合体30倍! 36連ツイン釘パンチ!
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ポチャン……。
水滴が落ちる音が聞こえたときには、私たちはこの光の正体がわかった。この洞窟内を輝かせる黄金色に輝く池――そしてその中を優雅に泳ぐ魚がいた。
もしかしてと思ったときその魚が水面から跳ねると、また魚も光輝いていた。そのおかげで予想が確信に変わる。
「なんて光……!」
「間違いありません……あれが……!」
「「サンサングラミー!」」
とうとう私たちは今回の目的の食材・サンサングラミーと出会ったのだ。
☆☆☆☆☆
……瑞貴と小松がまだ帰って来る気配がないのを確認すると、サニーはトリコにあることを問いかける。
「そういやさ、トリコ。二つばかし聞きてーことあるんだが」
「ん?」
「デスフォールの滝で瑞貴が『神獣になる』と言ってたが、ありゃどういう意味だ?」
「そうか、お前はまだ知らねぇんだな」
瑞貴が神獣のことを話したのはセンチュリースープの実食会のときだけだ。あとは状況からしてノッキングマスター・次郎にも話してあるだろう。
「けど、それは俺の口からは言えねぇよ。瑞貴本人に訊いてくれ。ただ――その件に関しては生半可な気持ちで訊くな、全部ひっくるめてあいつを受け入れる覚悟を持て」
「…………」
サニーはトリコの強い意志を宿した瞳から、神獣ということが瑞貴にとって重要なことだと気づいた。恐らく異世界から来たのと同等――もしくはそれ以上のことだと。
「わかったよ。確かに、コソコソ訊くのは美(ツク)しくねーからな。どんなことでも俺(レ)は受け入れよう……好きな女のことなら尚更な」
「で、もう一つはなんだ?」
「それも瑞貴に関してだが……――お前は、あいつに告らねーのか?」
「ブホッ!」
思わぬことを聞かれてトリコは吹き出してしまった。そのときサニーに「汚ねっ!」と叫ばれたが、原因はお前である。
「仕方ねぇだろ。ライバルが増える一方なんだよ」
「ハッ? 俺の知らない奴でも増えたのか?」
「……ゼブラとか、美食會のスタージュンとかな」
「ハアッ!? ゼブラもかよ! てか、美食會って……敵にも好かれるとかあいつどんだけだ!?」
自分と小松と同じ反応をしてくれたサニーを見て、まさにその通りだとトリコは深く頷いた。
「瑞貴も恋愛に興味がないというわけじゃない。だが、好意を向けてくれる相手が身近にいるって知ったら、気づかないことに葛藤しちまうだろう。あいつは考え過ぎな面があるし変に気を遣われる」
しかしトリコは瞳を伏せて、自嘲気味に弱々しく笑う。
「……って言っても言い訳に過ぎねぇけどな。一歩でも踏み出したら、あいつは嫌でも意識しちまうだろ? 『自分のことを考えてくれる』と言や聞こえはいいが、もう今のような時間が二度と戻って来ない可能性があるんだ……」
「確かに、瑞貴にとって今の時間が心地いいんだろうな……」
トリコと合流する前――サニーはレストランで瑞貴がトリコに出会ったことに感謝している姿を見れば、自分だけでなくトリコと小松の気持ちにも気づいていないだろう。
気持ちを伝えて瑞貴がまたあの笑顔を自分に向けてくれるかと訊かれたら、YESと言いにくい。だからサニーもクインの上で言った告白紛いなことも誤魔化したのだ。