超セレブ! グルメ馬車の夢の旅!
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すると私の目の前に手が差し出されたので、顔を上げるとココさんが微笑んでいた。
「じゃ、瑞貴ちゃん。僕と踊ってくれるかい?」
「ココさん! 抜け駆けしないでください!」
「おい! こいつを美(ツク)しくしたのは俺(レ)のおかげだぞ! 俺(レ)が先だ!」
「おいおい! ここは俺を差し置くな!」
「トリコ復活早っ! いや、あの、私ダンスなんてしたことないんだけど……」
それから順番で踊ることになった。小松さん以外は全員IGOで社交経験があるのかダンスはお手の物だった。
トリコは豪快な中にある器用さがあり、ココさんは女性をリードする優しさが出て、サニーは文字通り美しく華麗に舞うような洗練さがあった。小松さんはぎこちなかったけどお互い初心者なので気兼ねなく踊れた。
☆☆☆☆☆
パーティーが終わったあと全員トリコと小松さんの部屋に集合した。ちなみに私は別室を取ってもらっているけど、なんでトリコは『来るなら荷物も持って来い』って言ったんだろ?
ココさんもサニーも来た理由は、小松さんの新しい包丁――メルク包丁を見ることだ。二人共トリコがどこに行くかわかっているから、こんな時間に集まることを不思議に思っていないみたい。
「それじゃあみなさん、いいですか?」
「ああ」
「早く見せろ」
トリコと私がソファに座ってお酒とジュースを飲む中、小松さんはココさんとサニーにメルク包丁をお披露目した。
「「おおっ!」」
「これが、研ぎ師メルクが作った小松くんの包丁か!」
「つ、美(ツク)しい……!」
「あっ、サニーさん。気をつけてください。切れ味がハンパじゃないですから」
「ああ。今、髪の毛の触覚で持とうとしたらブチ切られた。このシャレにならねー切れ味もまた、美(ツク)しい……!」
サニーのポニーテールにしていた髪がほどけた。大雑把な作業から繊細な作業もこなせるメルク包丁……サニーの触覚を切ることも、お茶の子さいさいなんだね。
「よかったね、小松くん。これで一層、料理に気合いが入るね」
「はい! もういろんな食材が自在に切れるもんで、なんだか料理も上手になったような気になりますよ!」
「そうだ、肝心のメルクの星屑はどうだったんだ? 食べたんだろ?」
「――それは」
小松さんに尋ねたサニーだけど、代わりにトリコが声を上げたので私たちに三人は顔を向けた。
「それはだな……――内緒だ」
「なっ!?」
「そうだよ。星屑の味は私とトリコと小松さんとメルクさん、四人の秘密なんだ」
「何それ!? キショ! お前らキショいぞ!」
まあ、メルクの星屑の味が秘密なのは本当の理由があるんだけどね……。
「星屑の味、それも秘密か」
「「えっ?」」
「ずいぶんと秘密が多いんだね、トリコ」
「あ?」
最初はどういうことかと小松さんと共に思ったけど、ココさんは何か探るような目でトリコを見た。
「いい加減教えてくれてもいいだろ? 本当の目的を」
「…………」
トリコは黙って新しくグラスに淹れたお酒を飲んだ。話に着いて行けない私はココさんに尋ねる。
「ココさん? 本当の目的って?」
「グルメピラミッドに行かないこの馬車に、何故乗ったのか? メロウコーラを手に入れるため、ピラミッドに行く前に、まず『あそこ』に行く必要があるというのはわかる」
「あ、あの、いったいどこに向かってるんですか?」
「だが、『あそこ』に行くには、この馬車のルートじゃ遠回りだ」
「「ええっ!?」」
小松さんも話に着いて行けないから訊いたけど、サニーもトリコへ疑問をぶつけているので、ココさんに訊いた私と同様にスルーされた。でも、トリコの目的地が他のルートよりスゴく遠いとわかった。
「何故、この馬車に乗った?」
「それはだな――」
ポーン……。
《乗客の皆様にお知らせいたしします》
やっとトリコが理由を告げてくれると思ったら、グルメ馬車の放送によって遮られてしまった。
《前方左手をご覧ください。地獄の入口・黄泉への門に止まります》
「あっ、やべっ! もう着いちまったか!」
「えっ? 『着いちまった』って……」
「まさか、私たちの目的地って……」
朝日が昇るとグルメ馬車も止まり、乗客の人々が黄泉への門を見るためにベランダに出てきた。小松さんと私も窓から見る。
「じゃ、瑞貴ちゃん。僕と踊ってくれるかい?」
「ココさん! 抜け駆けしないでください!」
「おい! こいつを美(ツク)しくしたのは俺(レ)のおかげだぞ! 俺(レ)が先だ!」
「おいおい! ここは俺を差し置くな!」
「トリコ復活早っ! いや、あの、私ダンスなんてしたことないんだけど……」
それから順番で踊ることになった。小松さん以外は全員IGOで社交経験があるのかダンスはお手の物だった。
トリコは豪快な中にある器用さがあり、ココさんは女性をリードする優しさが出て、サニーは文字通り美しく華麗に舞うような洗練さがあった。小松さんはぎこちなかったけどお互い初心者なので気兼ねなく踊れた。
☆☆☆☆☆
パーティーが終わったあと全員トリコと小松さんの部屋に集合した。ちなみに私は別室を取ってもらっているけど、なんでトリコは『来るなら荷物も持って来い』って言ったんだろ?
