爆音解放! 死刑囚ゼブラの出所!
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『うん、おいしい。でも、ここでは食べられない珍しい味付けがいいんじゃないかな?』
『それもいいですね。――ゼブラさん、喜んでくれるかな?』
『わからないけど、喜んでくれたら嬉しいね!』
『はい!』
……他の囚人たちを倒している間も、調理している二人の声がゼブラは耳から離れなかったのだ。
「ンなこと言ってたな……。小僧! 小娘!」
「はい!」
「なんですか?」
「チョーシに乗るなよ」
「えっ? ああっ、いや、は、はい!」
「ん?」
うおっ、出た。ゼブラの定番の台詞! この言葉はずっと頭から離れず覚えていたんだよね!
「俺はよ、チョーシに乗ってる奴が一番嫌いなんだ。見てるとグチャグチャに捻り潰したくなってくる……一匹残らずな」
「ハァ……あの、す、すみませんでした。調子に乗って……」
「やっぱりチョーシに乗ってたのか、てめぇ!?」
「うわあっ! いや、乗ってませんけど! 全然調子になんて!」
「フフッ。小松さん、スゴく面白い顔になってるよ」
「瑞貴さ~ん!?」
青ざめたり、照れたり、顔を膨らませたり、涙目になったり……小松さんは百面相でもしているのだろうか。スゴく面白い。
「瑞貴はよくゼブラが平気だな。怖くねぇのか?」
「言葉が通じるし、意思疎通ができるなら猛獣よりマシじゃん。あとは……慣れ?」
「なんの慣れだよ」
グリンパーチやトミーロッドのほうが『気味悪い』って意味でもっと怖い。それにゼブラが同じくらい怖い人なら一龍会長も出所を許したりしないだろうしね。
「小娘、てめぇチョーシに乗ってんのか?」
「そうですね……ゼブラさんが私たちの作った料理を平らげてくれたのが嬉しいから、その点に関しては乗ってるかもしれませんね」
「…………」
ニコッと本心を言ったらゼブラは押し黙った。小松さんみたいな反応を待っていたなら期待に添えなくてごめんね。
「瑞貴さん、強い……」
「あいつ、結構怖いもの知らずだな……」
「トリコは主役のゼブラさんと同じくらい料理を食べたでしょ。ちったあ遠慮を覚えろ」
「――所長!」
ビシッとトリコにツッコミを入れてたら、オーバンさんがやってきた。声色からして様子がおかしい。
「どうしたの、オーバン?」
「森の魔物が現れました」
「……そう、厄介ね」
その報告にラブ所長も顔をしかめた。『森の魔物』という言葉はつい最近だから聞き覚えがある。
「森の魔物……確か入口でオーバンさんが言ってたね」
「いったいなんなんですか?」
「一年に一度、モンスターシーズンに目覚める亀よ」
「亀?」
「モンスターシーズン?」
どういうことなのかと私と小松さんは尋ねると、ラブ所長は説明してくれた。
「この辺りは死の季節の森……『死季の森』と呼ばれているのよ。グルメ界に負けないぐらい厳しい環境の一つでね。季節も『溶』、『霧』、『凍』、『獣』の四つに分かれるの」
……溶岩の季節・溶季――六月~八月の溶岩が噴き出すマグマシーズン。霧の季節・霧季――九月~十一月の毒ガスの霧が立ち込めるミストシーズン、凍る季節・凍季――十二月~二月のブリザードが全てを凍らすフリーズシーズン。獣の季節・獣季――九月から十一月の現在は、凶暴な猛獣が目覚めるモンスターシーズンなのだ。
「目覚める猛獣の捕獲レベルは平均60!」
「ろ、60!?」
「その中でも最も手強いのが森の魔物と呼ばれる亀……通称・マグマトータスなのよ」
「確かにグルメ界並の気候……ということは、ここにいれば修業にもなるってことね!」
「いや瑞貴さん! 注目するべき所はそこじゃありません!」
だって人間界で一ヶ所だけで暑さから寒さ、さらには毒の霧とか、いっぺんに体験できるとこなんて滅多にないよ。待てよ、ということはずっとここにいたゼブラは……。
『それもいいですね。――ゼブラさん、喜んでくれるかな?』
『わからないけど、喜んでくれたら嬉しいね!』
『はい!』
……他の囚人たちを倒している間も、調理している二人の声がゼブラは耳から離れなかったのだ。
「ンなこと言ってたな……。小僧! 小娘!」
「はい!」
「なんですか?」
「チョーシに乗るなよ」
「えっ? ああっ、いや、は、はい!」
「ん?」
うおっ、出た。ゼブラの定番の台詞! この言葉はずっと頭から離れず覚えていたんだよね!
