溢れる食運! 巡礼グルメ神社!
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《さあ、次の挑戦者が現れました。今度は随分と小柄な――……あれ? 小松くん?》
「小松って!」
「あれ、小松シェフじゃないか?」
「ホテルグルメの!?」
「センチュリースープの小松シェフ!」
小松さんが現れたことで、ティナさんを始めたくさんの人々が注目している。本人の小松さんは少し顔を青ざめていたけど。
(均等で綺麗にそろった木目だ。これは木の樹脂に近い部分で作られた固くて質がいいまな板だな……。使い込まれたいい包丁だ。でも上から刃先へのカーブにクセがある。刃離れをよくするには、垂直じゃなく少し斜めに……)
私たちは静かに小松さんを見守る。焦ることなく冷静に木目と包丁のクセを読んでいるんだ。
「軽く、こう……」
スッ――。
「えっ?」
「あっ!」
「「「「「ええっ!?」」」」」
小松さん自身はもちろん、ティナさんや他の参拝客も驚いた。あれほど力で抜けなかった包丁がアッサリと、しかも食男が決まったんだからね。
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
《抜けた――っ!! グルメ神社が、美食神・アカシアが選んだ今年の食男は――ホテルグルメの小松シェフです! これぞ、決定的スクープの瞬間です!!》
「おめでとう、小松さん!」
「ハハッ! スゲェじゃねぇか、小松!」
《小松シェフには、境内の食券一年分をプレゼントされます!! おめでとうございま――す!!》
「あ、ありがとうございます!」
たくさんの人々の歓声と拍手と共に、小松さんは礼をしてまな板を降りた。
《さあ、これだけでは終わりません! もうすでに始まっています! 境内に数十万本とあるグル樹。その実の中にたった一つある当たりの実。それを見つけた方がもう一人の食男です! ちなみに当たりの実は、中の種が金色です》
「えっ!」
「金色って……俺、さっき食ったぞ。ほら」
面白いからと取って置いた種を、トリコがポケットから取り出してみんなに見せるようにつまむ。
《えっ! いきなり見つかった!? なんと! もう一人の食男は美食屋・トリコです!! トリコは強力な食運も備えていました――っ!!》
「スゴいですね、トリコさん!」
「小松のほうが強運だろ。食みくじでは凶作だったのに、食男になったんだ。ある意味俺よりスゲーって」
「これこそまさに、損して得取れだね」
「アハハハ……」
苦笑する小松さん。彼の食運はこのときのためにとっておいたのか、本殿にお参りした効果かな?
《さあ! 残る行事はあと一つ! 食女選び! この行事は一人しか選ばれません!!》
「瑞貴、せっかくだから出たらどうだ?」
「僕らが選ばれたんですから、瑞貴さんも選ばれるかもしれませんよ!」
「うーん……確かにせっかくだから挑戦したいけど、目立ったら厄介だね。着替えて来る」
私はその場を離れて着替えに向かった。どっか身を潜める場所がないかな?
