劇的変身! 美容室バーバーグルメ!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
「「トリコ/さん!」」
「ん?」
話を聞いて私は声を上げると、同時に小松さんも声を上げたので、私たちは勢いよく顔を見合わせる。
「やっぱり、小松さんも!?」
「はい! 瑞貴さんもそうなんですね!?」
「どういうことだい?」
「お前らで理解してねぇで、俺たちにもちゃんと説明してくれよ」
ココさんとトリコは話に付いて行けないというように尋ねたので、私たちは当時のことを思い出しながら言う。
「僕ら……聞きました!」
「聞いた?」
「はい! たぶん、その食材だと思います!」
「合わせて七回……似たような声を聞いたから、間違いないと思う!」
「小松、瑞貴、お前ら……会長(オヤジ)のフルコースの声を七回共!?」
「「はい! ハッキリと!」」
そのときはなんの食材かわからなかったけど、トリコとココさんの話を聞いて合点がいった。あれは一龍会長のフルコースの声だったんだ!
「他にも聞こえた人はいるのかな?」
「私はどれも一人きりかパートナーといたときだったので、心当たりはないです……」
「他には……」
……小松は最初に声が聞こえたとき、一緒にその場にいた大竹を思い浮かべた。確かに彼も何かしら感じた様子だったが、きっと別のモノだと直感していた。
「他にいるのかはわかりません……」
小松さん、様子がおかしいけどどうしたんだろう? マッサージのとき店長が言ってた『ストレスと緊張』にも関係しているのかな?
「セツ婆はこう言ってた……」
『イチちゃんのフルコースは特殊じゃからのう。果たして調理しようと思う物好きがいるかどうか……』
「トリコさん! そのフルコース、ぜひ僕らに会わせてください!」
「声が聞けたなら、調理できる可能性もある! お願い!」
(会長(オヤジ)……いたぞ! 会長(オヤジ)のフルコースを調理してくれる可能性のある料理人が! 今の時代にいたんだ!)
☆☆☆☆☆
……自分のフルコースが七つ見つけられ、さらに調理してくれる料理人を二人もトリコたちが見つけたなど知らず、一龍はポチに乗りながら不敵に笑っていた。
「フッフッフッフッフッ。わしのフルコースは人間界へ置いていく……そのまま誰も必要としないことを祈るわい。さて、そろそろ着くかのう」
雲の上だというのに不気味な空の中で一龍が目指す先――それは花の蕾のような形をした巨大な建造物で、その周りには屈強な猛獣たちが集まっていた。ここはなんとグルメ界――美食會の本部である。
その建物の中では、GTロボにさらわれた料理人が生気のない目をしながら両手を縛られて列になって歩いており、美食會に所属する料理人や料理長・クロマドが確認していると……。
「大変だー! 一龍の奴が自ら乗り込んで来やがったー!」
見張り番からの『IGO会長・一龍が来る』という報せを聞き、大慌てで美食會の一人の料理人がクロマドに報告する。
「一人か?」
「はい、クロマド様! 一龍一人でございます!」
「幹部共をいるだけ集めろ! 人工生物も灰汁獣たちも出動だ!」
「ハッ!」
「それとアルファロに……このことをボスに伝えろと」
さらわれた料理人の列の中に、小松の旧友である大竹がそこにいる。そして彼は他の料理人と違い、確かな意識を持って下の会話を聞いて顔を上げていた。