つながる絆! 絶品ガツガツカレー!
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「そうだぜ。俺はな、『ガツカツカレーを食いたい』って言ったんだ。『親父さんのカレーを食いたい』なんてひと言も言ってないぜ?」
「確かに……。親父はお客さんが笑顔になるのを嬉しそうに見てたっス」
「調理器具もこれだけ手入れが行き届いてますし、素晴らしい料理人だったんですね」
「どれもこれも大切にされてて……――あっ」
「どうした?」
飾るように置いていある調理器具を見渡すと、私は例の立て掛けてある柄が長くて先の刃は普通の包丁を見つけた。それに声を上げるとトリコは不思議そうに言う。
「前に見たときも思ったんですが、なんか変わった包丁だなぁって」
「僕もそう思いました。なんて言うんですか?」
「あっ、それは――」
「高枝斬り包丁」
私が包丁を手に取ると小松さんも同意見だ。クミンさんが答えようとしたら、サフラちゃんが代わりに答えてくれた。けど、サフラちゃんは私の手から取ってしばし包丁を眺め、何故か持ったまま店を飛び出して行った。
不思議に思った私たちは追いかけて店を出ると、グルメビーチの裏の丘にある大きな木の下にサフラちゃんがいた。
「サフラ! ――っ!」
……クミンは顔を上げて木の実を見つめると、幼い頃に自分たち兄妹と父親で過ごした日を思い出して涙を浮かべる。自分たちが実を指差して、父親が高枝斬り包丁を使って採ってくれたのだ。
「子供の頃、よく父さんに食べさせてもらったよな」
「ああ。いつも楽しみにしてたっけ……」
「ん」
サフラちゃんが高枝斬り包丁を手渡すと、クミンさんは二つの実の皮を枝に付けたまま器用に剥いた。
☆☆☆☆☆
日が沈んで夜になる頃、クミンさんが最後のカレーをかけると、カツの隙間が光ってカレー全体を輝かせた。
「ガツカツカレー、完成っス!」
「うっひょー! 具材たっぷりのカレーに、香ばしく光り輝くカツ、ボリューム満点! うまそー!」
カレーが完成したので私と小松さんも水着に戻り、カウンターに座ってトリコと同じようにガツカツカレーをもらった。
「じゃ、いいか? この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」
「「「「「いただきます!」」」」」
カツと一緒にひと口カレーを食べた途端……汗がドッと出てきた。熱いからだけでなくカレーの辛さから出た汗だ。
(なんて濃厚で深い味わいのカレーだ! 肉と魚介、野菜のうまみが、ルゥと一体になって口の中でダンスを踊るみてぇに駆け巡る! そしてこの、ウォータイガーのカツ! 口の中でサッと一瞬で溶けながらも、ジューシーな肉汁が溢れ出てる!)
「飲み込んでもカレーの味が口の中に広がり続けて、まろやかな風味が心地良いです~!」
「ハリセンカのポテトスナックもカリカリでカレーに超合うし!」
「全ての具材が調和しているから、ルゥのパンチに負けるどころか一体になってる!」
「ガツカツカレー、復活の瞬間です!」
〈クルクルクポー!〉
〈ユユユユユーユン!〉
小松さんもリンちゃんも私もカレーの味に感動し、ティナさんはカメラにしっかり撮っている。
「このカレー、先代のよりもうまくねぇか?」
「ああ! 味の深みがハンパねぇ!」
「ん~! てんこもりおいしい~!」
毎年の常連であるトムさんとトリコが絶賛して、ティナさんも食べた途端に一段と嬉しそうな顔をしている!
「そういえば、サフラ」
「ん?」
「お前、タピオ貝を捕りにずいぶん深くまで潜っていたよな。そのおかげで親父さんが捕っていたのよりデカくてうまい貝が捕れた。だからこれだけの味わいがうまれたんだな」
サフラちゃんが一生懸命捕ってきた食材を、クミンさんが今までの修業の成果で調理してくれたおかげで、こんなにおいしいカレーができたんだね!
