「み、瑞貴！」

「瑞貴さん！」


それを確認した三人はすぐに瑞貴の元へ向かった。彼女は痛む体に耐えながらゆっくりと目を見開く。


「大丈夫か、瑞貴!?」

「ウッ……」

「瑞貴さん！」

「ト…トリコ……小松さん……ゼブラさん……」


……すると瑞貴の体に何かが守るように纏っているのをトリコは見えた。


「っ！」

「念のため、サラマンダーなんとかとやり合うとき、前より強力なサウンドアーマーを纏わせてたのが功を奏したようだ。それでもあの強力な一撃……ホントに死んじまったかと思ったぜ、小娘！」

「ゼ…ゼブラさん……あ…ありがとうございます……」


なんて縁起でもないことを言うんだ、こいつは。まあでも、危なかったのは事実だね。いろんな意味で。


「瑞貴！」

「わみゃ!?　ちょっ、トリコ!?」


突然トリコが私を抱きしめてきた。飛びつくような感じだったけど、目を覚ましたばかりだからか、その腕の力は優しい。


「俺、本当にダメかと思ったんだぞ……。お前がやられた姿を目にしたとき、心臓が止まるかと思った……！」

「うん、ごめんね。それとありがとう」


私はポンポンと肩を叩くと、トリコが体を離してくれた。


「ゼブラさんも私を守ってくれてありがとうございます。それに、あの鳥人間を倒してくれて」

「フンッ、約束だからな」

「はい！」


ゼブラは本当に義理堅い一面がある。本当の悪人なら口約束なんてどうとでもできるからね。


「瑞貴、小松にも感謝しろよ。お前を守ろうと覚悟を決め、万が一の攻撃からかばうために前に出たんだからな」

「えっ！」

「小松さん、私を守ってくれてありがとう。トリコやゼブラさんだけでなく、小松さんもいたから私は無事なんだね」

「そ、そんな、僕は無我夢中で……」


照れるように顔を赤くして頬をかく小松さん。本当は怖かっただろうに、身を挺してくれるなんて……初めて会った頃より心が強くなっている。


「あっ、そうだ！　イテテ……」

「瑞貴さん！　ムリに体を起こさないでください！」

「だ、大丈夫。それより、メロウコーラは……？」

「あっ！」

｢｢！｣｣


小松さんに支えてもらいながら私がそう尋ねると、目を見開いたトリコとゼブラの体勢が崩れた。