父を超えろ! 真夏のガツガツカレー!

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そのおかげで男性たちはいなくなり、私は二人に向けて礼を言う。


「リンちゃん、トリコ、ありがとう」

「ウチこそごめんね。トリコを見つけた嬉しさで瑞貴を置いて行っちゃったし」


……両手を合わせてペコペコと謝罪するリンとそれを許す瑞貴の傍らで、小松とトリコは瑞貴の水着姿に見惚れていた。


「わ~……。瑞貴さんの水着姿、とっても可愛い……」

「ドレスのときといい、あいつが意外とギャップの塊だな……」

〈ユユユユン!〉


……そんな会話をしていると露知らず、リンとの会話が一段落した瑞貴は改めてトリコたちと向き直る。


「誘っても来ねぇと思ったら、リンと来てたのか」

「リンちゃんとの約束が先だったからね。でもトリコと小松さんとここで会うなんて思わなかったよ」

〈ユンユン!〉

「ユンちゃんも久しぶり! 元気だった?」

〈ユユユユン!〉


久しぶりのユンちゃんはやっぱり可愛い! カメラがあったら写真にして残したいくらいだよ!


「ユンちゃんがいるってことは、テリーやオブも来てるの?」

「ああ。人のいない海岸で海水浴を楽しんでいるとこだ」

「私の仲間もそうだよ。もしかしたら会っているかもね」


……サンとウォーとフィルは、テリーとオブと鉢合わせした。お互いの主人のことを知っているとわかると意気投合していることは、このとき瑞貴たちには知る由もない。


「それにしてもお前、そんな水着持ってたか?」

「こ、これはリンちゃんが……」

「ウチが見立てたんだし! よく似合ってるのに、瑞貴は結構渋ってたんだし」

「だってこんな水着、今まで来たことがなかったもん!」

「ででででも、スッゴく似合ってますよ!」

「ありがとう、小松さん」

「腹周りの肉は大丈夫か?」

「あんたは毎度毎度ひと言余計!」


自分は素晴らしい筋肉でできた肉体美だからってチョーシに乗って!


「トリコさん、どうして素直に褒めれないんですか? さっきは――ムググッ!」

「小松さん!?」

「なんでもねぇよ。さっ、屋台を見て回ろうぜ」

「はーい!」


突然トリコが小松さんの口を大きな手で塞ぎ、そのまま連行したのでリンちゃんは付いて行く。どうしたのかと私とユンちゃんは顔を見合わせて首を傾げた。


(ホント……毎度ながら本人を前に素直に褒めれねぇ俺はガキかってんだ)


……トリコは自覚はあるものの、いざとなったら憎まれ口しか出ない自分にもどかしさを感じるのだった。


「らっしゃいらっしゃい! おいしい野菜バーだよ!」


さっそくやって来た屋台はスイカの形をして、中にはいろんな野菜や果物が置いてある。


「ここは新鮮な野菜や果物を食わせてくれる店なんだ」

「へ~」

「どれも張りもツヤもあっておいしそ~!」

「さあ、何もぎりましょう?」

「そうだな……おっ! メロディキュウリじゃねぇか! オヤジ、いただくぜ!」

「あいよ!」


店主から私たち一人一人にキュウリを丸々一本もらった。どうやらこれはそのまま食べられるらしい。


♪ド♪


「「「〈えっ/ユン?〉」」」


先にかじったトリコのキュウリから音が聞こえてきたので、私たちは思わずトリコに顔を向ける。


「こいつはかじると、いい音がするんだ」


♪ド、レ、ミ、ファ、ソ♪


リンちゃん、トリコ、小松さん、私、ユンちゃんの順で一口ずつ食べたら軽快な音が聞こえた。中も種を中心に音符が描かれていて可愛い。


「楽しいですね~!」

「メロンみたいで甘くておいしいし!」

〈ユーユン!〉


明るく弾けるような音と共に食べられるなんて面白い! それにこの店の保管方法が良いおかげもあるんだろうなぁ。

次に私たちが来たのはラーメン屋だ。小松さんが海に来たらラーメンは外せないらしい。


「やっぱり海と言ったらラーメン!」

「新鮮なのが入ってるよ」

「えっ? 新鮮なラーメンって?」

「こいつらのことさ」

「あっ! ラーメンタコだし!」


店主のうしろにある大きな水槽の中には、ラーメンの器を逆さにしてタコの足が出ている、ラーメンタコだ。


「ほい、お待ち!」

「おおー! 本当だ! 見た目、ラーメン!」


器に飛び出ている八本のタコ足の中心にはラーメンがちゃんとできてある。小松さんは感心しているけど、見た目はスゴいことになっているな。


「う~ん! この食感がたまらねぇ!」

「僕たちも食べましょう!」

「あっ、うん」


タコ足と一緒に麺をすすって食べるらしい。トリコに引き続いて私たちも食べてみると……茹でタコの食感と麺の柔らかさが相まって不思議な味だった。
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