……瑞貴がその場を離れている間、神社の関係者である二人が駕籠を中心まで運んで扉を開けると……中から真っ白な毛皮に金色の目をした狐が現れた。
《こちらはこのグルメ神社で育って来た狐です! この狐が一人の女性の前で鳴いたとき、その人物こそが今年の食女となります!!》
「わ~! なんか一切の汚れも許さないほど、真っ白くて美しい毛並みですね!」
「グルメ神社で育ったんなら、食運もスゲーかもな」
《そしてこの食女選び、このグルメレポーター・ティナも参加させていただきます! てんこ盛りなスクープを手に入れるために!》
まな板の上に一匹だけ残った狐は、周りから「おいでー!」や「ぜひ私にー!」など様々な女性の声が聞こえても動じない。
……しばらく周りを見渡すとハッとした顔になり、まな板の上から降りて人込みの中を歩いて行く。たまに女性が狐の前にわざと立ち塞がるが、それすらもスルーして通り抜けた。
「小松って!」
「あれ、小松シェフじゃないか?」
「ホテルグルメの!?」
「センチュリースープの小松シェフ!」
小松さんが現れたことで、ティナさんを始めたくさんの人々が注目している。本人の小松さんは少し顔を青ざめていたけど。
(均等で綺麗にそろった木目だ。これは木の樹脂に近い部分で作られた固くて質がいいまな板だな……。使い込まれたいい包丁だ。でも上から刃先へのカーブにクセがある。刃離れをよくするには、垂直じゃなく少し斜めに……)
私たちは静かに小松さんを見守る。焦ることなく冷静に木目と包丁のクセを読んでいるんだ。
「軽く、こう……」
スッ――。
「えっ?」
「あっ!」
「「「「「ええっ!?」」」」」
小松さん自身はもちろん、ティナさんや他の参拝客も驚いた。あれほど力で抜けなかった包丁がアッサリと、しかも食男が決まったんだからね。
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
《抜けた――っ!! グルメ神社が、美食神・アカシアが選んだ今年の食男は――ホテルグルメの小松シェフです! これぞ、決定的スクープの瞬間です!!》
「おめでとう、小松さん!」
「ハハッ! スゲェじゃねぇか、小松!」
《小松シェフには、境内の食券一年分をプレゼントされます!! おめでとうございま――す!!》
「あ、ありがとうございます!」
たくさんの人々の歓声と拍手と共に、小松さんは礼をしてまな板を降りた。
《さあ、これだけでは終わりません! もうすでに始まっています! 境内に数十万本とあるグル樹。その実の中にたった一つある当たりの実。それを見つけた方がもう一人の食男です! ちなみに当たりの実は、中の種が金色です》
「えっ!」
「金色って……俺、さっき食ったぞ。ほら」
面白いからと取って置いた種を、トリコがポケットから取り出してみんなに見せるようにつまむ。
《えっ! いきなり見つかった!? なんと! もう一人の食男は美食屋・トリコです!! トリコは強力な食運も備えていました――っ!!》
「スゴいですね、トリコさん!」
「小松のほうが強運だろ。食みくじでは凶作だったのに、食男になったんだ。ある意味俺よりスゲーって」
「これこそまさに、損して得取れだね」
「アハハハ……」
苦笑する小松さん。彼の食運はこのときのためにとっておいたのか、本殿にお参りした効果かな?
《さあ! 残る行事はあと一つ! 食女選び! この行事は一人しか選ばれません!!》
「瑞貴、せっかくだから出たらどうだ?」
「僕らが選ばれたんですから、瑞貴さんも選ばれるかもしれませんよ!」
「うーん……確かにせっかくだから挑戦したいけど、目立ったら厄介だね。着替えて来る」
私はその場を離れて着替えに向かった。どっか身を潜める場所がないかな?
……瑞貴がその場を離れている間、神社の関係者である二人が駕籠を中心まで運んで扉を開けると……中から真っ白な毛皮に金色の目をした狐が現れた。
《こちらはこのグルメ神社で育って来た狐です! この狐が一人の女性の前で鳴いたとき、その人物こそが今年の食女となります!!》
「わ~! なんか一切の汚れも許さないほど、真っ白くて美しい毛並みですね!」
「グルメ神社で育ったんなら、食運もスゲーかもな」
《そしてこの食女選び、このグルメレポーター・ティナも参加させていただきます! てんこ盛りなスクープを手に入れるために!》
まな板の上に一匹だけ残った狐は、周りから「おいでー!」や「ぜひ私にー!」など様々な女性の声が聞こえても動じない。
……しばらく周りを見渡すとハッとした顔になり、まな板の上から降りて人込みの中を歩いて行く。たまに女性が狐の前にわざと立ち塞がるが、それすらもスルーして通り抜けた。