溢れる食運! 巡礼グルメ神社!
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「フゥ……。こんだけ人が多いと着替えるのもひと苦労……――ん?」
やっと舞獣姫の格好になれて私はさっきの場所に戻ろうとすると、目の前に一匹の真っ白い狐がお座りしていた。
〈コーン〉
「えっ?」
《決まりました――っ!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「えっ? えっ?」
ティナさんの実況と共に歓声が沸き起こって、狐は鳴いて私に擦り寄って来るし、何がなんだかわからない。もしかして、もう食女は決まったの? 誰?
「舞獣姫さん、スゴいですよ!」
「小松さん、トリコ、これはいったい……?」
「その狐に選ばれた女が、今年の食女ってわけだ。見事お前が選ばれたんだよ」
「ええっ!?」
《なんと! 彼女は小松シェフと共にセンチュリースープを手掛けた美食屋兼料理人・舞獣姫です!! 様々な地で寄付活動もする彼女を、美食神・アカシアはちゃんと見ていたのです!! 彼女にも食券一年分が授与されます!!》
……二人の食男と食女の周りに他の参拝客も集まり、それを本殿でパーポー神官が宮司と共に見降ろしていた。
「パーポー神官」
「ん?」
「今年の食男&食女選びは、格別盛況の内に終わったようですね」
「生きるということは、腹が減るということ……幸福はまず食べることから始まる。食運は腹を、心を、命を、人生を満たしてくれるもの。故に参拝客は皆、アカシア様の食運にすがりつく。自らの利益のために必死であやかろうとする」
「この広い境内の、いったいどのグル樹に当たりの実が成ってたんですか!?」
「神社の入口近くの店さ。うまかったぜ~! みんなも行って来いよ!」
「あっ、僕の食券一年分もぜひみなさんで使ってください!」
「私のもどうぞ。まだまだたくさんおいしいのがありますから、みんなで食べましょう!」
自分の成功を決して秘密にしたり、独占しようとせず、みんなに知らせたり分け与える姿がある。それに宮司は驚いた。
「彼らは……!」
「ええ。久しぶりですね。溢れんばかりの食運を惜しみなく回りに分け与える者……。アカシア様……それでですか。いつになく嬉しそうなのは。彼らなら、あなたの意志を継いでくれるかもしれませんね」
アカシア像を見るパーポー神官は、アカシア像の変化や瑞貴たちのことをいち早く気づいた。もしかしたら三人が食男や食女に選ばれることも、予想通りだったのかもしれない。
☆☆☆☆☆
もう一度私服に着替え直し、私たちはタクシープに乗って神社の入口へと戻って行く。相変わらずの超特急だから大声で話さないと相手の耳に届かない。
「トリコさーん! 確かグル樹の実のお店は、この先でしたよねー!?」
「ああ! 店のオヤジに、食男に選ばれた礼を言ってから帰んねぇとな!」
「ねぇ、あれ見て!」
「「ん?」」
私が指差した先には、例のグル樹の実のお店が行列を作っていたので、その手前でタクシープが止まる。
「トリコの宣伝効果かな?」
「なんだ。ついでにグル樹の実、あるだけ買って帰ろうと思ったのに」
「いいじゃないですか、トリコさん」
「ん? ……まっ、そうだな」
店主も客もたくさんの人々が喜んでいる姿を見て、最初は残念がっていたトリコも嬉しそうに笑った。
やっと舞獣姫の格好になれて私はさっきの場所に戻ろうとすると、目の前に一匹の真っ白い狐がお座りしていた。
〈コーン〉
「えっ?」
《決まりました――っ!!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
「えっ? えっ?」
ティナさんの実況と共に歓声が沸き起こって、狐は鳴いて私に擦り寄って来るし、何がなんだかわからない。もしかして、もう食女は決まったの? 誰?
「舞獣姫さん、スゴいですよ!」
「小松さん、トリコ、これはいったい……?」
「その狐に選ばれた女が、今年の食女ってわけだ。見事お前が選ばれたんだよ」
「ええっ!?」
《なんと! 彼女は小松シェフと共にセンチュリースープを手掛けた美食屋兼料理人・舞獣姫です!! 様々な地で寄付活動もする彼女を、美食神・アカシアはちゃんと見ていたのです!! 彼女にも食券一年分が授与されます!!》
……二人の食男と食女の周りに他の参拝客も集まり、それを本殿でパーポー神官が宮司と共に見降ろしていた。
「パーポー神官」
「ん?」
「今年の食男&食女選びは、格別盛況の内に終わったようですね」
「生きるということは、腹が減るということ……幸福はまず食べることから始まる。食運は腹を、心を、命を、人生を満たしてくれるもの。故に参拝客は皆、アカシア様の食運にすがりつく。自らの利益のために必死であやかろうとする」
「この広い境内の、いったいどのグル樹に当たりの実が成ってたんですか!?」
「神社の入口近くの店さ。うまかったぜ~! みんなも行って来いよ!」
「あっ、僕の食券一年分もぜひみなさんで使ってください!」
「私のもどうぞ。まだまだたくさんおいしいのがありますから、みんなで食べましょう!」
自分の成功を決して秘密にしたり、独占しようとせず、みんなに知らせたり分け与える姿がある。それに宮司は驚いた。
「彼らは……!」
「ええ。久しぶりですね。溢れんばかりの食運を惜しみなく回りに分け与える者……。アカシア様……それでですか。いつになく嬉しそうなのは。彼らなら、あなたの意志を継いでくれるかもしれませんね」
アカシア像を見るパーポー神官は、アカシア像の変化や瑞貴たちのことをいち早く気づいた。もしかしたら三人が食男や食女に選ばれることも、予想通りだったのかもしれない。
☆☆☆☆☆
もう一度私服に着替え直し、私たちはタクシープに乗って神社の入口へと戻って行く。相変わらずの超特急だから大声で話さないと相手の耳に届かない。
「トリコさーん! 確かグル樹の実のお店は、この先でしたよねー!?」
「ああ! 店のオヤジに、食男に選ばれた礼を言ってから帰んねぇとな!」
「ねぇ、あれ見て!」
「「ん?」」
私が指差した先には、例のグル樹の実のお店が行列を作っていたので、その手前でタクシープが止まる。
「トリコの宣伝効果かな?」
「なんだ。ついでにグル樹の実、あるだけ買って帰ろうと思ったのに」
「いいじゃないですか、トリコさん」
「ん? ……まっ、そうだな」
店主も客もたくさんの人々が喜んでいる姿を見て、最初は残念がっていたトリコも嬉しそうに笑った。