明かされる真実! 小松の意志と謎の生物の正体!
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……来たときと同様にペンションハウスのリフトハウスで帰ることになり、さっそくソファで寝転がって眠っている瑞貴にトリコが毛布を掛けてあげた。
「スー……スー……」
「やっぱり、まだ回復しきってなかったようですね」
「瑞貴のグルメ細胞は『瑞貴自身を守る』ためにできたものだ。俺らのように進化しねぇ分、回復力も違うんだろ。寝かせといてやろうぜ」
「はい」
その向かいのソファに二人は並んで座った。トリコは骨付き肉を食べながら隣で例のレシピ本を読んでいる小松に顔を向ける。
「ん? その本、持って来たのかよ?」
「はい、研究してみようと思って。村で瑞貴さんとも共感してたんですけど、この本を見つけたのって何か運命を感じるんです。――料理人としての」
「…………!」
「これは、古代の人が残した食の遺産……きっとこの古い本から新しい発見や知識を得ることができると思うです。温故知新って奴ですよ。きっとこの本は、グルメ時代の発展に繋がると思うんです」
「……なるほどな」
ガッ!
「ん?」
するとうしろから頭をわしづかみにされたのでトリコは振り向くと、ニヤリと笑っているゼブラがそこにいた。
「暇だなぁ……ケンカしようぜ!」
「だから、嫌だっつーの! つか暇って、出発して30分も経ってねぇだろ!」
「ああ? なんだ、ケンカ売ってんのかてめぇ!」
「ケンカ売ってんのはお前だろ!」
「31分経ったぞ、ゴラアッ!」
「30分と何が違うんだよ!」
また二人が言い合いを始めたので、小松は静かに窓辺に避難すると溜息を吐いた。ケンカを撃ってくるのはゼブラとはいえ、トリコもゼブラが相手だとケンカっ早くなるらしい。
「ハァ……これがまた一ヶ月続くのか……」
キラッ――……!
「ん? わあ……っ!」
夕日が差し込んだので窓の外を見れば、夕日の光を浴びた砂漠が輝いていた。最初に訪れた町もヤマタノサソリの脅威がなくなったおかげで活気が戻っている。
「ありがとう、グルメピラミッド……! バイバイ、サンドガーデン……!」
今回も貴重な体験ができたので、小松は心からの感謝を告げた。しかし――。
「あんだとコラッ!」
「何も間違ったこと言ってねぇだろ!」
ドタンッ! バタンッ!
「…………」
穏やかな景色とは反対に、背後に聞こえてくる取っ組み合いで雰囲気が台無しである。
だけど小松にはとっておきの切り札があるので、コホンと一つ咳払いをすると思いっきり叫んだ。
「お二人共ー! 瑞貴さんが起きてしまいますよー!」
ピタリッ。
「ホントに止まった!?」
半信半疑の切り札でもあったが、トリコとゼブラはケンカの動きを止めた。それに一番驚いたのは叫んだ本人の小松だ。
次いでトリコとゼブラは眠っている瑞貴に顔を向けたが、幸い聞こえていなかったのか気持ち良さそうに眠っている。
「スー……スー……」
「フゥ。なんとか起きなかったようだな」
「フンッ。瑞貴のくせにチョーシに乗ってやがる」
口ではそう言うも、ゼブラの瑞貴を見る眼差しが今まで見たことがないほど優しいので、トリコは真剣な表情で思い切って聞いてみた。
「ゼブラ、お前もしかして瑞貴に惚れてんのか?」
「なんだ、今頃気づいたのか」
…………。
「なっ――」
「えー! 瑞貴さんにー!?」
「「シィー!」」
「あぐっ!」
トリコ以上に小松が大声で驚いたので、トリコとゼブラは静かにするように口元に人差し指を自分の口に当てると、小松は慌てて両手で自分の口を塞いだ。