「すぐできる一品ですから、メルクさんもトリコさんももう少しだけ待っててくださいね」

「小松さんが新しい包丁で作った一品だもの。スゴくおいしくなるからね！」


小松さんと笑ってそう言えば、トリコもメルクさんも笑い返してくれた。

そして釜戸に入れた料理――特大ピザが完成したので、切り株テーブルに持って行く。


「お待たせしました。羽衣豚の生ハムピザ！　メルクスペシャルです！」

「おっ！　うまそうな甘辛ソースの匂いだぜ！」

「ああ！」

「首領(ﾄﾞﾝ)ドングリの実もたっぷり入ってるよ！」

｢｢どうぞ、召し上がってください！｣｣

「よーし！　食うぞ、小松、瑞貴！」

｢｢はい/うん！｣｣


出した途端から垂れたヨダレをトリコが拭ったので、私たちはさっそく食事にするために両手を合わせる。


「この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます！」

｢｢｢いただきます！｣｣｣


アツアツだけどそれがまたいいので、私たちは一切れずつ取って食べていく。


「ん～～！　うま――いっ!!」

「おいしいよ、小松シェフ！　瑞貴！」

「えへへっ」

「喜んでもらえてよかったね、小松さん」

「はい！」

「生ハムの塩加減と、オニオンの凝縮された甘みのバランスがたまんねぇ～！　それと――首領(ﾄﾞﾝ)ドングリの子の食感と香ばしさ！　あむっ……ん～！　クセになりそうだぜ！」


素材の味も味わったことだし、そろそろいいかと思って私が小松さんを見ると、彼も同じことを考えていたようで頷いた。私たちは立ち上がってトリコとメルクさんに発表する。


「それではここでお待ちかね！」

「メインイベントだよ！」

「おっ、まちに待ってたぜ、メルクの星屑！」


私がメルクの星屑を小皿に移してスプーンも添えて小松さんに渡す。主役の小松さんがかけてもらわないとね！


「じゃあ、いきますよ！」

「オウッ！」


キラ――ンッ!!


メルクの星屑をピザにかけたら、ピザ全体が家の外に届くほど金色に輝き始めた！　その美しさに私たちは感嘆の声を上げる。


｢｢｢｢お～～っ!!｣｣｣｣

「スゲー！」

「ウッハー！」

「綺麗だね、メルクさん！」

「ああ！」

「じゃ、改めて……――この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます！」

｢｢｢いただきます！｣｣｣


メルクの星屑……いったいどれほどおいしくなっているんだろう？