秘境の巨獣! トリコ、ガララワニを捕獲せよ!
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……誰かが言った――全身の肉が舌の上でとろける霜降り状態の獣がいると。濃厚で芳醇(ホウジュン)なマスクメロンや完熟マンゴーの高級果物ジュースや甘みのある泡がとめどなく踊る爽快な喉越しの飲み物が湧き出る泉があると。
世はグルメ時代――未知なる味を求めて探求する時代。
☆☆☆☆☆
私がトリップしてから七年の月日が流れた。当初は十三歳の私も二十歳になり、薙刀はすっかり包丁と共に相棒になっている。
数年後グルメ界にいる間ポケットに何故か手紙があって、書かれていたのは人間界に行く方法と家の場所の地図があった。これはトリップ特典ということかな? むしろトリップした場所が人間界だったら……。まあ、環境適応能力と四神のおかげで修業できたけどね。
それから私は美食屋になった。たまに料理を振る舞ったりしてるけど。
「よぉ、瑞貴ちゃん」
「こんにちはトムさん。船を予約しておいて、お待たせしてごめんなさい」
卸売り商を営んでるトムさんは私がお世話になっている内の一人。私がハントした食材を引き取ってくれて仲良くなった。
今回の目的はガララワニ。一切れ10万円もする最高級食材だ。トムさんにバロン諸島へ連れてってほしいとお願いしたら快く了承してくれた。
「瑞貴ちゃんは予約してたから大丈夫さ。昨日急に連れてけって言った奴に比べたらな」
「昨日って……他にも誰かが乗るんですか?」
「ああ。目的地も同じバロン諸島だ。構わないか?」
「全然大丈夫ですよ。ただ、昨日旅から帰って来たばかりだから寝不足で……。船で少し寝てもいいですか?」
「いいぜ。寝過ぎても島が見えたら起こしてやるから」
「ありがとうございます」
……船に乗った早々、壁に背を預けた瑞貴は目を閉じて眠りに入った。――物語が始まっていたなど気づかずに。
☆☆☆☆☆
「――で、トム。こいつ誰だ?」
「俺んとこのお得意さん。起こすなよ」
「なんか頬がプリンみてぇだな」
「つっついちゃダメですよ」
……瑞貴を見る青い髪の男がそう言うと、トムと童顔な男が止めた。同時によく眠れたのか、瑞貴の目が開く。
「ふわぁ~……よく寝た……。ん?」
目が覚めると島は見えないし、まだまだみたい。反対側を向くと……。
「起きたか?」
「わみゃー!」
間近にあったから私は驚いて飛び退くと、相手は面白そうにニカッと笑う。
「やーっと起きたか。これから危険地帯へ行くってのに余裕だな、お前」
「えっ? えっ?」
私の頭は混乱していた。だって主人公で美食屋四天王のトリコだよ!? 憧れの相手を前にして落ち着けって言うほうがムリな話だって! しかも小松さんまでいるし!
「瑞貴ちゃん、起こしちまったか?」
「あっ、いえ、大丈夫です。って、トムさん! この方たちって……」
「ああ。さっきも言った同じ目的地の同行者さ」
まさか今日が原作の始まりだなんて……しくじった!
「で、お前は誰だ?」
「あ、あの、私は瑞貴といいます。一応美食屋です」
「瑞貴か。俺はトリコだ。美食屋をやってる」
「僕は小松っていいます!」
「よろしくお願いします。トリコさん、小松さん」
お互い挨拶したあと、トリコは荷物からストライプサーモンを取り出して思いっきりガッツくように食べる。スゴい食べっぷり!
