溢れる食運! 巡礼グルメ神社!
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遠く離れて見たときもそうだったけど、こうして長い階段の上にある本殿を見るとやはり大きさに目を奪われてしまう。
「近くで見るとスゴいですね……! 神社の入口の鳥居よりさらに大きい……!」
「さすが、アカシアを祀るグルメ時代の象徴だな」
「この中に、アカシアの像が……!」
ここまで来るとドキドキしてきた。中には像があるってわかっていても、やっぱりこの高揚感は抑えられない。やっと最後の一段を上がり終えると――私たちはまるで別世界にいるような感覚に陥った。
「ここは、明らかに別の空間……! 食うこと以外で、こんな風に命が満たされるような予感がしたのは初めてだ……。この空間に充満する何か……それは紛れもなく――食運!」
まるで引き寄せられるかのように、私たちは中に入って賽銭箱の前に立つ。そしてその奥にあるのは求めていたモノがある。この食運の源――アカシアの黄金像だ。
「なんと誇張もない、等身大の像……!」
「この人が、美食神・アカシア……!」
「まるで目の前に本人がいるような感覚……!」
礼儀とかそんなの関係なく、思わず両手を合わせて目を閉じてしまうほどの神々しさがあったのだ。『ありがとう』……心に湧き出てきた言葉は、たった一つ。
……そのときグルメ神官・パーポーがアカシアの像を見て何かを感じ、その先にいる瑞貴とトリコと小松を見て彼女たちからも何かを感じ取った。
――参拝を終え、本殿を出た私たちはまず中央の通路まで階段を降りる。緊張感から解放されたせいか、思わず私は体を伸ばしてしまう。
「うーん! 来てよかったって感じがする!」
「トリコさん。僕たち食運上がりましたかね?」
「どうかな。試してみるか?」
「「えっ?」」
試してみるって……どうやって? まさか危険な猛獣がいっぱいいる場所に放り込まないよね?
《さあ! 今年もやってまいりました! 年に一度の大イベント・『食男&食女選び』!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
《御神木の美食杉で作った巨大まな板に刺さった、あの包丁を無事抜いた方が今年の食男と認定されます! めでたく食男の称号を勝ち取るのは、いったい誰なのでしょうか!?》
あっ、ティナさんだ。今回のスクープはこのグルメ神社ってわけか。
プロレスのリングくらい広いまな板の中心に刺さっている包丁、それを抜こうと力自慢の男性たちが集まっているけど、全然抜けないどころか、少しも動かない。
《決して力では抜けません。木目を読み絶妙な力加減でなければ、1グラムもビクともしないこの包丁! 気温や湿度も影響するため、なんと言っても運が必要です!》
「どけ! このゾンゲ様が一瞬でクリアしてやる!」
「がんばれー! ゾンゲ様ー!」
「悪運だけはあるんだよな~あの人」
次の挑戦者として現れたゾンゲだけど、結局1ミリも動くことはなかった。これはゾンゲの悪運でも解決できない……食運が必要ってわけね。自慢の斧を振り回しかけたけど、滑って転んで目の前には包丁の刃……至近距離だったせいで恐れて逃げちゃった。
あっ、あまりのマヌケっぷりにティナさんがカメラを一時停止したみたいで、再度撮影を開始している。ゾンゲのことはすっかりなかったことにしているのね。
「どうだ、小松。挑戦してみるか?」
「ええっ!?」
「食運を持つ者を決める食男選びだよ? 試す価値あるじゃない」
「あっ……――わかりました。挑戦してみます!」
覚悟を決めた小松さんが靴を抜いてまな板に上がり、包丁の元へ向かう。
「近くで見るとスゴいですね……! 神社の入口の鳥居よりさらに大きい……!」
「さすが、アカシアを祀るグルメ時代の象徴だな」
「この中に、アカシアの像が……!」
ここまで来るとドキドキしてきた。中には像があるってわかっていても、やっぱりこの高揚感は抑えられない。やっと最後の一段を上がり終えると――私たちはまるで別世界にいるような感覚に陥った。
「ここは、明らかに別の空間……! 食うこと以外で、こんな風に命が満たされるような予感がしたのは初めてだ……。この空間に充満する何か……それは紛れもなく――食運!」
まるで引き寄せられるかのように、私たちは中に入って賽銭箱の前に立つ。そしてその奥にあるのは求めていたモノがある。この食運の源――アカシアの黄金像だ。
「なんと誇張もない、等身大の像……!」
「この人が、美食神・アカシア……!」
「まるで目の前に本人がいるような感覚……!」
礼儀とかそんなの関係なく、思わず両手を合わせて目を閉じてしまうほどの神々しさがあったのだ。『ありがとう』……心に湧き出てきた言葉は、たった一つ。
……そのときグルメ神官・パーポーがアカシアの像を見て何かを感じ、その先にいる瑞貴とトリコと小松を見て彼女たちからも何かを感じ取った。
――参拝を終え、本殿を出た私たちはまず中央の通路まで階段を降りる。緊張感から解放されたせいか、思わず私は体を伸ばしてしまう。
「うーん! 来てよかったって感じがする!」
「トリコさん。僕たち食運上がりましたかね?」
「どうかな。試してみるか?」
「「えっ?」」
試してみるって……どうやって? まさか危険な猛獣がいっぱいいる場所に放り込まないよね?
《さあ! 今年もやってまいりました! 年に一度の大イベント・『食男&食女選び』!》
「「「「「ワアアァァアアア!!」」」」」
《御神木の美食杉で作った巨大まな板に刺さった、あの包丁を無事抜いた方が今年の食男と認定されます! めでたく食男の称号を勝ち取るのは、いったい誰なのでしょうか!?》
あっ、ティナさんだ。今回のスクープはこのグルメ神社ってわけか。
プロレスのリングくらい広いまな板の中心に刺さっている包丁、それを抜こうと力自慢の男性たちが集まっているけど、全然抜けないどころか、少しも動かない。
《決して力では抜けません。木目を読み絶妙な力加減でなければ、1グラムもビクともしないこの包丁! 気温や湿度も影響するため、なんと言っても運が必要です!》
「どけ! このゾンゲ様が一瞬でクリアしてやる!」
「がんばれー! ゾンゲ様ー!」
「悪運だけはあるんだよな~あの人」
次の挑戦者として現れたゾンゲだけど、結局1ミリも動くことはなかった。これはゾンゲの悪運でも解決できない……食運が必要ってわけね。自慢の斧を振り回しかけたけど、滑って転んで目の前には包丁の刃……至近距離だったせいで恐れて逃げちゃった。
あっ、あまりのマヌケっぷりにティナさんがカメラを一時停止したみたいで、再度撮影を開始している。ゾンゲのことはすっかりなかったことにしているのね。
「どうだ、小松。挑戦してみるか?」
「ええっ!?」
「食運を持つ者を決める食男選びだよ? 試す価値あるじゃない」
「あっ……――わかりました。挑戦してみます!」
覚悟を決めた小松さんが靴を抜いてまな板に上がり、包丁の元へ向かう。