極上の千歳飴! 小松とユン物語
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「いったい、どこへ行ったんでしょう……?」
「まさか、あの森の中……?」
目の前にある森はウージャングルほどじゃないけど不気味な森に変わりない。ユンちゃんなら普段行かない場所だけど……。
「私は森の中を探してみるから、小松さんは外回りを見ててくれる?」
「いえ、僕も一緒に行きます! あの子をちゃんと見てなかったのは僕の責任でもありますし、瑞貴さんだけを危ない目に遭わせるわけにはいきません!」
ああいう森には危険な猛獣がいてもおかしくないけど、小松さんの瞳は全く臆していなかった。これまでの冒険でも小松さんは怯えることはあれど芯は全く揺るがない。そういう所も尊敬できる一つなんだよね。
「わかった。一緒に探そう」
「はい!」
そうして私と小松さんは森の中に入った。しかし日が差しにくいのか、奥に進むにつれて暗くなっていく。
「一人でどこ行っちゃったんでしょう……?」
「ユンちゃんは無邪気だけどかしこい子でもあるから、遊びに来たってわけでもなさそうだし……」
「おーい!」
「ユンちゃーん!」
バッ!
「「!」」
木から木へと何かが飛び移った影が見えたと思ったら、今度は茂みの中からギランッと光る鋭い瞳が見えて……。
ガサッ!
「うわあぁぁあああ! うわあっ!」
「…………」
飛び出して来たのは普通の猿だったんだけど、小松さんは両腕で顔を覆うと倒れてしまった。あの、猿はなんにも攻撃しないでどっか行っちゃったんだけど……。
「小松さん、小松さん、もう猿はいないよ」
「へっ? 猿?」
我に返った小松さんは何もされていないとわかると、上半身を起こしてホッとする。
「あ~びっくりした……」
「森が深くなるにつれて暗くなってきたね。早く見つけてあげよう」
☆☆☆☆☆
……瑞貴と小松が散策する一方、ユンもまた森を彷徨っていた。かなり奥まで来たため、もう帰り路すら分からない状況である。
〈ユ、ユ、ユ~ン……ユンユン〉
ガサガサッ!」
〈ユ! ユユユン!〉
近くの茂みが動き出したのでユンは慌ててその場から逃げる。ちなみに出て来たのはユンより少し小さめのウサギだった。
心細く不安になって来た今のユンにとって、少しの風も木々の音も恐怖の対象でしかない。足を止めてうしろを振り返ると、何も追って来ないことにホッとするが……。
サアアァァ――……。
〈ユユユ!? ユン! ユユユン! ――ユッ!?〉
風で揺れた葉に驚き慌てて走り出すも、躓いてしまって坂に転がるように落ちていった。幸いそこまで急じゃなかったのですぐに止まったが、体のあちこちが汚れてしまう。
〈ユユ~……〉
サ~~――……。
〈ユッ!? ユ、ユ、ユユン!〉
水の流れる音に反応したユンは、音を頼りに川に辿り着いた。底まで見えるほどの綺麗な水なのでユンは顔を下げてクチバシで器用に水を飲む。喉が潤って来たので幾分か回復した。
〈ユユーン! ユーン! ――ユ?〉
ふと見ればさっきまで暗かった森なのに一段と日が差している箇所があった。ユンの身長で目の前の大樹の根が邪魔してその先がよく見えないが、何かあると直観したユンは導かれるように向かう。
大樹の根をがんばって乗り越えてその先にあるのは――ただ一ヶ所、日の光でキラキラと輝く一本のサトウキビがあった。
〈ユン……?〉
そのサトウキビは普通のと違って所々が赤紫だが、その美しさにユンは惹かれるように近づいた。近くで見れば見るほど綺麗と思えてしまうくらいで、ふと神社でのことを思い出す。
「まさか、あの森の中……?」
目の前にある森はウージャングルほどじゃないけど不気味な森に変わりない。ユンちゃんなら普段行かない場所だけど……。
「私は森の中を探してみるから、小松さんは外回りを見ててくれる?」
「いえ、僕も一緒に行きます! あの子をちゃんと見てなかったのは僕の責任でもありますし、瑞貴さんだけを危ない目に遭わせるわけにはいきません!」
ああいう森には危険な猛獣がいてもおかしくないけど、小松さんの瞳は全く臆していなかった。これまでの冒険でも小松さんは怯えることはあれど芯は全く揺るがない。そういう所も尊敬できる一つなんだよね。
「わかった。一緒に探そう」
「はい!」
そうして私と小松さんは森の中に入った。しかし日が差しにくいのか、奥に進むにつれて暗くなっていく。
「一人でどこ行っちゃったんでしょう……?」
「ユンちゃんは無邪気だけどかしこい子でもあるから、遊びに来たってわけでもなさそうだし……」
「おーい!」
「ユンちゃーん!」
バッ!
「「!」」
木から木へと何かが飛び移った影が見えたと思ったら、今度は茂みの中からギランッと光る鋭い瞳が見えて……。
ガサッ!
「うわあぁぁあああ! うわあっ!」
「…………」
飛び出して来たのは普通の猿だったんだけど、小松さんは両腕で顔を覆うと倒れてしまった。あの、猿はなんにも攻撃しないでどっか行っちゃったんだけど……。
「小松さん、小松さん、もう猿はいないよ」
「へっ? 猿?」
我に返った小松さんは何もされていないとわかると、上半身を起こしてホッとする。
「あ~びっくりした……」
「森が深くなるにつれて暗くなってきたね。早く見つけてあげよう」
☆☆☆☆☆
……瑞貴と小松が散策する一方、ユンもまた森を彷徨っていた。かなり奥まで来たため、もう帰り路すら分からない状況である。
〈ユ、ユ、ユ~ン……ユンユン〉
ガサガサッ!」
〈ユ! ユユユン!〉
近くの茂みが動き出したのでユンは慌ててその場から逃げる。ちなみに出て来たのはユンより少し小さめのウサギだった。
心細く不安になって来た今のユンにとって、少しの風も木々の音も恐怖の対象でしかない。足を止めてうしろを振り返ると、何も追って来ないことにホッとするが……。
サアアァァ――……。
〈ユユユ!? ユン! ユユユン! ――ユッ!?〉
風で揺れた葉に驚き慌てて走り出すも、躓いてしまって坂に転がるように落ちていった。幸いそこまで急じゃなかったのですぐに止まったが、体のあちこちが汚れてしまう。
〈ユユ~……〉
サ~~――……。
〈ユッ!? ユ、ユ、ユユン!〉
水の流れる音に反応したユンは、音を頼りに川に辿り着いた。底まで見えるほどの綺麗な水なのでユンは顔を下げてクチバシで器用に水を飲む。喉が潤って来たので幾分か回復した。
〈ユユーン! ユーン! ――ユ?〉
ふと見ればさっきまで暗かった森なのに一段と日が差している箇所があった。ユンの身長で目の前の大樹の根が邪魔してその先がよく見えないが、何かあると直観したユンは導かれるように向かう。
大樹の根をがんばって乗り越えてその先にあるのは――ただ一ヶ所、日の光でキラキラと輝く一本のサトウキビがあった。
〈ユン……?〉
そのサトウキビは普通のと違って所々が赤紫だが、その美しさにユンは惹かれるように近づいた。近くで見れば見るほど綺麗と思えてしまうくらいで、ふと神社でのことを思い出す。