秋山に集合! テリー・ユン・フィル・キッス・クイン!
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「伝説の梨・スプナッシュ! ありそうですね、トリコさん、瑞貴さん」
「『桃栗三年、柿八年、スプナッシュ三十八年』と言われるくらい、実るのに時間がかかる梨。瑞々しい果汁はひと噛みすると何重メートルもSplash――弾け飛ぶと言う! 食ってみて~!」
「その前にヨダレを仕舞え、ヨダレを」
相変わらず話が出るだけでこんな状態なんて、相当食い意地が張っていること。
「でもあの大きな山で探すのは大変そうですね……」
「まあな。もともとはグルメ界に成ってたって噂がある梨だし、普通ならひと苦労って所だが」
「強力な助っ人がいるから大丈夫!」
ザッ――!
「うわああっ! ――って、テリーにフィル!?」
〈ガウッ!〉
〈クウッ!〉
森の中から私たちの前に現れたのは、私たちとは別の道からオータムマウンテンに入ったテリーとフィル。ちなみにテリーの頭の上にはユンちゃんが乗っていた。
「ちょっと驚かさないでよ~」
〈ユンユン!〉
「おっと」
駆け寄ってきた小松さんの腕の中に向かってユンちゃんが飛び降りてきた。いいな、小松さん。私もユンちゃんに抱きつかれたい。
「並外れた嗅覚――何より、グルメ界の食い物が好物のバトルウルフのテリーだ。スプナッシュの匂いを感じ取るに違いない」
「同じくグルメ界の食材が好物のスカイディア・フィル。この子も嗅覚が普通の鹿よりも敏感だからね」
「それにしてもテリーもフィルも、会う度に大きくなるなぁ」
〈ウォン!〉
〈クウッ!〉
「これでもまだまだだよ。グルメ界にいる彼らの仲間はもっと大きいからね」
「これ以上大きくなるんですかー!?」
グルメ界にいたとき実物を四神越しで見たときは驚いたな……そういえば一頭で人が何十人くらい乗れるのか考えたこともあったけ。
本当はサンとウォーも連れて来たかったんだけど、最近の寄付活動で特に活躍してくれたから疲れを癒しに二人共ヒールフォレストでのんびりしている。だからスプナッシュをお土産に持って帰ろうって、フィルと決めたんだよね。
――それからユンちゃんは小松さんのリュックに入り、私たちは徒歩でついにオータムマウンテンの中に入った。
「オータムマウンテンに到着!」
〈ユユユユ~ン!〉
「ずいぶん張り切ってんな。さっきまで『歩けない~』とか言ってたくせに」
「そりゃあこの紅葉(コウヨウ)を見たら気分が高揚しますよ~」
「小松さん、それってダジャレ?」
「違います! 無意識です! スプナッシュ捕獲はもちろん、松茸狩りにブドウ狩りにモミジ狩り! 今日は秋を満喫しまくるぞ~!」
〈ユユユン!〉
「モミジ狩りはモミジを見物するって意味だけどね」
「さっきから揚げ足取らないでくださいよー!」
「ごめんごめん」
いちいち小松さんがツッコミ返してくれるから面白いんだよね。
「あっ! さっそくブドウの木! いっぱい成ってますよ、トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん!」
「おい、ちょっと待て!」
「小松さん、危ないって!」
「えっ? どうしたんですか?」
前方の道のど真ん中に何故かある木々に実るブドウを見て、小松さんが嬉しそうに走り出した。だけど私たちが止めると、こっちを見ながらブドウに手を伸ばす小松さんに目を開いた木が凝視した。
〈ギュルルル……〉
「えっ?」
〈ユン?〉
〈ギュルアァァアアア!!〉
「〈ぎゃあぁぁあああ/ユユユユン!〉」
ブドウの木の正体は、捕獲レベル30の植物獣類・舞踏ぶどうだ。他の木も全て目と口を開いているから、完全にオバケの木になっている。
「なななな、何これー!?」
〈ユユユユン!?〉
〈グルルル……!〉
すっかり腰が抜けてあとずさりする小松さん。だけどテリーが威嚇してくれたおかげで、舞踏ぶどうが逆にビビって逃げて行った。
「舞うように動いて獲物を捕らえる食獣植物・舞踏ぶどうだ」
「えー!? 植物が動くってー!?」
「不思議はねぇさ。BBコーンが実るウージャングルにもいたしな」
「あとスカイプラントにもね。こういう山や森には猛獣の他に植物も危険だって覚えたほうがいいよ」
「そんな~……」
「ん? 『舞うように動いて獲物を捕らえる』……なんだか瑞貴みてぇな植物だな!」
ガンッ!
「イッテェ~……!」
「失敬な! 私をオバケ植物と一緒にしないでよ!」
失礼なことを言うので私はブレスレットを薙刀に変形して柄で殴り、トリコは頭を押さえてしゃがんだ。確かに私のアダ名・舞獣姫は『獣のように舞って戦う』が由来だけど、植物獣類と一緒にされたくない!