「俺はよ、チョーシに乗ってる奴が一番嫌いなんだ。見てるとグチャグチャに捻り潰したくなってくる……一匹残らずな」
「ハァ……あの、す、すみませんでした。調子に乗って……」
「やっぱりチョーシに乗ってたのか、てめぇ!?」
「うわあっ! いや、乗ってませんけど! 全然調子になんて!」
「フフッ。小松さん、スゴく面白い顔になってるよ」
「瑞貴さ~ん!?」
青ざめたり、照れたり、顔を膨らませたり、涙目になったり……小松さんは百面相でもしているのだろうか。スゴく面白い。
「瑞貴はよくゼブラが平気だな。怖くねぇのか?」
「言葉が通じるし、意思疎通ができるなら猛獣よりマシじゃん。あとは……慣れ?」
「なんの慣れだよ」
グリンパーチやトミーロッドのほうが『気味悪い』って意味でもっと怖い。それにゼブラが同じくらい怖い人なら一龍会長も出所を許したりしないだろうしね。
「小娘、てめぇチョーシに乗ってんのか?」
「そうですね……ゼブラさんが私たちの作った料理を平らげてくれたのが嬉しいから、その点に関しては乗ってるかもしれませんね」
「…………」
ニコッと本心を言ったらゼブラは押し黙った。小松さんみたいな反応を待っていたなら期待に添えなくてごめんね。
「瑞貴さん、強い……」
「あいつ、結構怖いもの知らずだな……」
「トリコは主役のゼブラさんと同じくらい料理を食べたでしょ。ちったあ遠慮を覚えろ」
「――所長!」
ビシッとトリコにツッコミを入れてたら、オーバンさんがやってきた。声色からして様子がおかしい。
「どうしたの、オーバン?」
「森の魔物が現れました」
「……そう、厄介ね」
その報告にラブ所長も顔をしかめた。『森の魔物』という言葉はつい最近だから聞き覚えがある。
「森の魔物……確か入口でオーバンさんが言ってたね」
「いったいなんなんですか?」
「一年に一度、モンスターシーズンに目覚める亀よ」
「亀?」
「モンスターシーズン?」
どういうことなのかと私と小松さんは尋ねると、ラブ所長は説明してくれた。
「この辺りは死の季節の森……『死季の森』と呼ばれているのよ。グルメ界に負けないぐらい厳しい環境の一つでね。季節も『溶』、『霧』、『凍』、『獣』の四つに分かれるの」
……溶岩の季節・溶季――六月~八月の溶岩が噴き出すマグマシーズン。霧の季節・霧季――九月~十一月の毒ガスの霧が立ち込めるミストシーズン、凍る季節・凍季――十二月~二月のブリザードが全てを凍らすフリーズシーズン。獣の季節・獣季――九月から十一月の現在は、凶暴な猛獣が目覚めるモンスターシーズンなのだ。
「目覚める猛獣の捕獲レベルは平均60!」
「ろ、60!?」
「その中でも最も手強いのが森の魔物と呼ばれる亀……通称・マグマトータスなのよ」
「確かにグルメ界並の気候……ということは、ここにいれば修業にもなるってことね!」
「いや瑞貴さん! 注目するべき所はそこじゃありません!」
だって人間界で一ヶ所だけで暑さから寒さ、さらには毒の霧とか、いっぺんに体験できるとこなんて滅多にないよ。待てよ、ということはずっとここにいたゼブラは……。