父を超えろ! 真夏のガツガツカレー!
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「それで、店は俺と妹のサフラで継ぎました。俺が料理人、サフラが美食屋になって……」
「兄妹でコンビを組んだってわけか」
「ええ……」
長年一緒の家族なら確かにコンビの相性はバッチリだろうな。
「で、サフラの奴、カレーの具材を捕りに行ったまま帰って来ないっス。もう二日になるのに! 『親父のカレーを復活させよう』って、あいつ躍起になってたから心配で……」
「カレーを復活?」
「このままでは…親父のカレーを……作れないんス!」
「まさか、ルゥがなくなったのか!?」
「いえ、ルゥはあります……」
ティナさんとトリコの問いかけに答えたクミンさんは、石の鍋のフタを開けた。満杯とは言えないけどかなりの量が中にある。
「それは……?」
「カレー彗星のルゥっス……」
カレー彗星は99年に一度、地球にやって来ると言われている伝説の彗星。宇宙の真空状態で長い年掛けて月深みを増したその味は、天文学的にうまいと言われているらしい。
クミンさんたちのお父さんは地上に落ちたカレー彗星を捕獲して、中に詰まっていたルゥを彗星の石で加工した鍋に煮込んで注ぎ足し注ぎ足し、店をやってきたようだ。
「ルゥあるならそれ使えばいいし?」
「このカレーは特殊調理食材……」
「えっ!」
「特殊調理食材……!」
宇宙から来た食材だから当たり前かもしれないけど、こんなスゴい食材が屋台として毎年出てたなんて、クミンさんのお父さんはスゴい料理人なんだ。
「そこらの具材じゃパンチがあるルゥの味に負けちまう。俺も相当努力してみたっス!」
「待て待て! お前、親父さんを手伝ってたじゃねぇか!」
「いや……修業中の俺はお冷を出したりカレーをよそうのが仕事で、親父はレシピを全く教えてくれなかったし、自分が苦労して作ったレシピはいくら息子でも教えられないってことでしょう!? ヒドい親父っス!」
お父さんを罵倒して再び涙を流すクミンさん……。でも、小松さんと私はそうは思わなかった。
「そんなことないと思います」
「えっ?」
「そこの調理道具は、お父さんが使っていたモノだよね?」
「ええ……」
「道具を見ればわかります。とてもよく手入れが行き届いているし、きっと素晴らしい人だったと思います」
「レシピを教えなかったのは、何か理由があったんじゃないかな?」
「あんな親父に理由なんてないっスよ!」
ありえないと叫ぶクミンさん。でも私は奥に立て掛けてある、長い柄の割には先の刃が普通サイズの包丁という、不思議な料理道具を見つけた。でも今まで見たことがなかったので隣にいる小松さんに小声で話しかける。
「小松さん。あの奥にある長い包丁、知ってる?」
「いえ……初めて見ます」
小松さんも初見みたい。この屋台にあるってことは、あれもカレー作りに必要な調理道具なのかな?
「それより妹を! サフラを見つけてください! どうか、お願いします!」
「わかった。サフラは任せろ。いや、サフラだけじゃねぇ。ついでにカレーの食材も捕獲して来てやる」
「えっ……」
「だからクミン、うまいカレーを食わせてくれ。お前は調理の準備を頼む!」
「トリコさん……!」
「――ってことなら、足が必要だな」
「「「「「!」」」」」
懐かしい声に振り向けば、卸売商のトムさんがいた。トリコと小松さんと一緒に行動して以来会うことが少なくなったから、ずいぶん久しぶりで思わず声を上げる。
「トムさん!」
「昼メシと思ったらまさかの閉店だ。こりゃひと肌脱ぐしかねぇだろ!」
ティナさんはクミンさんが心配なので残るみたい。というわけで私たちはまずパートナーアニマルの元へ行った。
――人がいない海岸に行けば、サンとウォーとフィルがテリーとオブと仲良く遊んでいた。
「うわー! ライトニングフェニックスじゃないですか! それに凶暴と言われている捕獲レベル47のアーマーガララ!? それに、グルメ界に生息していると言われているスカイディアまで!」
「あっ、そうか。小松さんはサン以外と会うの初めてだっけ」
私は小松さんにもリンちゃんと同じように説明をした。そしてみんなに事情を話したら、テリーは船に乗り、フィルはサンに乗って付いて来るみたい。だけどオブとウォーは泳ぎに夢中になっている。
「なんか泳ぎにドハマりしてるし」
「オブとウォーは置いてくか」
