遂に登場人物! 最後の四天王ゼブラ!
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「小松さん、どうしたの?」
「あんな怖そうな人が危険だという道を歩いてたんですね……。そりゃあおぞましいわけだ……」
「アハハハ……」
もう私もフォローすることができず乾いた声しか出せなかった。
少し歩いただけでトリコたちの動きが止まり、何事かと思ったらいきなり地面が動いてエレベーターのように下へと向かった。
「では、ハニープリズンを案内しましょう」
「「「ん?」」」
「IGOが定めたグルメ八法を犯した者が入るグルメ刑務所。世界中に点在しますが、特に重罪を犯した永久食犯への刑が執行される刑務所、世界にたった三つだけ。それが陸・海・空――それぞれに設けられた世界三大グルメ刑務所です」
こんな末恐ろしい刑務所が、ここも含めて三つもあるんだ……。
……一つ目は上空1万メートルに漂う空の監獄・スカイプリズン――辺りには竜巻が頻繁に発生し、腹を空かせた怪鳥が飛び回る脱出不可能な空中刑務所。
二つ目は深海2千メートルに沈む海中の監獄・プリズンサブマリン――四百気圧の水圧がかかり、凶暴な肉食魚がウヨウヨ泳ぐ、ここもまず脱出できない。
「そして最後が、ここです。陸の刑務所・ハニープリズン。収容できる囚人の数はざっと一億人を超える、まさに世界最大のグルメ刑務所」
……黄泉への門から続く数十キロの険しい道を世界中から日々数百人の凶悪犯が運ばれて来る。途中にはAランクの処刑獣を見張りのため徘徊させており、長さ1キロメートルを超える巨大開閉橋を全十二個所に設置しているようだ。
「グルメID等の厳重なチェックを経て、初めて通過が許されます」
「……ということは、私たちは囚人が通る道を実際に体験したわけだ」
「ヒイッ!」
私たちも黄泉への門から来たしね。私の独り言が聞こえたのか小松さんは別に収容されるわけでもないのに青ざめている。
「気候によっては屈強な護送獣すら森の魔物に襲われ、消息を絶つこともある危険な道です」
「も、森の魔物って……」
「運が良ければ見られるかもしれませんよ。いや……運が悪ければ、ですかね」
いろいろ物騒だな。いや、物騒じゃなきゃ脱獄を企もうとする囚人の牽制にもなるか。
「さあ、着きましたよ」
「ぎゃ――っ!!」
周りが岩の壁から景色が変わると、猛獣の目がハッキリ見えたので小松さんは両手を伸ばして悲鳴を上げた。他にもウヨウヨいるからトリコの腕にしがみついている。
「小松さん、大丈夫?」
「大丈夫じゃありませーん!」
「なんなら瑞貴、お前もしがみつくか」
「私は平気。むしろこれより怖い猛獣なんてたくさん会ったし」
トリコが空いている左腕を差し出すけど、このくらいの猛獣を怖がってちゃ美食屋が務まらないどころかグルメ界で生活できないでしょ。
「こちらが、ハニープリズンの受付です」
「へぇ、処刑獣もいろいろいるもんだな」
「全てラブ所長が手懐けた獣たちです。大概の囚人はここで戦意を喪失して腹を括りますね」
「でしょうね。逃げようとすれば、まずこの猛獣たちに食べられてしまうだろうし」
「それにこれだけの獣を手懐ける所長さんも大したモンだ。会うのが楽しみだぜ」
エレベーターが終わり、扉が開くと私たちは外に出て歩いて行く。すると黒いコック帽を被った男性を見つけた。
「チュパリー。変わりはないか?」
「ええ、副所長。囚人が二十人ほど攻撃を受けたようですが」
「また暴れたか」
オーバンさんは心当たりがあるみたい。いや、もうその人物だと決まっているしかいないと思っている。
「あんな怖そうな人が危険だという道を歩いてたんですね……。そりゃあおぞましいわけだ……」
「アハハハ……」
もう私もフォローすることができず乾いた声しか出せなかった。
少し歩いただけでトリコたちの動きが止まり、何事かと思ったらいきなり地面が動いてエレベーターのように下へと向かった。
「では、ハニープリズンを案内しましょう」
「「「ん?」」」
「IGOが定めたグルメ八法を犯した者が入るグルメ刑務所。世界中に点在しますが、特に重罪を犯した永久食犯への刑が執行される刑務所、世界にたった三つだけ。それが陸・海・空――それぞれに設けられた世界三大グルメ刑務所です」
こんな末恐ろしい刑務所が、ここも含めて三つもあるんだ……。
……一つ目は上空1万メートルに漂う空の監獄・スカイプリズン――辺りには竜巻が頻繁に発生し、腹を空かせた怪鳥が飛び回る脱出不可能な空中刑務所。
二つ目は深海2千メートルに沈む海中の監獄・プリズンサブマリン――四百気圧の水圧がかかり、凶暴な肉食魚がウヨウヨ泳ぐ、ここもまず脱出できない。
「そして最後が、ここです。陸の刑務所・ハニープリズン。収容できる囚人の数はざっと一億人を超える、まさに世界最大のグルメ刑務所」
……黄泉への門から続く数十キロの険しい道を世界中から日々数百人の凶悪犯が運ばれて来る。途中にはAランクの処刑獣を見張りのため徘徊させており、長さ1キロメートルを超える巨大開閉橋を全十二個所に設置しているようだ。
「グルメID等の厳重なチェックを経て、初めて通過が許されます」
「……ということは、私たちは囚人が通る道を実際に体験したわけだ」
「ヒイッ!」
私たちも黄泉への門から来たしね。私の独り言が聞こえたのか小松さんは別に収容されるわけでもないのに青ざめている。
「気候によっては屈強な護送獣すら森の魔物に襲われ、消息を絶つこともある危険な道です」
「も、森の魔物って……」
「運が良ければ見られるかもしれませんよ。いや……運が悪ければ、ですかね」
いろいろ物騒だな。いや、物騒じゃなきゃ脱獄を企もうとする囚人の牽制にもなるか。
「さあ、着きましたよ」
「ぎゃ――っ!!」
周りが岩の壁から景色が変わると、猛獣の目がハッキリ見えたので小松さんは両手を伸ばして悲鳴を上げた。他にもウヨウヨいるからトリコの腕にしがみついている。
「小松さん、大丈夫?」
「大丈夫じゃありませーん!」
「なんなら瑞貴、お前もしがみつくか」
「私は平気。むしろこれより怖い猛獣なんてたくさん会ったし」
トリコが空いている左腕を差し出すけど、このくらいの猛獣を怖がってちゃ美食屋が務まらないどころかグルメ界で生活できないでしょ。
「こちらが、ハニープリズンの受付です」
「へぇ、処刑獣もいろいろいるもんだな」
「全てラブ所長が手懐けた獣たちです。大概の囚人はここで戦意を喪失して腹を括りますね」
「でしょうね。逃げようとすれば、まずこの猛獣たちに食べられてしまうだろうし」
「それにこれだけの獣を手懐ける所長さんも大したモンだ。会うのが楽しみだぜ」
エレベーターが終わり、扉が開くと私たちは外に出て歩いて行く。すると黒いコック帽を被った男性を見つけた。
「チュパリー。変わりはないか?」
「ええ、副所長。囚人が二十人ほど攻撃を受けたようですが」
「また暴れたか」
オーバンさんは心当たりがあるみたい。いや、もうその人物だと決まっているしかいないと思っている。