「つーかよ、なんでお前まで来るんだ?」
「上司が、ガララワニの生態を調査して来いと……」
「料理人のお前が?」
「えっ、なんで料理人だってわかったんですか!? 確かにホテルグルメでコック長をさせてもらってますけど……」
「五ツ星ホテル!? どうりでお前の手から高級食材の香りがすると思ったぜ」
「ええっ!?」
「毎日食材を触ってるから染み付いてんだよ」
「ハッハッハッ! トリコの嗅覚は警察犬を凌ぐからな!」
「今度、フルコース奢れよ!」
世はグルメ時代――未知なる味を求めて探求する時代。
☆☆☆☆☆
私がトリップしてから七年の月日が流れた。当初は十三歳の私も二十歳になり、薙刀はすっかり包丁と共に相棒になっている。
数年後グルメ界にいる間ポケットに何故か手紙があって、書かれていたのは人間界に行く方法と家の場所の地図があった。これはトリップ特典ということかな? むしろトリップした場所が人間界だったら……。まあ、環境適応能力と四神のおかげで修業できたけどね。
それから私は美食屋になった。たまに料理を振る舞ったりしてるけど。
「よぉ、瑞貴ちゃん」
「こんにちはトムさん。船を予約しておいて、お待たせしてごめんなさい」
卸売り商を営んでるトムさんは私がお世話になっている内の一人。私がハントした食材を引き取ってくれて仲良くなった。
今回の目的はガララワニ。一切れ10万円もする最高級食材だ。トムさんにバロン諸島へ連れてってほしいとお願いしたら快く了承してくれた。
「瑞貴ちゃんは予約してたから大丈夫さ。昨日急に連れてけって言った奴に比べたらな」
「昨日って……他にも誰かが乗るんですか?」
「ああ。目的地も同じバロン諸島だ。構わないか?」
「全然大丈夫ですよ。ただ、昨日旅から帰って来たばかりだから寝不足で……。船で少し寝てもいいですか?」
「いいぜ。寝過ぎても島が見えたら起こしてやるから」
「ありがとうございます」
……船に乗った早々、壁に背を預けた瑞貴は目を閉じて眠りに入った。――物語が始まっていたなど気づかずに。
☆☆☆☆☆
「――で、トム。こいつ誰だ?」
「俺んとこのお得意さん。起こすなよ」
「なんか頬がプリンみてぇだな」
「つっついちゃダメですよ」
……瑞貴を見る青い髪の男がそう言うと、トムと童顔な男が止めた。同時によく眠れたのか、瑞貴の目が開く。
「ふわぁ~……よく寝た……。ん?」
目が覚めると島は見えないし、まだまだみたい。反対側を向くと……。
「起きたか?」
「わみゃー!」
間近にあったから私は驚いて飛び退くと、相手は面白そうにニカッと笑う。
「やーっと起きたか。これから危険地帯へ行くってのに余裕だな、お前」
「えっ? えっ?」
私の頭は混乱していた。だって主人公で美食屋四天王のトリコだよ!? 憧れの相手を前にして落ち着けって言うほうがムリな話だって! しかも小松さんまでいるし!
「瑞貴ちゃん、起こしちまったか?」
「あっ、いえ、大丈夫です。って、トムさん! この方たちって……」
「ああ。さっきも言った同じ目的地の同行者さ」
まさか今日が原作の始まりだなんて……しくじった!
「で、お前は誰だ?」
「あ、あの、私は瑞貴といいます。一応美食屋です」
「瑞貴か。俺はトリコだ。美食屋をやってる」
「僕は小松っていいます!」
「よろしくお願いします。トリコさん、小松さん」
お互い挨拶したあと、トリコは荷物からストライプサーモンを取り出して思いっきりガッツくように食べる。スゴい食べっぷり!
「つーかよ、なんでお前まで来るんだ?」
「上司が、ガララワニの生態を調査して来いと……」
「料理人のお前が?」
「えっ、なんで料理人だってわかったんですか!? 確かにホテルグルメでコック長をさせてもらってますけど……」
「五ツ星ホテル!? どうりでお前の手から高級食材の香りがすると思ったぜ」
「ええっ!?」
「毎日食材を触ってるから染み付いてんだよ」
「ハッハッハッ! トリコの嗅覚は警察犬を凌ぐからな!」
「今度、フルコース奢れよ!」