警報発令! ゼブラ、サンドガーデンに到着!
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それから食べ終わったので、トリコがグラスを置いて店主さんに尋ねる。
「なあ、旅の装備を整えたいんだが、店が全く見当たらないんだよ」
「ああ……観光客がすっかり減っちまってな。みんな、店を畳んじまったんだ」
「「えっ?」」
「おっと、湿っぽい話になっていけねぇや」
私も小松さんも話の内容が気になるけど、表情からして触れられたくないことなのだろう。それに私たちは店主さんから見たら観光客だからサンドガーデンに悪印象を与えないようにしているかもしれない。
「そうだ、ある程度の装備なら俺がそろえてやれるぜ」
「ホントかよ!?」
「任しとけって!」
優しい店主さんでよかった。それから店主さんは私たちにまずは着替えを用意してくれた。トリコはターバンとマントだけもらい、私と小松さんはターバンとマントの他に中の服も替えている。
本当は私には必要ないんだけど、TPOって大事だし民族衣装みたいで楽しいよね。ちなみにアイスヘルのライタースーツは全身タイツだから苦手。それに盗聴器もあったことを知れば着なくて心底よかった。
「うわっ、なんか本格的! てか、だいぶ涼しくなったんですけど」
「ターバンとマントは日除けになるだけじゃねぇぞ。0度近くになる夜の砂漠では、ちょっとした防寒着にもなるんだ」
「へぇ~」
「ねぇねぇ、小松さん。一枚写真撮ってくれる?」
「ああ、はい。わかりました」
私が携帯を取り出すと小松さんが快く写真を撮ってくれた。そのあと店主さんがカメラマンになって三人の写真も撮ってくれたので、いい記念になったよ。とりあえず、せっかくだから『あの人』に写メを送ろっと。
☆☆☆☆☆
……ワールドコネクトを走るグルメ馬車では、ココとサニーが束の間のバカンスを楽しんでいた。
♪ピリリリリ、ピリリリリ♪
「ん? 瑞貴ちゃんからメールだ。サンドガーデンに着いたって」
「あいつら、もうゼブラを迎えに行ったんだろ? てか、ンでココにメールすんだし。するなら俺のにしろよな」
「写真も添付して……――っ!」
「どした?」
突然口元を押さえたココにサニーが尋ねると、ココが黙って携帯を見せた。そこにはサンドガーデンの衣装を着た瑞貴の写メで、下には『ココさんとおそろいです!』と書かれてある。
「砂漠の衣装を着る瑞貴も確かに可愛いが……ココとおそろいとかキショいし複雑だし!」
「な、なんてストレートな……」
嫉妬しているサニーに言葉を投げかけられたココは沈む。
しかし瑞貴が自分とおそろいと思ってくれたのが嬉しかったのか、その頬は赤く口元は緩んでいた。その姿にまたサニーに「キショ!」と言われたのは言うまでもない。
☆☆☆☆☆
「あと用意できたのは、こんなモンだ」
店主さんがいろいろテーブルに並べたのを示す。ナイフや爆弾やロープに混じって、大きく口を開けてフォークとナイフを持つ変わった機械があった。小松さんも気になったようで手に取る。
「これは……?」
「そいつは『ペロット』ってんだよ」
「そういえば、町のあちこちにこれと同じ形の石造がありますよね」
「ペロットは食のお守りだからな。持ってりゃ広い砂漠も迷わず進める……って、言い伝えがある」
「へぇ……」
言い伝えって、つまり本当かどうかは店主さんにはわからないってことじゃん。でも、御守りなら持っていても損じゃないね。
「小松、そいつももらってくか?」
「はい!」
「おい、銃や刀はいいのかよ? 武器も持たずに砂漠に行くなんざ、無謀の極致だぜ。女の子が行くとなれば尚更だ」
「ああ。そういうのは必要ねぇんだ」
「私も、自分の武器を持ってますから」
「おおっ、なるほどな」
ブレスレットを薙刀にして見せれば、店主さんは納得したように頷いた。トリコたちは体が武器のようなものだから大丈夫だろう。
「それより、砂漠を行く足は?」
「すまねぇ、乗り物は用意できなかった。ここから北に5キロほど行くと、もう一つ町がある。そこなら手に入るかもしれねぇ」
「そっか。んじゃ、そこに行ってみるよ。いろいろとありがとな」
「お世話になりました」
「砂氷もとてもおいしかったです」
「気をつけて行きなよ」
「「はい!」」
