劇的変身! 美容室バーバーグルメ!
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「フゥ~」
「よーし洗髪だ!」
店長は食べ終わったトリコの座る椅子を回転させると、台から洗面台を出してトリコの頭を寝かせる。
次にボウルにホースからシャンプーみたいなのを出したと思ったら、今度は泡だて器を使って混ぜ始めた。泡立ちの様子がまるで生クリームみたい。そして手の平で確認してトリコの髪を洗っていくんだけど……。
「あの手つき……特殊調理食材・夢見米の研ぎ方!」
「料理しているのか洗髪しているのかわからないね……」
「フゥ~……この泡のフワフワ感、夢見心地だぜ~」
「この人、確かに只者じゃない……!」
「うん……!」
店長は料理の経験を美容師に生かしているのか。洗われているトリコも気持ちよさそうな表情をしている。穴空きお玉のシャワーで泡を流し、今度はシャモジを使って髪をほぐしていた。それもまたお米をほぐすような手つきで……。
「よーし! これでお米ひと粒ひと粒……じゃなくて、髪一本一本に艶が出る――はずなんだが……」
ペッパーミルのようなドライヤーで、トリコの髪を乾かし終えた店長の言葉が急に止まった。夢見米の研ぎ方や手つきでも、トリコの髪のダメージは一筋縄じゃないかないってこと? ――かと思いきや。
「まっ、いっか」
「そこ適当ですか!?」
「なんかいろいろ台無し!」
「さ~て、次のコースメニューは……」
私たちのツッコミもスルーして、店長は台から降りるとキッチンへ向かった。
「小松、瑞貴、お前らも一緒にどうだ?」
「えっ! いいんですか~!?」
「でも予約してないし、あと……そこまで持ち合わせがないし」
「そんくらい俺が誘ったんだから出してやるって。なあ、店長!」
「もちろん! コースの途中からでよかったら」
「お願いします!」
「じゃあ、私も」
トリコ、小松さん、私の順で並んで席に座り、店長からカットクロスをかけてもらった。店長は最初に私に洗髪をしてくれたから、髪が心成しかツヤツヤしている。
「トリコの見ているときもスゴいと思ったけど、実際やってもらうととっても気持ちよかったです~」
「可愛いお嬢さんにそう言ってもらえると光栄だぞ。それにしてもお嬢さん、短期間でトリコよりもかなりいろんな場所に行っておるな? それも過酷な場所から環境があまりよくない場所とかに」
「ま、まあ美食屋やってますから……」
髪だけでそこもわかるのか!? 最初の会話を聞かれていたわけじゃないのに……千里眼でも持ってないだろうな、この店長!
店長は次に小松さんに両手を組んで叩いたり、肘を使ってマッサージを始めた。小松さんってば、気持ちよ過ぎて寝てしまうだけでなくヨダレまで垂らしているし。
「ん~…ホワァ~…ハァ~! マッサージ、なんでそんなにお上手なんですか~! あ~……」
「フ~ム……筋肉も自律神経も緊張しとるぞ。何か強いストレスや悩み事を抱えておるだろ?」
「っ!」
……小松は先日の大竹との会話を思い出した。
『ホントに変わっちゃったんだね……竹ちゃん』
……変わり果てた修業仲間にショックを受け反発もしたので、知らず内にストレスが溜まっていたのだろう。
「この人……やっぱり只者じゃない……」
小松さんの悩みがなんだかはわからないけど、再びキッチンに向かった店長を目で追っているということは、相当なことがあったのかな。
「お待たせ。焼けたよ~。本日のメインディッシュ!」
「「わ~!」」
「待ってました! セレ豚のステーキ!」
店長が三人分持って来てくれたのは、とってもいい焼き加減のセレ豚のステーキだ。高額なのにかなり大きいし厚みもあるし、さらに付け合わせの野菜も豪華で小松さんもトリコも私も興奮している。
「うわ~!」
「ウッホ! ネギヤギのネギまであるじゃねぇか!」
「おいしそ~!」
「「「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」」」
「あ~……!」
「うっめ~! いい塩加減だ~!」
「おいしい~!」
高級食材がどうのというより、店長の抜群の調理も加わって最高においしい! 小松さんもフォークとナイフを持っただけで顔がユルユルだったし、トリコもあまりのおいしさに涙を一つ流した。かくいう私もほっぺたが落ちるくらいおいしくて感動する。
