警報発令! ゼブラ、サンドガーデンに到着!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(終わった……僕、ただでさえ調子に乗ってると思われているし……)
小松さんってば、そんな暗い顔するくらいなら言わなきゃいいのに。でも身の危険がわかっていながら正直に言う小松さんは本当に尊敬する。
「小松……――俺もそう思うぜ」
「えっ?」
「トリコさん!?」
まさかのことを言うトリコに正直驚いたし、それは小松さんも同じだ。それなのに出所をお願いしたの?
「でもま、グルメピラミッドではどうしてもあいつの力が必要なんだ」
「えっ……?」
「ここはお互い持ちつ持たれつ」
「で、でも……。瑞貴さんはどうなんですか?」
「私? 私は……人のこと言えないからかな」
「えっ?」
「…………」
ゼブラが危険生物だっていうなら四神を抱えている私のほうがもっと危険生物だ。トリコは青龍と白虎を見たことがあるから私の言っている意味がわかっているんだろう。もし本気で四神を全て開放してしまったら、この星がどうなるかわからない。
「それにな、ゼブラの存在が必ずしもこの世の全てに悪影響を及ぼすわけじゃねぇ」
「えっ?」
トリコがさり気に話題を変えてくれた。二十六種も生物を絶滅させてもゼブラが全ての悪影響じゃないとは、何か理由があるのかな?
「早くうまい砂料理食わせろ、ゴラアッ!」
「は、はいぃ!」
いや、人間としては危険な気がする。完璧不良だからな。
――ゼブラは聞いた砂料理の店に行ったらしく、私たちは私たちで行動することにした。町中を歩けばギラギラとした太陽の日差しが暑さを示し、小松さんも汗が出ている。
「あちぃ……。こういうとき、瑞貴さんの体質がうらやましいです……」
「アハハッ、そりゃどうも。トリコ、いったいどこへ向かってるの?」
「とりあえず砂漠に行くために装備を整えたいんだが……ここは大通りだから露店が立ち並んでいてもおかしくねぇんだけどな」
「確かに。人がいるんだし観光地なのに店がないなんておかしいね」
「あっ、トリコさん、瑞貴さん」
「「ん?」」
何かを見つけた小松さんが声を上げたので振り向くと、『砂氷』と暖簾に書いてあった露店を発見した。
「カキ氷ですよ!」
「でも、『砂』って書いてるけど……」
「とりあえず行ってみるか。装備を売ってくれる店を知ってるかもしれねぇし」
満場一致で行くことにした。作業をしていた店主さんも私たちに気づいて顔を上げてくれる。
「ん? らっしゃいらっしゃい!」
「おっ、こいつは砂氷じゃねぇか!」
「えっ? 砂の氷?」
「ああ。炎天下でも溶けない砂氷さ」
「そんな氷もあるんだね~」
本当につくづく食が中心の不思議な世界だ。数年も生活しているけど全世界を回ったわけじゃないし、まだまだ知らないことがたくさんある。
「オヤジ、三つくれ」
「毎度!」
「ええっ!?」
「溶けないんじゃあ、食べられないじゃないですか!?」
「はい、お待たせ」
「いただきます! こいつは刺激を与えると溶けるんだ」
角砂糖みたいな形をした砂をグラスとスプーンで差し出された。トリコはそれを一つスプーンですくって食べると……。
「つまり噛み砕けばスッと溶けるってわけよ。冷たくてうめー!」
「「いただきます」」
店主さんが私たちのも用意してくれたので、私と小松さんは顔を見合わせるとグラスを取って食べる。
「わあっ、ホントだ!」
「何この爽やかな甘み! 砂なんて思えないよ!」
「氷砂糖みてぇに甘くてうまいだろ?」
あまりのおいしさに次々と口の中に入れると、冷たい物特有の刺激が頭にきた。
「う~ん! キーンときたぜー!」
「「んー!」」
「いい食べっぷりだねぇ。久しぶりだぜ、こんなに喜んでもらえるのはよ。嬉しいねぇ……」
私たちの姿を見て店主さんはなんか懐かしそうに、そして寂しそうに笑っていた。それに砂氷なんて名物にもなりそうなのに『久しぶり』ってどういうこと?
