新局面! トリコの決意と“奴”との再会!
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「フッ」
チュッ。
「わみゃ!」
「なっ!」
「瑞貴!」
スタージュンが笑みを浮かべるとあっという間に私の前に立った。そして唇の端にスタージュンの唇が触れたのがわかったとき、小松さんは声を上げ、トリコは私の前に再び立った。
「私がお前に興味があると言ったのは嘘ではない。美食屋としても、料理人としても、一人の女性としてもな」
「えっ!?」
「まさか、お前!」
「ではな。次に会えるのを楽しみにしている」
そう言ってスタージュンは支払いを置いて今度こそ店を出ていった。――私たちに多大なる衝撃を残して。
☆☆☆☆☆
……外はすでに夜になって降り、スタージュンは一つの浮草に乗って先ほどまでいたバーを見つめる。
「私が何も手をかけずに去ることは、彼らにとって願ってもない最善の結果だったと言えよう。これは運――彼らが持つ食運。トリコのグルメ細胞にはまだ伸びしろがあり、それはうまい食材を食えば伸びるが……食運だけは食材や修業ではどうにもならん。食運はもともと持った資質であり、食に恵まれる才能……私に足りない物の一つでもある。欲しいものだ……そうすれば私の求める食材も……」
ふと思い浮かんだのは瑞貴の姿。初めて出会ったのは洞窟の砂浜であり、何故か最初からあの強い瞳に惹かれずにはいられなかった。
センチュリースープの事件のあとに会いに行ったも、部下の報告ではなく自分の目で確かめたかったのもあるが、ただ『会いたかった』という気持ちが強い。
「……トリコたちに向けるような表情を、私にも向ける日が来ることを願おう」
胸にチクリとした痛みを抱えたまま、スタージュンはまるで瞬間移動するかのように一つ一つの浮草に一瞬で渡って行き、最後に森の中へ姿を消した。
☆☆☆☆☆
スタージュンが去ったあと、彼の脅威が完全になくなったのを確認したら、小松さんが号泣し始めた。
「よかったですね、トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん! 僕、本当に殺されるとか連れ去られるとか思ってましたよ~~っ!!」
「もう大丈夫なんだから、小松さんも泣かないで」
「運が良かったな。……運、か」
小松さんを宥めていたら握った拳を見つめるトリコが視界に入ったので、私は首を傾げる。
「トリコ?」
「今まで行ったこともねぇが、一度行ってみるかな。アカシアの像が祀ってあると言う――グルメ神社へ!」
トリコのことだから神頼みとかしないほうだと思ったけど、運気をアップさせるにはちょうどいいかもしれないね!
「そうだ瑞貴。お前、センチュリースープのあとに何があったのか、しっかり話してもらうからな」
「えっ?」
「そうですよ! あんなに簡単にキ…キキキ…キスされるなんて! 無防備にもほどがあります!」
「いや、あれはスタージュンのスピードが速かったから対処できなかったわけで……」
「神社に行く前に、全部吐け!」
「ええぇぇえええ!?」
その後、私へスタージュンに関しての尋問が始まったのは言うまでもない。
チュッ。
「わみゃ!」
「なっ!」
「瑞貴!」
スタージュンが笑みを浮かべるとあっという間に私の前に立った。そして唇の端にスタージュンの唇が触れたのがわかったとき、小松さんは声を上げ、トリコは私の前に再び立った。
「私がお前に興味があると言ったのは嘘ではない。美食屋としても、料理人としても、一人の女性としてもな」
「えっ!?」
「まさか、お前!」
「ではな。次に会えるのを楽しみにしている」
そう言ってスタージュンは支払いを置いて今度こそ店を出ていった。――私たちに多大なる衝撃を残して。
☆☆☆☆☆
……外はすでに夜になって降り、スタージュンは一つの浮草に乗って先ほどまでいたバーを見つめる。
「私が何も手をかけずに去ることは、彼らにとって願ってもない最善の結果だったと言えよう。これは運――彼らが持つ食運。トリコのグルメ細胞にはまだ伸びしろがあり、それはうまい食材を食えば伸びるが……食運だけは食材や修業ではどうにもならん。食運はもともと持った資質であり、食に恵まれる才能……私に足りない物の一つでもある。欲しいものだ……そうすれば私の求める食材も……」
ふと思い浮かんだのは瑞貴の姿。初めて出会ったのは洞窟の砂浜であり、何故か最初からあの強い瞳に惹かれずにはいられなかった。
センチュリースープの事件のあとに会いに行ったも、部下の報告ではなく自分の目で確かめたかったのもあるが、ただ『会いたかった』という気持ちが強い。
「……トリコたちに向けるような表情を、私にも向ける日が来ることを願おう」
胸にチクリとした痛みを抱えたまま、スタージュンはまるで瞬間移動するかのように一つ一つの浮草に一瞬で渡って行き、最後に森の中へ姿を消した。
☆☆☆☆☆
スタージュンが去ったあと、彼の脅威が完全になくなったのを確認したら、小松さんが号泣し始めた。
「よかったですね、トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん! 僕、本当に殺されるとか連れ去られるとか思ってましたよ~~っ!!」
「もう大丈夫なんだから、小松さんも泣かないで」
「運が良かったな。……運、か」
小松さんを宥めていたら握った拳を見つめるトリコが視界に入ったので、私は首を傾げる。
「トリコ?」
「今まで行ったこともねぇが、一度行ってみるかな。アカシアの像が祀ってあると言う――グルメ神社へ!」
トリコのことだから神頼みとかしないほうだと思ったけど、運気をアップさせるにはちょうどいいかもしれないね!
「そうだ瑞貴。お前、センチュリースープのあとに何があったのか、しっかり話してもらうからな」
「えっ?」
「そうですよ! あんなに簡単にキ…キキキ…キスされるなんて! 無防備にもほどがあります!」
「いや、あれはスタージュンのスピードが速かったから対処できなかったわけで……」
「神社に行く前に、全部吐け!」
「ええぇぇえええ!?」
その後、私へスタージュンに関しての尋問が始まったのは言うまでもない。