再会! オトギの城の竹ちゃん!
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私は村長に静か茶を淹れてもらい、窓の外で元気に走り回る子供たち、畑を耕したり料理をする大人たちを見て思わず微笑んだ。
「舞獣姫様がこの島を見つけてくれて本当に助かりました。季節や流れ着いた猛獣に怯え暮らす毎日でしたが、あなた様の助力のおかげで今でも生きることができます。ありがたやありがたや」
「だからよしてください、私は人間であって神様でもなんでもありません。それにこの村の人たちは誰も生きることにあきらめていなかった……それが生きることで一番大事なことですよ」
「舞獣姫様は相変わらず謙虚ですね。あなた様に感謝する人々は大勢いるのに」
「……感謝されることもあれば、恨まれることだってあります」
私に食べ物をくれるのが当たり前になってしまい、それに甘えてしまった場所だってある。この島のように生きる術(スベ)の手助けをしても『舞獣姫が来るなら働いたかなくていい』なんて考えを持つ人や、中には『みんなに配ります』と表向きに言っておきながら裏では『独占』していた者もいた。
自分で蒔いた種でもあるから見捨てることはできなかったけど、なんとか説得したり、ときどき荒療治として無理矢理ハントや漁に連れて行ったこともあったなぁ。もちろん、私の守護結界を内緒で掛けて安全を約束していたけど。
それに――今でも目を閉じれば脳裏に思い浮かぶ。とある施設の卒園生を……。
☆☆☆☆☆
……小松はホテルグルメを出たあと、とあるレストランにやってきた。そこは外観がまるでメルヘンの世界に出てくるような城をモチーフにした――『七ツ星レストラン・オトギの城』である。
「やっぱり! 大竹って竹ちゃんのことだったんだね!」
「突然誰かと思えば、こまっちゃんかぁ! 久しぶりじゃないか!」
「ごめんね、忙しいところ……」
「いや、今店を閉めたところだ。来いよ」
彼は小松の修業時代の仲間であり、オトギの城のオーナーであり、今回世界料理人ランキング99位を取った料理人――大竹だ。
今は出入り口近くの会計にいるので、大竹は小松を奥へと案内する。見た目と同じく中も白のようなつくりだ。
「でも竹ちゃん、料理人ランキング99位だなんてスゴいよね!」
「フッ、なんてことはないよ。俺にとってはただの通過点さ」
「うわ~! ステキなお店だね!」
お客様たちが集まる店内に着くと、そこには動物のような耳が付いた椅子、フワフワなテーブル、風船が店の飾りとして置いてあり、可愛くてメルヘンのような世界に来たようだ。
「僕と同い年でこんなお店のオーナーまでやってるなんて、ものっそい出世! 一緒に修業してた仲間として誇りに思うよ!」
「フッ」
急に来たにも関わらず大竹はワインとつまみにチーズを用意し、小松と一緒にテーブル席に座った。それでも小松は未だに店の内観に感動している。
「ハァ~……ホント立派だね~!」
「こまっちゃんだって、確かホテルグルメのシェフだろ? 立派じゃないか」
「うん。あっ、でも僕が経営してるわけじゃないし……」
「センチュリースープのニュース、見たぜ」
「ホント!?」
「何故特許申請しないんだ? ボロ儲けできるのに」
「い、いや~……僕はそういうことは別に……。それに特許を申請しないのは舞獣姫さんと話して決めたことで……」
「っ……舞獣姫」
「竹ちゃん?」
「いや、なんでもないよ」
大竹の雰囲気が一瞬変わってワインの飲む手を中断した気がするが、すぐに元に戻ったので小松は首を傾げた。
「舞獣姫様がこの島を見つけてくれて本当に助かりました。季節や流れ着いた猛獣に怯え暮らす毎日でしたが、あなた様の助力のおかげで今でも生きることができます。ありがたやありがたや」
「だからよしてください、私は人間であって神様でもなんでもありません。それにこの村の人たちは誰も生きることにあきらめていなかった……それが生きることで一番大事なことですよ」
「舞獣姫様は相変わらず謙虚ですね。あなた様に感謝する人々は大勢いるのに」
「……感謝されることもあれば、恨まれることだってあります」
私に食べ物をくれるのが当たり前になってしまい、それに甘えてしまった場所だってある。この島のように生きる術(スベ)の手助けをしても『舞獣姫が来るなら働いたかなくていい』なんて考えを持つ人や、中には『みんなに配ります』と表向きに言っておきながら裏では『独占』していた者もいた。
自分で蒔いた種でもあるから見捨てることはできなかったけど、なんとか説得したり、ときどき荒療治として無理矢理ハントや漁に連れて行ったこともあったなぁ。もちろん、私の守護結界を内緒で掛けて安全を約束していたけど。
それに――今でも目を閉じれば脳裏に思い浮かぶ。とある施設の卒園生を……。
☆☆☆☆☆
……小松はホテルグルメを出たあと、とあるレストランにやってきた。そこは外観がまるでメルヘンの世界に出てくるような城をモチーフにした――『七ツ星レストラン・オトギの城』である。
「やっぱり! 大竹って竹ちゃんのことだったんだね!」
「突然誰かと思えば、こまっちゃんかぁ! 久しぶりじゃないか!」
「ごめんね、忙しいところ……」
「いや、今店を閉めたところだ。来いよ」
彼は小松の修業時代の仲間であり、オトギの城のオーナーであり、今回世界料理人ランキング99位を取った料理人――大竹だ。
今は出入り口近くの会計にいるので、大竹は小松を奥へと案内する。見た目と同じく中も白のようなつくりだ。
「でも竹ちゃん、料理人ランキング99位だなんてスゴいよね!」
「フッ、なんてことはないよ。俺にとってはただの通過点さ」
「うわ~! ステキなお店だね!」
お客様たちが集まる店内に着くと、そこには動物のような耳が付いた椅子、フワフワなテーブル、風船が店の飾りとして置いてあり、可愛くてメルヘンのような世界に来たようだ。
「僕と同い年でこんなお店のオーナーまでやってるなんて、ものっそい出世! 一緒に修業してた仲間として誇りに思うよ!」
「フッ」
急に来たにも関わらず大竹はワインとつまみにチーズを用意し、小松と一緒にテーブル席に座った。それでも小松は未だに店の内観に感動している。
「ハァ~……ホント立派だね~!」
「こまっちゃんだって、確かホテルグルメのシェフだろ? 立派じゃないか」
「うん。あっ、でも僕が経営してるわけじゃないし……」
「センチュリースープのニュース、見たぜ」
「ホント!?」
「何故特許申請しないんだ? ボロ儲けできるのに」
「い、いや~……僕はそういうことは別に……。それに特許を申請しないのは舞獣姫さんと話して決めたことで……」
「っ……舞獣姫」
「竹ちゃん?」
「いや、なんでもないよ」
大竹の雰囲気が一瞬変わってワインの飲む手を中断した気がするが、すぐに元に戻ったので小松は首を傾げた。