ニワトラの卵! よっち爺さんと妻の記憶
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「ワッハッハッハッ! 面白い! よし、売った! あの土地はお主らに譲るわい!」
「「「えっ!?」」」
「ホントか、よっちじい!」
「そんなアッサリと売っていいんですか!?」
「でも、最低価格は確か100億円じゃ……!?」
「フッフッ。そりゃよ、儲けばかり考える『最低』な奴が買う価格はな」
「最低価格ってそういう意味だったんですか……!」
「わしにとって今や、金はなんの価値もない。金など積めば積むほどさらに最低じゃ。わしにとっての価値は下がる」
テレビで言っていた価格は別の意味だったなんて……よっちさんは心底あの土地に思い入れがあるから、金より気持ちが安いと売る気にはならなかったんだ。
「トリコよ」
「ん?」
「お主が卵を称賛する言葉……死んだ女房と同じものじゃった」
トリコが言った『まろやかの中に強い腰がある味』……よっちさんの奥さんもそう言ってたんだ。
「わしにとって何よりも…何よりも……価値のあるものじゃ」
「よっちじい……」
「決して、金では買えん喜びを……ありがとう!」
☆☆☆☆☆
それから本当によっちさんは亡くなってしまい、お墓は私たちで奥さんの隣に建てた。今日は私たちはこの地へ喪服姿で訪れ、よっちさんへの挨拶と約束のためにミーコの元へ向かう。
『お主ならこの土地、どう使ってくれても構わん。ただ一つ……わしがいなくなって寂しがるミーコとたまに遊んでやってくれないか』
よっちさんが亡くなるまでも何度も訪れたから、ミーコは私たちのことを知ってくれたから警戒されることはなくなった。そして私が作ったビックリアップルのお菓子がよっちさんとミーコに好評だったため、今日も持って来たんだけど……。
「「「あっ!」」」
あのひと坪にミーコはいつの間にか新しい卵を産んでいた。そしてヒビが入って割れると、中からニワトラの雛が生まれる。
〈ピーピー〉
「スゴーい……! 雛が生まれてますよ!」
「よっちじいの生まれ変わりか?」
「これでまた、一緒になれたね……」
先輩の美食屋から、私たちは大切なことを教わった。そしてまたここへ訪れよう。ミーコと雛……よっちさんに会いに。
「「「えっ!?」」」
「ホントか、よっちじい!」
「そんなアッサリと売っていいんですか!?」
「でも、最低価格は確か100億円じゃ……!?」
「フッフッ。そりゃよ、儲けばかり考える『最低』な奴が買う価格はな」
「最低価格ってそういう意味だったんですか……!」
「わしにとって今や、金はなんの価値もない。金など積めば積むほどさらに最低じゃ。わしにとっての価値は下がる」
テレビで言っていた価格は別の意味だったなんて……よっちさんは心底あの土地に思い入れがあるから、金より気持ちが安いと売る気にはならなかったんだ。
「トリコよ」
「ん?」
「お主が卵を称賛する言葉……死んだ女房と同じものじゃった」
トリコが言った『まろやかの中に強い腰がある味』……よっちさんの奥さんもそう言ってたんだ。
「わしにとって何よりも…何よりも……価値のあるものじゃ」
「よっちじい……」
「決して、金では買えん喜びを……ありがとう!」
☆☆☆☆☆
それから本当によっちさんは亡くなってしまい、お墓は私たちで奥さんの隣に建てた。今日は私たちはこの地へ喪服姿で訪れ、よっちさんへの挨拶と約束のためにミーコの元へ向かう。
『お主ならこの土地、どう使ってくれても構わん。ただ一つ……わしがいなくなって寂しがるミーコとたまに遊んでやってくれないか』
よっちさんが亡くなるまでも何度も訪れたから、ミーコは私たちのことを知ってくれたから警戒されることはなくなった。そして私が作ったビックリアップルのお菓子がよっちさんとミーコに好評だったため、今日も持って来たんだけど……。
「「「あっ!」」」
あのひと坪にミーコはいつの間にか新しい卵を産んでいた。そしてヒビが入って割れると、中からニワトラの雛が生まれる。
〈ピーピー〉
「スゴーい……! 雛が生まれてますよ!」
「よっちじいの生まれ変わりか?」
「これでまた、一緒になれたね……」
先輩の美食屋から、私たちは大切なことを教わった。そしてまたここへ訪れよう。ミーコと雛……よっちさんに会いに。