それから私が薙刀をブレスレットに戻したら、トリコも痛みが少し引いたのか涙目になりつつも顔を上げた。
「『桃栗三年、柿八年、スプナッシュ三十八年』と言われるくらい、実るのに時間がかかる梨。瑞々しい果汁はひと噛みすると何重メートルもSplash――弾け飛ぶと言う! 食ってみて~!」
「その前にヨダレを仕舞え、ヨダレを」
相変わらず話が出るだけでこんな状態なんて、相当食い意地が張っていること。
「でもあの大きな山で探すのは大変そうですね……」
「まあな。もともとはグルメ界に成ってたって噂がある梨だし、普通ならひと苦労って所だが」
「強力な助っ人がいるから大丈夫!」
ザッ――!
「うわああっ! ――って、テリーにフィル!?」
〈ガウッ!〉
〈クウッ!〉
森の中から私たちの前に現れたのは、私たちとは別の道からオータムマウンテンに入ったテリーとフィル。ちなみにテリーの頭の上にはユンちゃんが乗っていた。
「ちょっと驚かさないでよ~」
〈ユンユン!〉
「おっと」
駆け寄ってきた小松さんの腕の中に向かってユンちゃんが飛び降りてきた。いいな、小松さん。私もユンちゃんに抱きつかれたい。
「並外れた嗅覚――何より、グルメ界の食い物が好物のバトルウルフのテリーだ。スプナッシュの匂いを感じ取るに違いない」
「同じくグルメ界の食材が好物のスカイディア・フィル。この子も嗅覚が普通の鹿よりも敏感だからね」
「それにしてもテリーもフィルも、会う度に大きくなるなぁ」
〈ウォン!〉
〈クウッ!〉
「これでもまだまだだよ。グルメ界にいる彼らの仲間はもっと大きいからね」
「これ以上大きくなるんですかー!?」
グルメ界にいたとき実物を四神越しで見たときは驚いたな……そういえば一頭で人が何十人くらい乗れるのか考えたこともあったけ。
本当はサンとウォーも連れて来たかったんだけど、最近の寄付活動で特に活躍してくれたから疲れを癒しに二人共ヒールフォレストでのんびりしている。だからスプナッシュをお土産に持って帰ろうって、フィルと決めたんだよね。
――それからユンちゃんは小松さんのリュックに入り、私たちは徒歩でついにオータムマウンテンの中に入った。
「オータムマウンテンに到着!」
〈ユユユユ~ン!〉
「ずいぶん張り切ってんな。さっきまで『歩けない~』とか言ってたくせに」
「そりゃあこの紅葉(コウヨウ)を見たら気分が高揚しますよ~」
「小松さん、それってダジャレ?」
「違います! 無意識です! スプナッシュ捕獲はもちろん、松茸狩りにブドウ狩りにモミジ狩り! 今日は秋を満喫しまくるぞ~!」
〈ユユユン!〉
「モミジ狩りはモミジを見物するって意味だけどね」
「さっきから揚げ足取らないでくださいよー!」
「ごめんごめん」
いちいち小松さんがツッコミ返してくれるから面白いんだよね。
「あっ! さっそくブドウの木! いっぱい成ってますよ、トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん!」
「おい、ちょっと待て!」
「小松さん、危ないって!」
「えっ? どうしたんですか?」
前方の道のど真ん中に何故かある木々に実るブドウを見て、小松さんが嬉しそうに走り出した。だけど私たちが止めると、こっちを見ながらブドウに手を伸ばす小松さんに目を開いた木が凝視した。
〈ギュルルル……〉
「えっ?」
〈ユン?〉
〈ギュルアァァアアア!!〉
「〈ぎゃあぁぁあああ/ユユユユン!〉」
ブドウの木の正体は、捕獲レベル30の植物獣類・舞踏ぶどうだ。他の木も全て目と口を開いているから、完全にオバケの木になっている。
「なななな、何これー!?」
〈ユユユユン!?〉
〈グルルル……!〉
すっかり腰が抜けてあとずさりする小松さん。だけどテリーが威嚇してくれたおかげで、舞踏ぶどうが逆にビビって逃げて行った。
「舞うように動いて獲物を捕らえる食獣植物・舞踏ぶどうだ」
「えー!? 植物が動くってー!?」
「不思議はねぇさ。BBコーンが実るウージャングルにもいたしな」
「あとスカイプラントにもね。こういう山や森には猛獣の他に植物も危険だって覚えたほうがいいよ」
「そんな~……」
「ん? 『舞うように動いて獲物を捕らえる』……なんだか瑞貴みてぇな植物だな!」
ガンッ!
「イッテェ~……!」
「失敬な! 私をオバケ植物と一緒にしないでよ!」
失礼なことを言うので私はブレスレットを薙刀に変形して柄で殴り、トリコは頭を押さえてしゃがんだ。確かに私のアダ名・舞獣姫は『獣のように舞って戦う』が由来だけど、植物獣類と一緒にされたくない!
それから私が薙刀をブレスレットに戻したら、トリコも痛みが少し引いたのか涙目になりつつも顔を上げた。