」
「だから五人でおそろいなんですてっば……」
……再びハシャぐリンに、今度は小松がコッソリとツッコミを入れた。
「あの~トリコさん」
「ん?」
「甘露の木っていったいどんな木なんですか? 伝説の木っておっしゃってましたけど」
「幹に葉、全てが食べられる木だ。樹液は甘く、幹はしっとりとしていて柔らかい! 葉はまるで飴細工のように美しく、舌の上でスッと溶ける! まっ、俺もまだ見たことねぇけどな」
「熱に弱くて冬――それもマイナス100度以下の寒い地域でしか育たないからね。なかなか見つけるのが難しいんだ」
「だから伝説の木か……。全てを凍らせるほどの凍季を迎える死季の森は、育つのにまさにうってつけの場所ってわけね」
「でも、なんでパッチさんが甘露の木を探すんでしょうか? 店や料理人の格付けが仕事なのに」
小松さんの疑問はもっともだ。伝説とはいえどうして直に来てまで甘露の木を? ……――全く関係ないけど、やっぱりミニスカが落ち着かない。いくら下に念のため短パン履いてきたとはいえ、歩く度に気になるんだけど……。
「どうしたんだ?」
「ううん、ちょっと短いから落ち着かなくて……」
「フ~ン。俺はそういうのよくわかんねぇがその……似合ってんぞ」
「えっ!?」
珍しくトリコが最初からマトモに褒めてくれたから、思わず顔がボンッという効果音が付くほど赤くなってしまった。
(トリコがマトモに褒めた!?)
(ああっ! 僕も言おうと思ったのに……出遅れてしまった!)
「――トリコー!」
いつの間にかうしろにいたリンちゃんが何かを見つけたようだ。離れているからさっきの会話が聞こえないみたいでホッとする。私と小松さんは駆け寄ると、リンちゃんが何かを拾ったので私たちも両隣から覗き込む。
「無線機だし!」
「IGOって書いてあるね。パッチさんかヨハネスさんか、もしくは引き返しに来た美食屋の物かな?」
「ん? これって……」
裏返しすればバーコードがあり、私とは反対側から覗き込んだ小松さんがペロットを取り出した。バーコードを読み取ると……。
「これは……ヨハネスさんの!」
「連絡がつかないわけだな」
「いったい、何が?」
ペロットの表示にはヨハネスさんが写っていた。連絡手段がここにあるから通じないとトリコは納得したけど、リンちゃんはどうして落としたのか不思議に思う。
単に落としただけなのか、死季の森の猛獣に襲われて逃げる最中に落としたとか? それとも……――っ!
「何か来る!」
「えっ?」
第六感で危険を感じ取った私は振り向くと、ココさんを始めみんなも顔を向けた。すると――。
シュバンッ!
「うわー!」
「「ふっ!」」
雪の中から飛び出してきた猛獣が三人の元へ向かったので、トリコは小松さんを抱え、リンちゃんもその場をジャンプしてかわした。姿が見えたおかげで私もその猛獣の正体がわかる。