分かれ道! 料理人のめざす先
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……オトギの城で小松が何かを感じ取ったとき、大竹の様子もおかしいことに気づく。
「い、今のは……!?」
(っ! 竹ちゃんにも聞こえていたのか?)
フッ……!
「!」
しかし小松がそれを聞けることはなく、蜜蝋燭の炎が消えた音で大竹は我に返って再び小松を見据える。
「フンッ! ようするに俺がうらやましいんだろ、こまっちゃん!」
「えっ?」
「先に大きな成功を治め、ランキング100位以内にも入った俺が妬ましいから……だからそんな綺麗事を、やっかみのように喚き立てる!」
「…………」
「それにこまっちゃん、やけに舞獣姫のことを肩に持つけど……まさかあいつに惚れてるのか?」
「っ!」
「言ったよな、縁切っとけって。あいつは『貧しい場所に寄付している美食屋兼料理人』と世間は言うがな、肝心なときには来られない役立たずだ。それに寄付したって何が生まれる? あいつに対する依存しか生まれないだろ!」
大竹は瑞貴に――舞獣姫に対して強い恨みと言える感情を持っていることを小松にはわかる。そしてもう一つ……修業時代の大竹は、もういないということだ。
「ホントに変わっちゃったんだね……竹ちゃん。昔はそんなんじゃなかったのに!」
「ハァ?」
「このお店や……お客様……。何より……――食材がかわいそうだよ」
「!」
「じゃあ、もう僕行くね……」
涙目でそう言う小松に大竹は歯を食いしばった。修業時代からの付き合いだからこそ、小松が心の底から食材に対して愛情を持ち、ここにある食材を慈しんでいると気づいているからだ。
「悔しいなら……悔しいなら、俺を超えてみろよ!」
「……竹ちゃんと勝負するつもりはないよ」
大竹の言葉に足を止めた小松は、強く拳を握り締めて振り向く。
「僕はコンビのトリコさんと仲間の瑞貴さんの三人で、僕らなりの上を目指す!」
そう言い残して小松はオトギの城を出て行った。夜の街を歩いて行く中、だんだんと歩く速度が遅くなってついに立ち止まると、涙を浮かべながら夜空を見上げると、不意に修業時代の自分と大竹ともう一人の姿が浮かぶ。
「竹ちゃん……!」
あんなに言い合いをしたが、三人で過ごした修業時代に戻ることができないのかと小松は悲しんだ。
「舞獣姫、か……」
その後、店内である日記帳を見ていた大竹は、GTロボに――美食會に連れ去られてしまった。