合体30倍! 36連ツイン釘パンチ!
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トリコとサニーを残し、私たちは洞窟の中を進んでいく。さっき走ったからまた体力が減ったので私は薙刀を杖代わりにすると、小松さんは護身用にメルク包丁を出した。
「瑞貴さん、やっぱり戻って休んだほうがいいのでは……?」
「平気平気。さすがに倒れるほどじゃないし。小松さんこそ一人で行こうとして大丈夫だったの?」
「ぼ、僕だってトリコさんのコンビとして、瑞貴さんの仲間として、みなさんの役に立たなきゃって思ったんです。今までずっとトリコさんと瑞貴さんと一緒に旅をしてきました。多少の危険ぐらい覚悟してます――」
ヒュウ~……。
「ウッ!」
あの……ただの風でビクビクしていると、危険な目に遭ったときがメチャクチャ心配なんだけど。やっぱりついて行ってよかったのかも。
「なんか冷たい風が……」
「洞窟の奥のほうが気温が低くなっているんだよ」
「な、なるほど。って、こんなことぐらいで立ち止まってる場合じゃない!」
それから小松さんはやる気に満ちているものの、石に躓きかけたり、天井から滴る水滴が頬に当っただけでもびっくりしていた。
「えっ? あっ? ほっ?」
「小松さん……」
「面目ありません……」
奥に進むにつれて外の光が届かないので、だんだんと暗くなってきた。こういう場所は当然灯りの一つもないし、環境適応能力で目が利く私と違って小松さんには辛い。
「暗い……このまま行くと迷子になるかもしれません……」
「灯りは私の灯火(トウカ)でもなんとかなるけど、迷うことだけは避けなきゃね」
「あっ、目印ならいいモノがあります」
小松さんはリュックの中から小瓶を取り出した。その中には金色に輝く粉が――!
「それって……!」
「トリコさんとコンビを組んで、初めての旅で捕獲したメルクの星屑です。大切な調味料だけど……僕らの道しるべになってくれます。当然、勿体ないから帰りに回収します」
少しずつ皿に移し、そしてまた少しずつ距離を取って皿を置いていく小松さん。これなら確かに帰りに迷う心配はない。
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「ふっ!」
……サニーは休んだことで少しだけ回復したのか、触覚を使い滝の中からイモウナギを捕った。
「おっ、イモウナギだ。小さくて不細工だが、食えば少しは体力回復すんだろ。ひと口どうだ、トリコ?」
「いや、俺は遠慮しとく」
「ん?」
「小松は言ったんだ……『待っててください』って。俺は小松と瑞貴が持って来るサンサングラミーをジッと待つことにするぜ」
「ハッ! 大した信頼だな。その美(ツク)しい信頼の根拠はあんのか?」
「小松と瑞貴は……類稀なる食運の持ち主だ。食材に好かれ、導かれる天才……」
「食運か……」
センチュリースープを完成させ、美食王決定戦でも、瑞貴と小松はトリコとココとサニーが捕獲した食材を使ってパフェを完成させるという誰も思いつかない発想を持った。それは食材の声を聞くだけでも足りない。