爆音解放! 死刑囚ゼブラの出所!
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ハニープリズンを出るとラブ所長と連絡先を交換した。いつでも遊びに来ていいと言ってくれたのは嬉しいけど、あんな末恐ろしい刑務所に行こうという気はなかなか起こらないだろうな……。
そしてグルメピラミッドに向かうため、私たちはペンション型のリフトに乗ってまずはサウンドガーデンを目指していた。外は砂塵が多いけど中にいるおかげで被害がなく景色もよく見える。小松さんも私も外の景色を堪能していた。
「わあ~! きれ~!」
「砂の虹だ! さすがリフトハウスからの景色は違うね!」
「ああ。グルメピラミッドがあるサンドガーデンに行くには、このリフトハウスしか交通手段がねぇ。片道一ヶ月……巨大リフトの旅!」
「けど、リフトハウスの利用者って僕ら以外いないみたいですけど……」
「あのマンション型のリフトハウスとかボロボロなのも多いし、最近利用者が少ないのかな?」
たくさんあるリフトハウスの中で修理も手入れもされていないのを見つけた。そういえば、そろそろ食事の支度しないと――。
「小僧、小娘」
「「!」」
ほらやってきた。風呂から上がったゼブラがワインレッドのバスローブを着て私たちに話しかけてきた。裂けた口からはヨダレが出ているし、小松さんは青ざめて慌て始める。
「腹減ったな。ジュル……」
「はいー! なんか作ります! ただいま! 速攻でー!」
全速力で小松さんはキッチンへ駆け込んだ。ゼブラも毎回顔を近づけて言うけど、やっぱり小松さんの反応を面白がっている節があるんじゃないかな?
「トリコもお腹空いたでしょ。すぐ作るね」
「ああ」
トリコに声をかけて、私も続いてキッチンへと入って行った。
ふとリビングを小松さんと共に見れば、ゼブラが大きな酒瓶を片手で持って一気に飲んでカラにしてしまった。あれってトリコのお酒じゃなかったっけ?
「この人と一ヶ月も過ごすのか……」
「あ?」
「ヒイッ!」
小松さんは小さく呟いただろうけど地獄耳のゼブラにはしっかり届いていたので、ゼブラが振り向いたら慌てて壁に身を隠した。
『あいつは、気に入った食材(エモノ)やムカついた生物(ヤツ)がいると、その種が絶滅するまで食い尽くす』
『『絶滅……』』
『今まで絶滅させた生物は二十六種――それがゼブラの大罪だ』
脳裏に浮かぶトリコとの会話。私が守護結界を張ってたとはいえ、処刑場でも死季の森でもハニープリズンが破壊する被害はなかった。それに一龍会長が出所を許してトリコも同行を求めているぐらいだし、美食會のような『悪人』って感じもしないけど……。
「あっ! お前、それ俺の酒じゃねぇか!」
「ああ? ケンカ売ってんのか、トリコ?」
「売ってんのはお前!」
「ハンッ! 嬉しいんだよ」
「何が!」
「まだ俺と対等にぶん殴り合いができる奴がいるってのがよ!」
(トリコさん、いいんですか? こんな人と一緒に旅をするなんて……)
ゼブラはケンカ相手ができるのが嬉しいようで、トリコもなんだかんだで嬉しそうだ。小松さんはまだゼブラに不安を持っているけど……まっ、なんとかなるでしょ。