溢れる食運! 巡礼グルメ神社!
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スタージュンとの再会から数日後、私たちはトリコの誘いでグルメ神社へやってきた。だけど広くて長い石段を上がり続けたので、小松さんだけでなく他の参拝客も疲れている。
「小松さん、手を貸そうか?」
「いえ、大丈夫です。それにしても……あ~……食運を高めるためにも、楽な道はないってことですかね~……」
うしろを見れば山を登っているかのような高さ。階段の一番下も見えないよ。
「まさかこんな所だなんて思ってもみませんでしたよ、グルメ神社」
「だね。大人気の場所だとは聞いていたけど」
「ひょっとして小松も瑞貴も、来るの初めてなのか?」
「え、ええ。まあ……。来たいと思ってたんですけど、なかなか時間が……」
「神獣を宿している以上、罰当たりになるかなって……」
一応相談してみたけど、『自分たちは私を守るしかできないし、食運はどうにもならないから行っていい』って言われたんだよね。
「料理人たるもの、一回ぐらい行っとけよな」
「トリコだって初めてじゃない!」
「俺はそういうお参りとか興味ねぇ――」
「「わああぁぁあああ!!」」
「聞けよ」
最後の一段を上がって、小松さんと一緒に驚きの声を上げたらトリコに呆れられた。けど、そういう問題じゃないからね! トリコですら見上げるほどの巨大な鳥居が目の前に建っているもの!
「デカい……!」
「ハ~……立派な鳥居だ」
「私、元の世界でもこんなの見たことないよ……」
「ここがグルメ神社の入口ですかー!」
……グルメ神社の境内の面積は8万キロ平方メートロル。グルメ祈願や食厄払いにと、全世界からなんと年間九十億人ものの人々が参拝に訪れる巨大な神社である。
「広いというのにこの人混み、まるで遊園地ですよ」
「グルメ時代において食運を上げるということは、人生の成功に繋がると言われている。ここは美食屋や食を商いとする者はもちろん、政財界の重臣までこぞって参拝に訪れる。まさに食のパワースポットだな」
「本当に全てが『食』を中心なんだね……」
元の世界から知っていたとはいえ、この世界に訪れてからはそれを実感させられる。生きるために『食べること』がどんだけ大事なのかを痛感するね。
「――ん? トリコ! 瑞貴! 小松くん!」
……グルメ神社の取材に来ていたティナとクルッポーは、通りがかった三人を見て顔を輝かせた。向こうは人込みのせいで気づいていない。
するとカメラに見覚えのある……あり過ぎな影が入ったので、ティナとクルッポーは驚いた。
「わっ! ザンゲ!」
「あ~神様お許しください。懺悔します~……――って、ゾンゲだ! 俺は!」
相変わらずノリのいいゾンゲだが、ティナとクルッポーはスルーした。トリコたちを追おうにも見失ってしまう。
「トリコたち、今確かにいたわよね?」
〈クルッポ!〉
「いつまで俺を追っかける気だ! このパパラッチ! 写真週刊誌にでも売る気か!」
「有名人ですからね~ゾンゲ様!」
「アハハッ! まあな!」
「確かに有名だよな~。……悪い意味で」
……ゾンゲを尊敬の眼差しをする白川とは別に、最後に呟いた坂巻の言葉は二人に聞こえていなかった。
「小松さん、手を貸そうか?」
「いえ、大丈夫です。それにしても……あ~……食運を高めるためにも、楽な道はないってことですかね~……」
うしろを見れば山を登っているかのような高さ。階段の一番下も見えないよ。
「まさかこんな所だなんて思ってもみませんでしたよ、グルメ神社」
「だね。大人気の場所だとは聞いていたけど」
「ひょっとして小松も瑞貴も、来るの初めてなのか?」
「え、ええ。まあ……。来たいと思ってたんですけど、なかなか時間が……」
「神獣を宿している以上、罰当たりになるかなって……」
一応相談してみたけど、『自分たちは私を守るしかできないし、食運はどうにもならないから行っていい』って言われたんだよね。
「料理人たるもの、一回ぐらい行っとけよな」
「トリコだって初めてじゃない!」
「俺はそういうお参りとか興味ねぇ――」
「「わああぁぁあああ!!」」
「聞けよ」
最後の一段を上がって、小松さんと一緒に驚きの声を上げたらトリコに呆れられた。けど、そういう問題じゃないからね! トリコですら見上げるほどの巨大な鳥居が目の前に建っているもの!
「デカい……!」
「ハ~……立派な鳥居だ」
「私、元の世界でもこんなの見たことないよ……」
「ここがグルメ神社の入口ですかー!」
……グルメ神社の境内の面積は8万キロ平方メートロル。グルメ祈願や食厄払いにと、全世界からなんと年間九十億人ものの人々が参拝に訪れる巨大な神社である。
「広いというのにこの人混み、まるで遊園地ですよ」
「グルメ時代において食運を上げるということは、人生の成功に繋がると言われている。ここは美食屋や食を商いとする者はもちろん、政財界の重臣までこぞって参拝に訪れる。まさに食のパワースポットだな」
「本当に全てが『食』を中心なんだね……」
元の世界から知っていたとはいえ、この世界に訪れてからはそれを実感させられる。生きるために『食べること』がどんだけ大事なのかを痛感するね。
「――ん? トリコ! 瑞貴! 小松くん!」
……グルメ神社の取材に来ていたティナとクルッポーは、通りがかった三人を見て顔を輝かせた。向こうは人込みのせいで気づいていない。
するとカメラに見覚えのある……あり過ぎな影が入ったので、ティナとクルッポーは驚いた。
「わっ! ザンゲ!」
「あ~神様お許しください。懺悔します~……――って、ゾンゲだ! 俺は!」
相変わらずノリのいいゾンゲだが、ティナとクルッポーはスルーした。トリコたちを追おうにも見失ってしまう。
「トリコたち、今確かにいたわよね?」
〈クルッポ!〉
「いつまで俺を追っかける気だ! このパパラッチ! 写真週刊誌にでも売る気か!」
「有名人ですからね~ゾンゲ様!」
「アハハッ! まあな!」
「確かに有名だよな~。……悪い意味で」
……ゾンゲを尊敬の眼差しをする白川とは別に、最後に呟いた坂巻の言葉は二人に聞こえていなかった。