ココさんもサニーも来た理由は、小松さんの新しい包丁――メルク包丁を見ることだ。二人共トリコがどこに行くかわかっているから、こんな時間に集まることを不思議に思っていないみたい。
「それじゃあみなさん、いいですか?」
「ああ」
「早く見せろ」
トリコと私がソファに座ってお酒とジュースを飲む中、小松さんはココさんとサニーにメルク包丁をお披露目した。
「「おおっ!」」
「これが、研ぎ師メルクが作った小松くんの包丁か!」
「つ、美(ツク)しい……!」
「あっ、サニーさん。気をつけてください。切れ味がハンパじゃないですから」
「ああ。今、髪の毛の触覚で持とうとしたらブチ切られた。このシャレにならねー切れ味もまた、美(ツク)しい……!」
サニーのポニーテールにしていた髪がほどけた。大雑把な作業から繊細な作業もこなせるメルク包丁……サニーの触覚を切ることも、お茶の子さいさいなんだね。
「よかったね、小松くん。これで一層、料理に気合いが入るね」
「はい! もういろんな食材が自在に切れるもんで、なんだか料理も上手になったような気になりますよ!」
「そうだ、肝心のメルクの星屑はどうだったんだ? 食べたんだろ?」
「――それは」
小松さんに尋ねたサニーだけど、代わりにトリコが声を上げたので私たちに三人は顔を向けた。
「それはだな……――内緒だ」
「なっ!?」
「そうだよ。星屑の味は私とトリコと小松さんとメルクさん、四人の秘密なんだ」
「何それ!? キショ! お前らキショいぞ!」
まあ、メルクの星屑の味が秘密なのは本当の理由があるんだけどね……。
「星屑の味、それも秘密か」
「「えっ?」」
「ずいぶんと秘密が多いんだね、トリコ」
「あ?」
最初はどういうことかと小松さんと共に思ったけど、ココさんは何か探るような目でトリコを見た。
「いい加減教えてくれてもいいだろ? 本当の目的を」
「…………」
トリコは黙って新しくグラスに淹れたお酒を飲んだ。話に着いて行けない私はココさんに尋ねる。
「ココさん? 本当の目的って?」
「グルメピラミッドに行かないこの馬車に、何故乗ったのか? メロウコーラを手に入れるため、ピラミッドに行く前に、まず『あそこ』に行く必要があるというのはわかる」
「あ、あの、いったいどこに向かってるんですか?」
「だが、『あそこ』に行くには、この馬車のルートじゃ遠回りだ」
「「ええっ!?」」
小松さんも話に着いて行けないから訊いたけど、サニーもトリコへ疑問をぶつけているので、ココさんに訊いた私と同様にスルーされた。でも、トリコの目的地が他のルートよりスゴく遠いとわかった。
「何故、この馬車に乗った?」
「それはだな――」
ポーン……。
《乗客の皆様にお知らせいたしします》
やっとトリコが理由を告げてくれると思ったら、グルメ馬車の放送によって遮られてしまった。
《前方左手をご覧ください。地獄の入口・黄泉への門に止まります》
「あっ、やべっ! もう着いちまったか!」
「えっ? 『着いちまった』って……」
「まさか、私たちの目的地って……」
朝日が昇るとグルメ馬車も止まり、乗客の人々が黄泉への門を見るためにベランダに出てきた。小松さんと私も窓から見る。