秋山に集合! テリー・ユン・フィル・キッス・クイン!
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「フィル!? 道はそっちじゃないよ!?」
〈…………〉
何故かフィルはマトンボタンを追い掛けて真っ直ぐ――じゃなくて別方向に向かって走っている。どうしてこの子がそんな行動するかわからないでいると、トリコを乗せたテリーが私たちも最初に通った道に物凄いスピードでマトンボタンを追いかけていた。
フィルだって間違いなく山を目指している。けど、まるで回り道を通っているような……。
「もしかして、ただ追いかけていたらダメってこと?」
〈クウッ! クウッ!〉
私が尋ねるとフィルは頷くように鳴いた。以前も私が真っ直ぐな答えしか出せないでいると、フィルは回り道でも最小限の支障で確実にゴールすることを教えてくれた。それに森はフィルの得意分野でもある……信じよう、私の仲間を!
「お願い、フィル!」
〈クウゥゥゥウウッ!!〉
私がしっかりしがみついたことを確認したら、フィルはスピードアップを始めた。山道を崖から崖へと飛び乗り、その規則はバラバラだけど頂上へと目指している。
ヒュウ~……。
「風……――そうか! フィルはこのために回り道を選んだんだね!」
山の頂上から来る風を感じて私はフィルの狙いがわかった。
☆☆☆☆☆
……トリコがテリーに乗って追いかけるが、メスのマトンボタンが作り出した砂煙によって見失ってしまった。
「どこにいったんだ?」
「――トリコ! どうした、何かあったのか!?」
「小松がマトンボタンにさらわれた!」
「――何っ!?」
「瑞貴もフィルとどっか行っちまって姿が見えねぇ!」
〈ワウッ!〉
騒ぎを聞きつけたのかココ&キッスチーム、サニー&クインチームも合流してきた。するとテリーが雲を突き抜けるほどの山の頂上に向かって吠える。
「あそこにいるってのか!?」
「しかし、秋の季節風で物凄い強風が吹き付けるって言うし……頂上行くの、さすがにヤバくね?」
〈ワウッ!〉
するとテリーが一旦うしろに下がって思いきり助走をつけ、そのまま一気に崖を登り始めた。しかしサニーの言うように上から来る季節風に襲われて落ちてしまう。
〈ア゙ア゙ー!〉
「頼むよトリコ、テリー!」
落ちる途中でキッスに拾われたのでテリーはもう一度飛び、その間に続いて胴体を伸ばしたクインが来てくれた。
「800メートル! ここが限界だぜ!」
「ありがとよ!」
クインの顔を足場にしてさらに跳飛力をつけ、ついに雲の中へ突入するマトンボタンを見つけて自分たちも雲の中へ入ると――。
〈クウウッ!〉
ドォンッ!
「なっ!?」
〈ワウッ!?〉
……なんと別方向から現れたフィルが、オスのマトンボタンに突進をしたのだ。テリーは驚いたもののちゃんと地面に着地する。
「ナイス、フィル!」
〈クウッ!〉
「フィルに瑞貴!? なんでお前たちが先にいるんだ!?」
「フィルがマトンボタンの行く先が頂上とわかって季節風の弱い所を狙って登って来たの。そっちも同時に着くと思わなかったけど……さて」
私とトリコは倒れるオスのマトンボタンに顔を戻すと、あとからメスのマトンボタンがかばうように間に来た。
〈ブオオッ!〉
「もう逃げられないよ!」
「さあ、小松を返してもらうぜ!」
「――ま、待ってください!」
「「えっ?」」
〈〈〈プオッ! プオッ!〉〉〉
オスのマトンボタンの毛から現れた小松さんが、何故か私たちを止めた。すると三頭の小さなマトンボタンが現れて、オスのマトンボタンを心配して声をかけている。
「って、おいおい!」
「何がどうなってるの?」
〈ア゙ァ゙ー〉
「マトンボタンの家族らしいね」
〈シュルル〉
あとからココさんとキッス、サニーとクインも到着してくれた。それにさっきまでヒドい目に遭ったはずの小松さんがこちらに来ながらマトンボタンの心配をしている。
「毛で覆われているからわからなかったんですけど、ガリガリに痩せているんです……」
「確かに……電磁波も弱い。飢えてるようだ。今年はこの山によく食物が育っているのに」
「なるほど。それで猛獣の発育がよくなって、レベル高い奴ばっかだったのか」
「じゃあ、他の猛獣と奪い合いになって子供に与える充分な食料を確保できなかったのか」
「だから小松さんの持っている栗むすびを狙ったのね……」
「でも、これだけじゃ……」
メチャクチャ速いスピードも体が軽いおかげで、トリコや私の攻撃を貫通したのも、単に毛皮に隠された本体が痩せていて当たっていなかったのか。
それに栗むすび二つじゃ家族分に対してあまりにも少な過ぎる。
〈…………〉
何故かフィルはマトンボタンを追い掛けて真っ直ぐ――じゃなくて別方向に向かって走っている。どうしてこの子がそんな行動するかわからないでいると、トリコを乗せたテリーが私たちも最初に通った道に物凄いスピードでマトンボタンを追いかけていた。
フィルだって間違いなく山を目指している。けど、まるで回り道を通っているような……。
「もしかして、ただ追いかけていたらダメってこと?」
〈クウッ! クウッ!〉
私が尋ねるとフィルは頷くように鳴いた。以前も私が真っ直ぐな答えしか出せないでいると、フィルは回り道でも最小限の支障で確実にゴールすることを教えてくれた。それに森はフィルの得意分野でもある……信じよう、私の仲間を!
