ニワトラの卵! よっち爺さんと妻の記憶
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「臨時収入があったときぐらい僕が、お二人に――」
「ちょうどいい! 今俺、欲しい物があるんだよ!」
「ホントですか! じゃあそれ、僕にプレゼントさせてください! で、なんです? その欲しいモノって」
「土地だ!」
…………。
「「土地?」」
「ああ。で、今その土地へ向かってるってわけだ。ちょうどいいだろ?」
「いや、ムリですよ土地なんて! 100万で買えるわけないじゃないですか!」
「う~ん……そりゃそうか」
それにしても珍しいな。トリコが土地を欲しがるなんて。土地より食べ物に目がないのに。
「トリコさん、いつから土地の買収に興味持つようになったんですか? 自分が住むための土地じゃないですよね、それ?」
「まさか別荘でも建てるつもり? どれだけ広い土地が欲しいの?」
「ほんのひと坪さ。かなりいい土地が売りに出されたんだ」
「ひと坪? なんかそのくらいの大きさ、最近聞いたような……?」
「そういえばこの前……」
私が首を傾げると、小松さんが思い出したので話してくれた。
――数日前、ティナさんが出演するグルメニュースにトップニュースが入った。『通称・巨万のひと坪』が競売にかけられることになり、最低入札価格は100億円にのぼるということだ。
「トリコが欲しがっている土地がそれなら……」
「まさか……あの巨大なジュラルミンケースの中身は……」
私と小松さんは思わず顔を見合わせた。これから向かう土地のためのお金ってこと? 小松さんにお願いしようとしたのも、少しでも足しになればっていうことかな?
私たちはすぐにトリコのあとを追って、どうして急にその土地を買おうとしたのか理由を聞いてみた。
「虎のような風貌をした鶏、その名も鳥獣・ニワトラ。この猛獣が産む卵が超高級食材なんだが、ニワトラは自分が気に入った場所以外には決して卵を産まない。その気に入った場所ってのが、そこの土地ってわけだ」
「それでその土地には破格の値段がついてるんですか」
「土地のオーナーは『よっち』というじいさんだが、これがなかなかの頑固ジジイでな、これまでに名門グルメ不動産の地上げ屋や大富豪たちが何度も土地の買収を試みたが、全く聞く耳を持たなかったらしい。IGOの幹部も門前払いだったそうだ」
「どうして今回、その巨万の土地を手放そうと思ったのかな?」
「さあな。まっ、直接よっちじいさんに尋ねてみるか」
☆☆☆☆☆
辿り着いた町は電線はあるけど、緑がないに近い荒野のような所だった。そして連なる住宅街から離れたポツンとある一軒の家に、大勢の男たちが集まっていた。
「おっ、やってるな。まさかもう売れちまってねぇだろうな~?」
「ん? ねぇ、空から何か来るよ」
「おっ」
「ああっ!」
私が指差した空には、鶏のような鶏冠と羽根と足を持ち、顔は豚っぽいけど鋭い牙があり、胴体は黄色という奇妙な猛獣がいた。あれが捕獲レベル50の鳥獣類・ニワトラみたい。
「ちょうどいい! 今俺、欲しい物があるんだよ!」
「ホントですか! じゃあそれ、僕にプレゼントさせてください! で、なんです? その欲しいモノって」
「土地だ!」
…………。
「「土地?」」
「ああ。で、今その土地へ向かってるってわけだ。ちょうどいいだろ?」
「いや、ムリですよ土地なんて! 100万で買えるわけないじゃないですか!」
「う~ん……そりゃそうか」
それにしても珍しいな。トリコが土地を欲しがるなんて。土地より食べ物に目がないのに。
「トリコさん、いつから土地の買収に興味持つようになったんですか? 自分が住むための土地じゃないですよね、それ?」
「まさか別荘でも建てるつもり? どれだけ広い土地が欲しいの?」
「ほんのひと坪さ。かなりいい土地が売りに出されたんだ」
「ひと坪? なんかそのくらいの大きさ、最近聞いたような……?」
「そういえばこの前……」
私が首を傾げると、小松さんが思い出したので話してくれた。
――数日前、ティナさんが出演するグルメニュースにトップニュースが入った。『通称・巨万のひと坪』が競売にかけられることになり、最低入札価格は100億円にのぼるということだ。
「トリコが欲しがっている土地がそれなら……」
「まさか……あの巨大なジュラルミンケースの中身は……」
私と小松さんは思わず顔を見合わせた。これから向かう土地のためのお金ってこと? 小松さんにお願いしようとしたのも、少しでも足しになればっていうことかな?
私たちはすぐにトリコのあとを追って、どうして急にその土地を買おうとしたのか理由を聞いてみた。
「虎のような風貌をした鶏、その名も鳥獣・ニワトラ。この猛獣が産む卵が超高級食材なんだが、ニワトラは自分が気に入った場所以外には決して卵を産まない。その気に入った場所ってのが、そこの土地ってわけだ」
「それでその土地には破格の値段がついてるんですか」
「土地のオーナーは『よっち』というじいさんだが、これがなかなかの頑固ジジイでな、これまでに名門グルメ不動産の地上げ屋や大富豪たちが何度も土地の買収を試みたが、全く聞く耳を持たなかったらしい。IGOの幹部も門前払いだったそうだ」
「どうして今回、その巨万の土地を手放そうと思ったのかな?」
「さあな。まっ、直接よっちじいさんに尋ねてみるか」
☆☆☆☆☆
辿り着いた町は電線はあるけど、緑がないに近い荒野のような所だった。そして連なる住宅街から離れたポツンとある一軒の家に、大勢の男たちが集まっていた。
「おっ、やってるな。まさかもう売れちまってねぇだろうな~?」
「ん? ねぇ、空から何か来るよ」
「おっ」
「ああっ!」
私が指差した空には、鶏のような鶏冠と羽根と足を持ち、顔は豚っぽいけど鋭い牙があり、胴体は黄色という奇妙な猛獣がいた。あれが捕獲レベル50の鳥獣類・ニワトラみたい。