サニーの新技! 華麗なる修業の成果!
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……グルメ馬車を降りたあと、サニーは目的地である三途の道にやって来た。そしてそこでグルメ界から来る猛獣を守っている、グルメ番長・愚衛門に出会う。と言っても、相手は胡座をかいてサニーに背を向けているが。
『ここが三途の道か。グルメ界と人間界とを繋ぐ一本道……修業にはもってこいの場所のようだな。グルメ界から迷ってやって来る猛獣を、一人で食い止めている……。あんたがグルメ番長の愚衛門だな?』
『…………』
『俺の名はサニー。再生屋・与作から紹介を受けた』
『…………』
『あんたの力が見たい!』
『…………』
サニーの問いにずっと何も言わない愚衛門がやっと立ち上がった。しかし、その佇まいは背中からも伝わってくる。
(なんだ!? 全く意識を感じない……! まるで、俺に気づいていないかのような……クッ!)
『……ん?』
ついにこちらを見た愚衛門が、サニーを視界に入れた瞬間――。
『お――っ!! びっくりした! 誰だ、お前!? いつからそこに!?』
『へ~……ホントに気づいていなかったのかよ……!』
ビビッた自分がバカらしくなるくらいのリアクションに、サニーは思わず怒り出すのを耐えたのだった。
そしてサニーは再度自分が与作の紹介で来たことを話すと、また胡座をかいた愚衛門は高笑いをし始める。
『ギャッハッハッハッ! そーかそーか、あの与作がな! しっかし、ここに人間が来たのは何年ぶりだよ? おい、なあ! 何年ぶりだ!? おい! コラッ! ああ!?』
『いや、俺知らねーし』
『俺も知らねぇ! ワッハッハッハッ!』
『なんだ、このオヤジ……』
自分から訪ねておいて豪快に笑う愚衛門に、サニーは呆れる他なかった。
『あ? 待てよ? 誰だ、与作って?』
『さっき、あの与作がって言ったろ!』
『よく考えたら覚えてないわ』
『えー!?』
『長年一人でずーっとここでボーッとしてたから、ほとんどのことは忘れたわ』
『ボーッとしてた!? ここで!? オッサン、ここは三途の道だぜ!? グルメ界と繋がってる道だ! こんなとこでボーッとしてたら……――あー! って、メチャメチャボーッとしている!』
思わずここに来た目的を忘れそうになるくらい、愚衛門のボーッと振りにサニーは自分が焦ってしまっていた。通常、他人が慌てると返って自分が冷静になるものだが現状は全く逆である。
ズドンッ!
『あっ!』
〈クアアァァアアア!!〉
言っているそばから愚衛門の背後にグルメ界の猛獣がやって来た。捕獲レベル測定不能の昆虫獣類・ヘラクレスドラゴンだ。