「仕上げにこの実も使ってみたんです」
「それ、さっきのボンボンウッドの実。そうか、チョコレートの果肉で出来たウィスキーボンボン! チョコのまろやかさで具材が包み込まれ、一気に調和したのか!」
「この実は、俺たち兄妹の思い出の食べ物なんです」
……二人の脳裏には父親との思い出の日々。料理をしているところを見せてもらったり、ボンボンウッドの実を一緒に食べたり、綺麗な景色を見に行ったり――二人は本当に父親の事が大好きだったのだ。
「確かに……。親父はお客さんが笑顔になるのを嬉しそうに見てたっス」
「調理器具もこれだけ手入れが行き届いてますし、素晴らしい料理人だったんですね」
「どれもこれも大切にされてて……――あっ」
「どうした?」
飾るように置いていある調理器具を見渡すと、私は例の立て掛けてある柄が長くて先の刃は普通の包丁を見つけた。それに声を上げるとトリコは不思議そうに言う。
「前に見たときも思ったんですが、なんか変わった包丁だなぁって」
「僕もそう思いました。なんて言うんですか?」
「あっ、それは――」
「高枝斬り包丁」
私が包丁を手に取ると小松さんも同意見だ。クミンさんが答えようとしたら、サフラちゃんが代わりに答えてくれた。けど、サフラちゃんは私の手から取ってしばし包丁を眺め、何故か持ったまま店を飛び出して行った。
不思議に思った私たちは追いかけて店を出ると、グルメビーチの裏の丘にある大きな木の下にサフラちゃんがいた。
「サフラ! ――っ!」
……クミンは顔を上げて木の実を見つめると、幼い頃に自分たち兄妹と父親で過ごした日を思い出して涙を浮かべる。自分たちが実を指差して、父親が高枝斬り包丁を使って採ってくれたのだ。
「子供の頃、よく父さんに食べさせてもらったよな」
「ああ。いつも楽しみにしてたっけ……」
「ん」
サフラちゃんが高枝斬り包丁を手渡すと、クミンさんは二つの実の皮を枝に付けたまま器用に剥いた。
☆☆☆☆☆
日が沈んで夜になる頃、クミンさんが最後のカレーをかけると、カツの隙間が光ってカレー全体を輝かせた。
「ガツカツカレー、完成っス!」
「うっひょー! 具材たっぷりのカレーに、香ばしく光り輝くカツ、ボリューム満点! うまそー!」
カレーが完成したので私と小松さんも水着に戻り、カウンターに座ってトリコと同じようにガツカツカレーをもらった。
「じゃ、いいか? この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます!」
「「「「「いただきます!」」」」」
カツと一緒にひと口カレーを食べた途端……汗がドッと出てきた。熱いからだけでなくカレーの辛さから出た汗だ。
(なんて濃厚で深い味わいのカレーだ! 肉と魚介、野菜のうまみが、ルゥと一体になって口の中でダンスを踊るみてぇに駆け巡る! そしてこの、ウォータイガーのカツ! 口の中でサッと一瞬で溶けながらも、ジューシーな肉汁が溢れ出てる!)
「飲み込んでもカレーの味が口の中に広がり続けて、まろやかな風味が心地良いです~!」
「ハリセンカのポテトスナックもカリカリでカレーに超合うし!」
「全ての具材が調和しているから、ルゥのパンチに負けるどころか一体になってる!」
「ガツカツカレー、復活の瞬間です!」
〈クルクルクポー!〉
〈ユユユユユーユン!〉
小松さんもリンちゃんも私もカレーの味に感動し、ティナさんはカメラにしっかり撮っている。
「このカレー、先代のよりもうまくねぇか?」
「ああ! 味の深みがハンパねぇ!」
「ん~! てんこもりおいしい~!」
毎年の常連であるトムさんとトリコが絶賛して、ティナさんも食べた途端に一段と嬉しそうな顔をしている!
「そういえば、サフラ」
「ん?」
「お前、タピオ貝を捕りにずいぶん深くまで潜っていたよな。そのおかげで親父さんが捕っていたのよりデカくてうまい貝が捕れた。だからこれだけの味わいがうまれたんだな」
サフラちゃんが一生懸命捕ってきた食材を、クミンさんが今までの修業の成果で調理してくれたおかげで、こんなにおいしいカレーができたんだね!
「仕上げにこの実も使ってみたんです」
「それ、さっきのボンボンウッドの実。そうか、チョコレートの果肉で出来たウィスキーボンボン! チョコのまろやかさで具材が包み込まれ、一気に調和したのか!」
「この実は、俺たち兄妹の思い出の食べ物なんです」
……二人の脳裏には父親との思い出の日々。料理をしているところを見せてもらったり、ボンボンウッドの実を一緒に食べたり、綺麗な景色を見に行ったり――二人は本当に父親の事が大好きだったのだ。