警報発令! ゼブラ、サンドガーデンに到着!
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ゼブラがおかわりを要求したのでキッチンに行って冷蔵庫を開けば、今日の分の食事が肉の塊一個しかなかった。
「もうこんなに減っちゃった……出発してまだ三日なのに……」
「あと一ヶ月近く……食糧保(モ)つかな……?」
ハニープリズンの食欲を見て、リフトハウスに乗る前に大量に積んであったはずがスゴいペースでなくなっていく。食欲魔神が二人もいるとこうなるのか。
ガッ! ボカッ! ドガンッ!
「お前、それは俺が狙ってた肉だ!」
「ンなの知るか!」
ガシャンッ!
どうやら肉の取り合いでまたケンカになったらしくテーブルがキッチンにまで飛んできた。当然壁にぶつかってクレーターができる。
「食糧どころか、リフトハウスが保(モ)たないかも……」
「もうあいつら二人、サンドガーデンに着くまで凍らせておくか?」
「絶対ダメですからね!」
「じゃあ外に放り出して――」
「それもダメです!」
キレたあとだし、懲りない二人にイライラした私はもう一度ブレスレットを薙刀にしようとしたけど、小松さんに慌てて止められた。
ちなみに部屋が崩壊したため、今日から私は小松さんの部屋で寝ることになった。自分はトリコの部屋で寝ると譲ってくれたので……小松さん、ステキ! ありがとう!
☆☆☆☆☆☆
早くも一ヶ月近く経ち、リフトハウスは他のと同様にすっかりボロボロになった。守護結界が張っているとはいえ崩れないのが奇跡だよ。小松さんも同じ気持ちのようでホッとしている。
「もうすぐサンドガーデンに到着だ……」
「食料もギリギリなんとか持ちそうだし、リフトハウスもかろうじて――」
ガラッ…ガシャンッ!
「「見なかったことにしよう……」」
壁に修理した板が外れて格縁が落ちたなんて私たちは見ていない。小松さんがガイドブックを広げたので私はその隣から覗き込む。
「ん? へぇ、サンドガーデンって、なんだか面白そうな所だなぁ」
「あっ、こことか行ってみたいかも」
「そうですね~」
「あ?」
私たちの会話が聞こえたのかトリコがこっちに振り向いた。
「あっ、本棚で見つけたんです。観光ガイドブック」
「有名な観光地だっていうのは知ってたけど、いろんな砂漠があるんだなぁって」
天然米でできた米砂漠、甘い黒糖でできた黒糖砂漠……自然界で育った食材が砂漠のようになっているみたい。
「他にも食べられる砂でできた砂漠が、たくさんあるみたいですね」
「味もきっと、この地域特有のおいしさがあるんだろうなぁ」
「ああ。だが、米砂漠や黒糖砂漠のようなグルメ砂漠だけじゃねぇぞ」
石炭砂漠やレアアース砂漠などの資源砂漠、さらに砂金砂漠やダイヤ砂漠などのジュエル砂漠もあるようだ。
「サンドガーデンは『砂の楽園』とも呼ばれてるんだ」
「食材から資源もたくさんあるなんて、確かに砂の楽園と呼ぶにはピッタリだね」
「到着までもう少し。なんか楽しみになってきちゃいました!」
「――おい」
顔を上げれば向かいにゼブラが立っていた。相変わらずの凄みだけど小松さんは慣れて来たのか、すぐ青ざめることはなかった。
「小僧、小娘」
「は、はい」
「なんですか?」
「お前ら、チョーシ乗ってねぇか?」
「えっ!? いや、乗ってませんよ! 微塵たりとも!」
「サンドガーデンが楽しみという点は乗ってますけどね」
「……そうか」
なんなんだよ、いったい。トリコから私たちをケンカ相手にしようとしてんのか?
