封印された声! 異空間グルメピラミッド!
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……その一方で、トリコは通路の壁を軽く叩いて手に移った匂いを嗅いでる。
「よく見ると珍しい石だな。スンスン……かすかにリン酸の匂い……あと、初めて嗅ぐ匂いだな」
ゼブラが通路の出口に進んだのでトリコも進み、そこを出ると今までよりさらに不思議な場所に到着した。
「な、なんだここは!?」
またもや通路や階段がたくさんあるが、今までと違って壁の一部が飛び出たり、石段や床が動いたり、下は床が見えないほど深い。
「わけわかんねぇとこに出ちまったな……この部屋はいったいなんなんだ?」
驚くトリコを余所にゼブラは動く床に移動して迷いもなく進んで行く。トリコも逸れないようにするためあとを追った。
「ホントにゼブラがいて助かったぜ。この迷宮はお前の能力がなきゃムリだ。――ん?」
「…………」
(ゼブラ……かなり疲労してるな。瑞貴と小松が流砂に引き込まれてからずっと反響マップを開いたまま――つまり、常に超音波を発し続けている状態……)
通常人が5分間歌い続けると、およそ10キロカロリーの熱量を消費する。だが反響マップは最大の70キロメートルまで範囲を広げた場合、5分間で6万キロカロリーも要する。
反響マップを発動してから、すでに五時間――360万キロカロリーは消費している。小松のような普通の人間で例えれば、およそ四年分のエネルギーを使い切ったことになる。
「ケホッ……」
(圧倒的な体力と強靭な喉を誇るゼブラですら、もはやマップを維持するには困難なほど声を酷使してきたか……!)
ゼブラが次の段差に乗ると、行き止まりだと思っていた立方体の石壁が勝手に動いて通路があった。その奥の石壁もどんどん動いて一本道の通路となったが奥から声が聞こえる。
〈〈〈ヴヴヴヴ……〉〉〉
「ゼブラ! ――ん!?」
同じく石段に飛び移ったトリコが顔をしかめると、奥から捕獲レベル63の哺乳獣類・ユニコーンケルベロスが現れた。
〈〈〈ヴオオオオ!!〉〉〉
「っ、ここは俺が!」
ゼブラは喉を消費しているためトリコは単身で戦おうとした。しかし三つの首を持つユニコーンケルベロスはそれぞれのツノでトリコに攻撃する。まるで三体を相手している気分になる。
「こいつはヤベェ!」
〈〈〈ヴオオォォオオオ!!〉〉〉
「フォークシールド!!」
トリコは真ん中のユニコーンケルベロスの攻撃を塞ぎ、怯んだ隙に懐へ飛び込む。
「うおおぉぉおおお!! 15連釘パンチ!!」
真ん中の首は倒したが残り二つの首が動いている。向かって右のユニコーンケルベロスの首がトリコに襲いかかって来た。