渾身の一作! 完成メルク包丁
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……ここはグルメ刑務所・ハニープリズン。この場所で新たな出来事が動き始めようとしていた。
「全員整列! 囚人共が来たぞー!」
向かって右側がサラサラヘアで、左側がチリチリパーマの看守長・プリコムが大声で叫ぶと看守たちが集まって二列に整列を始めた。数百人ものの囚人たちを背中の檻に乗せる護送獣を迎えるためだ。当然ながら囚人たちは騒いでいる。
「うるせぇぞ! グルメ犯罪者共が!!」
「「「「「ウウッ!」」」」」
「裁判で刑が確定してんだ! あきらめな!」
「――相変わらず賑やかじゃな」
「ああん? ――あっ! あなたは!」
ここが刑務所とは思えないほどノンキな声が聞こえたので、プリコムは振り向くと次いで盛大に驚いた。なんとIGO会長・一龍がいるのだ。
「お前、それなんちゅーヘアスタイルじゃ?」
「会長ー!? これはこれは、大変ご無沙汰してます! 会長!」
「真ん中、ハゲとったんか!?」
帽子を取って頭を下げたのはいいが、なんと帽子の下は輝くほどハゲていたのだ。意外過ぎて一龍も驚くが、そのうしろには別の人物がいる。
「フハハハハッ。『ラブ所長』はいるよな~? プリコムくん」
「なっ!? 再生屋の血まみれの与作殿もー!? いつもお世話になっておりますー!」
「ハハハハッ、ホントだぞ。グルメ警察が不甲斐ないからな。俺ら再生屋が忙しくてたまらんわい」
「ゼブラのことで、ラブに話があるんじゃが」
「ゼ、ゼブラでございましゅか!?」
一龍の突飛的な要件に、プリコムは思わず噛んで苦笑いしながら頬をかく。
「え~しかし会長~~。果たしてラブ所長が耳を貸すかどうか~……」
「だから、ゼブラを捕まえた鉄平の師匠であり逮捕のときちょいと手も貸した、この与作とIGO会長である、わしが直々に来たんじゃ。グラス局長じゃ話にならんからのう」
「は、はい~! では、ただ今所長に連絡を~~っ!」
「早よせい」
「はい~~!」
急かされたプリコムが慌ててラブ所長の元へ向かったのを見届け、一龍は与作に顔を向ける。
「ゼブラは――あいつはもうとっくに気づいておるぞ。わしら二人がすぐ上まで来てることを。フフフフッ、いつ攻撃して来るか、わからんぞえ」
「「ハハハハハッ!」」
――ハニープリズン内部では、巨大な鎖を両手と両足に巻きつけられ裂けた左頬をニヤリと上げて欠伸をする。
「ふわあ~……。客が二人……ようやく俺を出す気になったか」
そう、この男こそが美食屋四天王の最後の一人――ゼブラである。