「いいか、小僧、小娘。砂漠に着く前に教えといてやる。――俺のことを『環境』だと思えよ」
「えっ?」
「環境ですか?」
「そうだ。俺にうまく適応できなきゃ、その生物は絶滅することになる。それが自然の摂理だ。わかったか」
「は、はい……」
「環境……」
私の環境適応能力はあくまでも『自然に対して』である。ゼブラがいくら『自分に適応するのが自然の摂理』だと言っても、しょせんは人間だしなぁ……。
「もうこんなに減っちゃった……出発してまだ三日なのに……」
「あと一ヶ月近く……食糧保(モ)つかな……?」
ハニープリズンの食欲を見て、リフトハウスに乗る前に大量に積んであったはずがスゴいペースでなくなっていく。食欲魔神が二人もいるとこうなるのか。
ガッ! ボカッ! ドガンッ!
「お前、それは俺が狙ってた肉だ!」
「ンなの知るか!」
ガシャンッ!
どうやら肉の取り合いでまたケンカになったらしくテーブルがキッチンにまで飛んできた。当然壁にぶつかってクレーターができる。
「食糧どころか、リフトハウスが保(モ)たないかも……」
「もうあいつら二人、サンドガーデンに着くまで凍らせておくか?」
「絶対ダメですからね!」
「じゃあ外に放り出して――」
「それもダメです!」
キレたあとだし、懲りない二人にイライラした私はもう一度ブレスレットを薙刀にしようとしたけど、小松さんに慌てて止められた。
ちなみに部屋が崩壊したため、今日から私は小松さんの部屋で寝ることになった。自分はトリコの部屋で寝ると譲ってくれたので……小松さん、ステキ! ありがとう!
☆☆☆☆☆☆
早くも一ヶ月近く経ち、リフトハウスは他のと同様にすっかりボロボロになった。守護結界が張っているとはいえ崩れないのが奇跡だよ。小松さんも同じ気持ちのようでホッとしている。
「もうすぐサンドガーデンに到着だ……」
「食料もギリギリなんとか持ちそうだし、リフトハウスもかろうじて――」
ガラッ…ガシャンッ!
「「見なかったことにしよう……」」
壁に修理した板が外れて格縁が落ちたなんて私たちは見ていない。小松さんがガイドブックを広げたので私はその隣から覗き込む。
「ん? へぇ、サンドガーデンって、なんだか面白そうな所だなぁ」
「あっ、こことか行ってみたいかも」
「そうですね~」
「あ?」
私たちの会話が聞こえたのかトリコがこっちに振り向いた。
「あっ、本棚で見つけたんです。観光ガイドブック」
「有名な観光地だっていうのは知ってたけど、いろんな砂漠があるんだなぁって」
天然米でできた米砂漠、甘い黒糖でできた黒糖砂漠……自然界で育った食材が砂漠のようになっているみたい。
「他にも食べられる砂でできた砂漠が、たくさんあるみたいですね」
「味もきっと、この地域特有のおいしさがあるんだろうなぁ」
「ああ。だが、米砂漠や黒糖砂漠のようなグルメ砂漠だけじゃねぇぞ」
石炭砂漠やレアアース砂漠などの資源砂漠、さらに砂金砂漠やダイヤ砂漠などのジュエル砂漠もあるようだ。
「サンドガーデンは『砂の楽園』とも呼ばれてるんだ」
「食材から資源もたくさんあるなんて、確かに砂の楽園と呼ぶにはピッタリだね」
「到着までもう少し。なんか楽しみになってきちゃいました!」
「――おい」
顔を上げれば向かいにゼブラが立っていた。相変わらずの凄みだけど小松さんは慣れて来たのか、すぐ青ざめることはなかった。
「小僧、小娘」
「は、はい」
「なんですか?」
「お前ら、チョーシ乗ってねぇか?」
「えっ!? いや、乗ってませんよ! 微塵たりとも!」
「サンドガーデンが楽しみという点は乗ってますけどね」
「……そうか」
なんなんだよ、いったい。トリコから私たちをケンカ相手にしようとしてんのか?
「いいか、小僧、小娘。砂漠に着く前に教えといてやる。――俺のことを『環境』だと思えよ」
「えっ?」
「環境ですか?」
「そうだ。俺にうまく適応できなきゃ、その生物は絶滅することになる。それが自然の摂理だ。わかったか」
「は、はい……」
「環境……」
私の環境適応能力はあくまでも『自然に対して』である。ゼブラがいくら『自分に適応するのが自然の摂理』だと言っても、しょせんは人間だしなぁ……。