「よーし洗髪だ!」
店長は食べ終わったトリコの座る椅子を回転させると、台から洗面台を出してトリコの頭を寝かせる。
次にボウルにホースからシャンプーみたいなのを出したと思ったら、今度は泡だて器を使って混ぜ始めた。泡立ちの様子がまるで生クリームみたい。そして手の平で確認してトリコの髪を洗っていくんだけど……。
「あの手つき……特殊調理食材・夢見米の研ぎ方!」
「料理しているのか洗髪しているのかわからないね……」
「フゥ~……この泡のフワフワ感、夢見心地だぜ~」
「この人、確かに只者じゃない……!」
「うん……!」
店長は料理の経験を美容師に生かしているのか。洗われているトリコも気持ちよさそうな表情をしている。穴空きお玉のシャワーで泡を流し、今度はシャモジを使って髪をほぐしていた。それもまたお米をほぐすような手つきで……。
「よーし! これでお米ひと粒ひと粒……じゃなくて、髪一本一本に艶が出る――はずなんだが……」
ペッパーミルのようなドライヤーで、トリコの髪を乾かし終えた店長の言葉が急に止まった。夢見米の研ぎ方や手つきでも、トリコの髪のダメージは一筋縄じゃないかないってこと? ――かと思いきや。
「まっ、いっか」
「そこ適当ですか!?」
「なんかいろいろ台無し!」
「さ~て、次のコースメニューは……」
私たちのツッコミもスルーして、店長は台から降りるとキッチンへ向かった。
「小松、瑞貴、お前らも一緒にどうだ?」
「えっ! いいんですか~!?」
「でも予約してないし、あと……そこまで持ち合わせがないし」
「そんくらい俺が誘ったんだから出してやるって。なあ、店長!」
「もちろん! コースの途中からでよかったら」
「お願いします!」
「じゃあ、私も」
トリコ、小松さん、私の順で並んで席に座り、店長からカットクロスをかけてもらった。店長は最初に私に洗髪をしてくれたから、髪が心成しかツヤツヤしている。
「トリコの見ているときもスゴいと思ったけど、実際やってもらうととっても気持ちよかったです~」
「可愛いお嬢さんにそう言ってもらえると光栄だぞ。それにしてもお嬢さん、短期間でトリコよりもかなりいろんな場所に行っておるな? それも過酷な場所から環境があまりよくない場所とかに」
「ま、まあ美食屋やってますから……」
髪だけでそこもわかるのか!? 最初の会話を聞かれていたわけじゃないのに……千里眼でも持ってないだろうな、この店長!
店長は次に小松さんに両手を組んで叩いたり、肘を使ってマッサージを始めた。小松さんってば、気持ちよ過ぎて寝てしまうだけでなくヨダレまで垂らしているし。
「ん~…ホワァ~…ハァ~! マッサージ、なんでそんなにお上手なんですか~! あ~……」
「フ~ム……筋肉も自律神経も緊張しとるぞ。何か強いストレスや悩み事を抱えておるだろ?」
「っ!」
……小松は先日の大竹との会話を思い出した。
『ホントに変わっちゃったんだね……竹ちゃん』
……変わり果てた修業仲間にショックを受け反発もしたので、知らず内にストレスが溜まっていたのだろう。
「この人……やっぱり只者じゃない……」
小松さんの悩みがなんだかはわからないけど、再びキッチンに向かった店長を目で追っているということは、相当なことがあったのかな。
「お待たせ。焼けたよ~。本日のメインディッシュ!」
「「わ~!」」
「待ってました! セレ豚のステーキ!」
店長が三人分持って来てくれたのは、とってもいい焼き加減のセレ豚のステーキだ。高額なのにかなり大きいし厚みもあるし、さらに付け合わせの野菜も豪華で小松さんもトリコも私も興奮している。
「うわ~!」
「ウッホ! ネギヤギのネギまであるじゃねぇか!」
「おいしそ~!」
「「「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」」」
「あ~……!」
「うっめ~! いい塩加減だ~!」
「おいしい~!」
高級食材がどうのというより、店長の抜群の調理も加わって最高においしい! 小松さんもフォークとナイフを持っただけで顔がユルユルだったし、トリコもあまりのおいしさに涙を一つ流した。かくいう私もほっぺたが落ちるくらいおいしくて感動する。