劇的変身! 美容室バーバーグルメ!
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トリコから聞いた話では一龍会長にはコンビがいなくて、自分のフルコースは調理できる者がいないからなんの価値もないと言ってたらしい。でも、私たちには七回共聞こえていた!
「IGO会長さんのフルコースの声、確かに聞こえました!」
「コンビじゃないけど、調理する資格があるってことだよね!」
「あっしにも一つくらいは聞こえたかも……」
「嘘つけ、店長!」
トリコは適当なこと言う店長にチョークスリーパーくらわせる。まあ、じゃれ合い程度だから手加減しているけどね。
でも店長がスゴい料理人だってことが、私たちにもわかっていた。
「今日ここで、トリコさんと一緒に食べたコース……甘めの前菜と精がつくクリームで疲れを癒してくれたり」
「サラダやスープを抜いてメインディッシュを先にして、お肉でスタミナ回復を図ってくれた」
「ありがとうございます! おかげでホント元気になれました!」
「それに綺麗にカットしてくれて本当に嬉しいです! ねっ、トリコ!」
「ああ。ありがとよ、店長!」
「ウム!」
グルメ美容室なんて私から見れば変わった場所で最初は驚いたけど、散髪だけじゃなくリラックスできるように店長は試行錯誤してくれたんだ。相手のことを考える心遣いを特に見習いたいと思う。
「食べた人が喜んで元気になる……僕、料理人としてやりたいことがなんなのか、ハッキリとわかった気がします!」
「一人でも多くの人に食の喜びを感じてもらえるよう、一層気合いが入ったよ!」
「ホォ」
「頼もしいよ。ぜひ会長のフルコースの謎も解いてほしいな」
「はい!」
「私たち、がんばります!」
ガチャ。
「「「「「ん?」」」」」
「あー! トリコー!」
「リン!」
扉の開く音に気づいて顔を向けたら、入って来たのは久々のリンちゃんだった。って、相変わらずトリコのことしか見えてないのね……。
「ここにいたしー!」
「おっ……」
「探してたんだしー!」
「あっ……」
「てかトリコ、髪切ったし?」
「ちょっ、リン!」
「イケてるし~!」
これまた相変わらず全然聞いてないよ。トリコが落ち着かせようと声をかけてるのに。
「どうしたんだい?」
「ん? あっ……」
「急いでいるみたいだけど」
ココさんが声をかけたおかげでリンちゃんは我に返り、ココさんや私たちの存在に気づいてくれた。
「ココもいるしー! ちょうどよかったし~! あっ、瑞貴! 久しぶりだしー!」
「久しぶり、リンちゃん。元気そうで何よりだよ」
「あっ、何故かついでに小松もいるし!」
「僕はついでですか……」
「あっ、思い出したし! 超大変だし! マンサム所長から大至急の依頼があるんだしー!」
――私たちは店長に部屋を借りて私服からいつもの服装に着替え、リンちゃんを送ってくれたIGOのヘリに乗って雲より高く上昇して向かう。だけど行き先とか教えてもらってないんだけど?
「あの~……いったいどこへ?」
「俺たち捕獲したい食材、他にもあるんだけどな~」
「まあまあ、マンサム所長から大至急って言うほどの依頼なんだから行ってみようよ」
「見えてきたし!」
小松さんとトリコを宥めていたら、目的地に向かって降りているせいか雲がだんだんと晴れてきた。その先にあるのは――。
「あれは! グルメ刑務所――ハニープリズン!」
「もしかして、マンサム所長の依頼ってラブ所長も関係しているの……?」
ゼブラを迎えに行った場所であり、世界最大級のグルメ刑務所……季節が真冬のせいか、周りには雪が積もっていた。って、あれ? なんだか死季の森がおかしい?