小松さんってば、そんな暗い顔するくらいなら言わなきゃいいのに。でも身の危険がわかっていながら正直に言う小松さんは本当に尊敬する。
「小松……――俺もそう思うぜ」
「えっ?」
「トリコさん!?」
まさかのことを言うトリコに正直驚いたし、それは小松さんも同じだ。それなのに出所をお願いしたの?
「でもま、グルメピラミッドではどうしてもあいつの力が必要なんだ」
「えっ……?」
「ここはお互い持ちつ持たれつ」
「で、でも……。瑞貴さんはどうなんですか?」
「私? 私は……人のこと言えないからかな」
「えっ?」
「…………」
ゼブラが危険生物だっていうなら四神を抱えている私のほうがもっと危険生物だ。トリコは青龍と白虎を見たことがあるから私の言っている意味がわかっているんだろう。もし本気で四神を全て開放してしまったら、この星がどうなるかわからない。
「それにな、ゼブラの存在が必ずしもこの世の全てに悪影響を及ぼすわけじゃねぇ」
「えっ?」
トリコがさり気に話題を変えてくれた。二十六種も生物を絶滅させてもゼブラが全ての悪影響じゃないとは、何か理由があるのかな?
「早くうまい砂料理食わせろ、ゴラアッ!」
「は、はいぃ!」
いや、人間としては危険な気がする。完璧不良だからな。
――ゼブラは聞いた砂料理の店に行ったらしく、私たちは私たちで行動することにした。町中を歩けばギラギラとした太陽の日差しが暑さを示し、小松さんも汗が出ている。
「あちぃ……。こういうとき、瑞貴さんの体質がうらやましいです……」
「アハハッ、そりゃどうも。トリコ、いったいどこへ向かってるの?」
「とりあえず砂漠に行くために装備を整えたいんだが……ここは大通りだから露店が立ち並んでいてもおかしくねぇんだけどな」
「確かに。人がいるんだし観光地なのに店がないなんておかしいね」
「あっ、トリコさん、瑞貴さん」
「「ん?」」
何かを見つけた小松さんが声を上げたので振り向くと、『砂氷』と暖簾に書いてあった露店を発見した。
「カキ氷ですよ!」
「でも、『砂』って書いてるけど……」
「とりあえず行ってみるか。装備を売ってくれる店を知ってるかもしれねぇし」
満場一致で行くことにした。作業をしていた店主さんも私たちに気づいて顔を上げてくれる。
「ん? らっしゃいらっしゃい!」
「おっ、こいつは砂氷じゃねぇか!」
「えっ? 砂の氷?」
「ああ。炎天下でも溶けない砂氷さ」
「そんな氷もあるんだね~」
本当につくづく食が中心の不思議な世界だ。数年も生活しているけど全世界を回ったわけじゃないし、まだまだ知らないことがたくさんある。
「オヤジ、三つくれ」
「毎度!」
「ええっ!?」
「溶けないんじゃあ、食べられないじゃないですか!?」
「はい、お待たせ」
「いただきます! こいつは刺激を与えると溶けるんだ」
角砂糖みたいな形をした砂をグラスとスプーンで差し出された。トリコはそれを一つスプーンですくって食べると……。
「つまり噛み砕けばスッと溶けるってわけよ。冷たくてうめー!」
「「いただきます」」
店主さんが私たちのも用意してくれたので、私と小松さんは顔を見合わせるとグラスを取って食べる。
「わあっ、ホントだ!」
「何この爽やかな甘み! 砂なんて思えないよ!」
「氷砂糖みてぇに甘くてうまいだろ?」
あまりのおいしさに次々と口の中に入れると、冷たい物特有の刺激が頭にきた。
「う~ん! キーンときたぜー!」
「「んー!」」
「いい食べっぷりだねぇ。久しぶりだぜ、こんなに喜んでもらえるのはよ。嬉しいねぇ……」
私たちの姿を見て店主さんはなんか懐かしそうに、そして寂しそうに笑っていた。それに砂氷なんて名物にもなりそうなのに『久しぶり』ってどういうこと?