「楽しんでね~」
〈バルゴア!〉
〈ギュアア!〉
それにしても仲良くなっているな。二人で並んで泳いで行っちゃったよ。
「兄妹でコンビを組んだってわけか」
「ええ……」
長年一緒の家族なら確かにコンビの相性はバッチリだろうな。
「で、サフラの奴、カレーの具材を捕りに行ったまま帰って来ないっス。もう二日になるのに! 『親父のカレーを復活させよう』って、あいつ躍起になってたから心配で……」
「カレーを復活?」
「このままでは…親父のカレーを……作れないんス!」
「まさか、ルゥがなくなったのか!?」
「いえ、ルゥはあります……」
ティナさんとトリコの問いかけに答えたクミンさんは、石の鍋のフタを開けた。満杯とは言えないけどかなりの量が中にある。
「それは……?」
「カレー彗星のルゥっス……」
カレー彗星は99年に一度、地球にやって来ると言われている伝説の彗星。宇宙の真空状態で長い年掛けて月深みを増したその味は、天文学的にうまいと言われているらしい。
クミンさんたちのお父さんは地上に落ちたカレー彗星を捕獲して、中に詰まっていたルゥを彗星の石で加工した鍋に煮込んで注ぎ足し注ぎ足し、店をやってきたようだ。
「ルゥあるならそれ使えばいいし?」
「このカレーは特殊調理食材……」
「えっ!」
「特殊調理食材……!」
宇宙から来た食材だから当たり前かもしれないけど、こんなスゴい食材が屋台として毎年出てたなんて、クミンさんのお父さんはスゴい料理人なんだ。
「そこらの具材じゃパンチがあるルゥの味に負けちまう。俺も相当努力してみたっス!」
「待て待て! お前、親父さんを手伝ってたじゃねぇか!」
「いや……修業中の俺はお冷を出したりカレーをよそうのが仕事で、親父はレシピを全く教えてくれなかったし、自分が苦労して作ったレシピはいくら息子でも教えられないってことでしょう!? ヒドい親父っス!」
お父さんを罵倒して再び涙を流すクミンさん……。でも、小松さんと私はそうは思わなかった。
「そんなことないと思います」
「えっ?」
「そこの調理道具は、お父さんが使っていたモノだよね?」
「ええ……」
「道具を見ればわかります。とてもよく手入れが行き届いているし、きっと素晴らしい人だったと思います」
「レシピを教えなかったのは、何か理由があったんじゃないかな?」
「あんな親父に理由なんてないっスよ!」
ありえないと叫ぶクミンさん。でも私は奥に立て掛けてある、長い柄の割には先の刃が普通サイズの包丁という、不思議な料理道具を見つけた。でも今まで見たことがなかったので隣にいる小松さんに小声で話しかける。
「小松さん。あの奥にある長い包丁、知ってる?」
「いえ……初めて見ます」
小松さんも初見みたい。この屋台にあるってことは、あれもカレー作りに必要な調理道具なのかな?
「それより妹を! サフラを見つけてください! どうか、お願いします!」
「わかった。サフラは任せろ。いや、サフラだけじゃねぇ。ついでにカレーの食材も捕獲して来てやる」
「えっ……」
「だからクミン、うまいカレーを食わせてくれ。お前は調理の準備を頼む!」
「トリコさん……!」
「――ってことなら、足が必要だな」
「「「「「!」」」」」
懐かしい声に振り向けば、卸売商のトムさんがいた。トリコと小松さんと一緒に行動して以来会うことが少なくなったから、ずいぶん久しぶりで思わず声を上げる。
「トムさん!」
「昼メシと思ったらまさかの閉店だ。こりゃひと肌脱ぐしかねぇだろ!」
ティナさんはクミンさんが心配なので残るみたい。というわけで私たちはまずパートナーアニマルの元へ行った。
――人がいない海岸に行けば、サンとウォーとフィルがテリーとオブと仲良く遊んでいた。
「うわー! ライトニングフェニックスじゃないですか! それに凶暴と言われている捕獲レベル47のアーマーガララ!? それに、グルメ界に生息していると言われているスカイディアまで!」
「あっ、そうか。小松さんはサン以外と会うの初めてだっけ」
私は小松さんにもリンちゃんと同じように説明をした。そしてみんなに事情を話したら、テリーは船に乗り、フィルはサンに乗って付いて来るみたい。だけどオブとウォーは泳ぎに夢中になっている。
「なんか泳ぎにドハマりしてるし」
「オブとウォーは置いてくか」
「楽しんでね~」
〈バルゴア!〉
〈ギュアア!〉
それにしても仲良くなっているな。二人で並んで泳いで行っちゃったよ。