「お願い、フィル!」
〈クウゥゥゥウウッ!!〉
私がしっかりしがみついたことを確認したら、フィルはスピードアップを始めた。山道を崖から崖へと飛び乗り、その規則はバラバラだけど頂上へと目指している。
ヒュウ~……。
「風……――そうか! フィルはこのために回り道を選んだんだね!」
山の頂上から来る風を感じて私はフィルの狙いがわかった。
☆☆☆☆☆
……トリコがテリーに乗って追いかけるが、メスのマトンボタンが作り出した砂煙によって見失ってしまった。
「どこにいったんだ?」
「――トリコ! どうした、何かあったのか!?」
「小松がマトンボタンにさらわれた!」
「――何っ!?」
「瑞貴もフィルとどっか行っちまって姿が見えねぇ!」
〈ワウッ!〉
騒ぎを聞きつけたのかココ&キッスチーム、サニー&クインチームも合流してきた。するとテリーが雲を突き抜けるほどの山の頂上に向かって吠える。
「あそこにいるってのか!?」
「しかし、秋の季節風で物凄い強風が吹き付けるって言うし……頂上行くの、さすがにヤバくね?」
〈ワウッ!〉
するとテリーが一旦うしろに下がって思いきり助走をつけ、そのまま一気に崖を登り始めた。しかしサニーの言うように上から来る季節風に襲われて落ちてしまう。
〈ア゙ア゙ー!〉
「頼むよトリコ、テリー!」
落ちる途中でキッスに拾われたのでテリーはもう一度飛び、その間に続いて胴体を伸ばしたクインが来てくれた。
「800メートル! ここが限界だぜ!」
「ありがとよ!」
クインの顔を足場にしてさらに跳飛力をつけ、ついに雲の中へ突入するマトンボタンを見つけて自分たちも雲の中へ入ると――。
〈クウウッ!〉
ドォンッ!
「なっ!?」
〈ワウッ!?〉
……なんと別方向から現れたフィルが、オスのマトンボタンに突進をしたのだ。テリーは驚いたもののちゃんと地面に着地する。
「ナイス、フィル!」
〈クウッ!〉
「フィルに瑞貴!? なんでお前たちが先にいるんだ!?」
「フィルがマトンボタンの行く先が頂上とわかって季節風の弱い所を狙って登って来たの。そっちも同時に着くと思わなかったけど……さて」
私とトリコは倒れるオスのマトンボタンに顔を戻すと、あとからメスのマトンボタンがかばうように間に来た。
〈ブオオッ!〉
「もう逃げられないよ!」
「さあ、小松を返してもらうぜ!」
「――ま、待ってください!」
「「えっ?」」
〈〈〈プオッ! プオッ!〉〉〉
オスのマトンボタンの毛から現れた小松さんが、何故か私たちを止めた。すると三頭の小さなマトンボタンが現れて、オスのマトンボタンを心配して声をかけている。
「って、おいおい!」
「何がどうなってるの?」
〈ア゙ァ゙ー〉
「マトンボタンの家族らしいね」
〈シュルル〉
あとからココさんとキッス、サニーとクインも到着してくれた。それにさっきまでヒドい目に遭ったはずの小松さんがこちらに来ながらマトンボタンの心配をしている。
「毛で覆われているからわからなかったんですけど、ガリガリに痩せているんです……」
「確かに……電磁波も弱い。飢えてるようだ。今年はこの山によく食物が育っているのに」
「なるほど。それで猛獣の発育がよくなって、レベル高い奴ばっかだったのか」
「じゃあ、他の猛獣と奪い合いになって子供に与える充分な食料を確保できなかったのか」
「だから小松さんの持っている栗むすびを狙ったのね……」
「でも、これだけじゃ……」
メチャクチャ速いスピードも体が軽いおかげで、トリコや私の攻撃を貫通したのも、単に毛皮に隠された本体が痩せていて当たっていなかったのか。
それに栗むすび二つじゃ家族分に対してあまりにも少な過ぎる。