最後まで私たちの心配をしてくれた店主さんにトリコは礼を言い、私は薙刀をブレスレットに戻して小松さんと一緒にお辞儀をしたあと元気よく返事をした。
「なあ、旅の装備を整えたいんだが、店が全く見当たらないんだよ」
「ああ……観光客がすっかり減っちまってな。みんな、店を畳んじまったんだ」
「「えっ?」」
「おっと、湿っぽい話になっていけねぇや」
私も小松さんも話の内容が気になるけど、表情からして触れられたくないことなのだろう。それに私たちは店主さんから見たら観光客だからサンドガーデンに悪印象を与えないようにしているかもしれない。
「そうだ、ある程度の装備なら俺がそろえてやれるぜ」
「ホントかよ!?」
「任しとけって!」
優しい店主さんでよかった。それから店主さんは私たちにまずは着替えを用意してくれた。トリコはターバンとマントだけもらい、私と小松さんはターバンとマントの他に中の服も替えている。
本当は私には必要ないんだけど、TPOって大事だし民族衣装みたいで楽しいよね。ちなみにアイスヘルのライタースーツは全身タイツだから苦手。それに盗聴器もあったことを知れば着なくて心底よかった。
「うわっ、なんか本格的! てか、だいぶ涼しくなったんですけど」
「ターバンとマントは日除けになるだけじゃねぇぞ。0度近くになる夜の砂漠では、ちょっとした防寒着にもなるんだ」
「へぇ~」
「ねぇねぇ、小松さん。一枚写真撮ってくれる?」
「ああ、はい。わかりました」
私が携帯を取り出すと小松さんが快く写真を撮ってくれた。そのあと店主さんがカメラマンになって三人の写真も撮ってくれたので、いい記念になったよ。とりあえず、せっかくだから『あの人』に写メを送ろっと。
☆☆☆☆☆
……ワールドコネクトを走るグルメ馬車では、ココとサニーが束の間のバカンスを楽しんでいた。
♪ピリリリリ、ピリリリリ♪
「ん? 瑞貴ちゃんからメールだ。サンドガーデンに着いたって」
「あいつら、もうゼブラを迎えに行ったんだろ? てか、ンでココにメールすんだし。するなら俺のにしろよな」
「写真も添付して……――っ!」
「どした?」
突然口元を押さえたココにサニーが尋ねると、ココが黙って携帯を見せた。そこにはサンドガーデンの衣装を着た瑞貴の写メで、下には『ココさんとおそろいです!』と書かれてある。
「砂漠の衣装を着る瑞貴も確かに可愛いが……ココとおそろいとかキショいし複雑だし!」
「な、なんてストレートな……」
嫉妬しているサニーに言葉を投げかけられたココは沈む。
しかし瑞貴が自分とおそろいと思ってくれたのが嬉しかったのか、その頬は赤く口元は緩んでいた。その姿にまたサニーに「キショ!」と言われたのは言うまでもない。
☆☆☆☆☆
「あと用意できたのは、こんなモンだ」
店主さんがいろいろテーブルに並べたのを示す。ナイフや爆弾やロープに混じって、大きく口を開けてフォークとナイフを持つ変わった機械があった。小松さんも気になったようで手に取る。
「これは……?」
「そいつは『ペロット』ってんだよ」
「そういえば、町のあちこちにこれと同じ形の石造がありますよね」
「ペロットは食のお守りだからな。持ってりゃ広い砂漠も迷わず進める……って、言い伝えがある」
「へぇ……」
言い伝えって、つまり本当かどうかは店主さんにはわからないってことじゃん。でも、御守りなら持っていても損じゃないね。
「小松、そいつももらってくか?」
「はい!」
「おい、銃や刀はいいのかよ? 武器も持たずに砂漠に行くなんざ、無謀の極致だぜ。女の子が行くとなれば尚更だ」
「ああ。そういうのは必要ねぇんだ」
「私も、自分の武器を持ってますから」
「おおっ、なるほどな」
ブレスレットを薙刀にして見せれば、店主さんは納得したように頷いた。トリコたちは体が武器のようなものだから大丈夫だろう。
「それより、砂漠を行く足は?」
「すまねぇ、乗り物は用意できなかった。ここから北に5キロほど行くと、もう一つ町がある。そこなら手に入るかもしれねぇ」
「そっか。んじゃ、そこに行ってみるよ。いろいろとありがとな」
「お世話になりました」
「砂氷もとてもおいしかったです」
「気をつけて行きなよ」
「「はい!」」
最後まで私たちの心配をしてくれた店主さんにトリコは礼を言い、私は薙刀をブレスレットに戻して小松さんと一緒にお辞儀をしたあと元気よく返事をした。