渾身の一作! 完成メルク包丁
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――それから何日もメルクさんは牙を削っていた。小松さんは自分の包丁だからとずっとメルクさんのサポートをして、私は家事などの手伝いをしている。
ときどきトリコが我慢できなくなってメルクの星屑の調味料を食べようとしたから本気で結界をかけた。その際、トリコは匂いも嗅げないから盛大にショックを受け、小松さんは親指をグッと立てていたけどね。
ついに牙が包丁らしい形になったから、メルクさんは釜戸から熱した小松さんの折れた包丁を取り出した。
「小松シェフの包丁を熱して、柔らかくしてハンマーで打つ。素材の粘り強さを鍛えながら、デロウスの牙と接合するんだ」
カンッ! カンッ! カンッ!
包丁をハンマーで叩く音が響き渡る。小松さんも次の段階に行けたから夢中になっているし、今日のご飯は私が全部作ろう。
「あれ? トリコ」
「あ~~……」
どこに行ったのかと思いきや、どうにかして中のメルクの星屑の調味料を取り出せないかと結界にヘバリついていた。
「ほらトリコ、往生際が悪い。さっさと今日の食材を狩りに行くよ。あんたの食い意地じゃ食料庫がカラッポになっても足りないんだから」
「ちくしょ~~せめて匂いだけでも~~」
「却下!」
私はトリコの首根っこを引いて外に向かった。ハントで鍛え上げられた筋力はこう言うときのために使うと思うな、うん。
☆☆☆☆☆
また何日か経ち、そろそろ仕上げに入る頃になった。私は先に温泉で温まってトリコと小松さんを呼ぶ。
「二人共、上がったよー」
「オウッ」
「メルクさん、僕たち温泉に行ってますね」
「ああ。ゆっくりどうぞ」
二人が外に出ると私は温泉に入る前に用意したお茶を出し、二つのコップに注ぐと一つをメルクさんにあげる。
「メルクさん、どうぞ」
「ありがとう」
コップを受け取ったメルクさんは、喉が渇いていたのかゴクゴクと飲んでいく。ずっと集中していたからムリもないね。
「おかわりは?」
「ああ、もらおう」
「でも、メルクさん。二代目就任をちゃんと認めてもらったんだから、もう男みたいにいる必要ないんじゃない?」
「ずっとこんな感じで生活していたからな。今更女の子っぽくなれと言われて難しいよ」
私からコップを受け取ったメルクさんは、今度はそのまま飲まずにお茶の水面を見つめている。映る自分を見ているのか、それとも過去を思い浮かべているかわからないけど……。
「私はカッコ可愛いって感じで好きだよ。これもメルクさんのトレードマークじゃない?」
「そうかな? 瑞貴みたいに可愛い女の子がいいと思うな」
「もう、私は可愛くないって。それにしても、包丁もだいぶ仕上がってきたね」
「ああ、もうすぐだ。やっと小松シェフに渡すことができる。真の二代目としての初めての仕事に、小松シェフの包丁を作ることができるなんて、この上なく嬉しいよ……!」
ん? なんかメルクさん、顔が赤くない? まさか……。
ときどきトリコが我慢できなくなってメルクの星屑の調味料を食べようとしたから本気で結界をかけた。その際、トリコは匂いも嗅げないから盛大にショックを受け、小松さんは親指をグッと立てていたけどね。
ついに牙が包丁らしい形になったから、メルクさんは釜戸から熱した小松さんの折れた包丁を取り出した。
「小松シェフの包丁を熱して、柔らかくしてハンマーで打つ。素材の粘り強さを鍛えながら、デロウスの牙と接合するんだ」
カンッ! カンッ! カンッ!
包丁をハンマーで叩く音が響き渡る。小松さんも次の段階に行けたから夢中になっているし、今日のご飯は私が全部作ろう。
「あれ? トリコ」
「あ~~……」
どこに行ったのかと思いきや、どうにかして中のメルクの星屑の調味料を取り出せないかと結界にヘバリついていた。
「ほらトリコ、往生際が悪い。さっさと今日の食材を狩りに行くよ。あんたの食い意地じゃ食料庫がカラッポになっても足りないんだから」
「ちくしょ~~せめて匂いだけでも~~」
「却下!」
私はトリコの首根っこを引いて外に向かった。ハントで鍛え上げられた筋力はこう言うときのために使うと思うな、うん。
☆☆☆☆☆
また何日か経ち、そろそろ仕上げに入る頃になった。私は先に温泉で温まってトリコと小松さんを呼ぶ。
「二人共、上がったよー」
「オウッ」
「メルクさん、僕たち温泉に行ってますね」
「ああ。ゆっくりどうぞ」
二人が外に出ると私は温泉に入る前に用意したお茶を出し、二つのコップに注ぐと一つをメルクさんにあげる。
「メルクさん、どうぞ」
「ありがとう」
コップを受け取ったメルクさんは、喉が渇いていたのかゴクゴクと飲んでいく。ずっと集中していたからムリもないね。
「おかわりは?」
「ああ、もらおう」
「でも、メルクさん。二代目就任をちゃんと認めてもらったんだから、もう男みたいにいる必要ないんじゃない?」
「ずっとこんな感じで生活していたからな。今更女の子っぽくなれと言われて難しいよ」
私からコップを受け取ったメルクさんは、今度はそのまま飲まずにお茶の水面を見つめている。映る自分を見ているのか、それとも過去を思い浮かべているかわからないけど……。
「私はカッコ可愛いって感じで好きだよ。これもメルクさんのトレードマークじゃない?」
「そうかな? 瑞貴みたいに可愛い女の子がいいと思うな」
「もう、私は可愛くないって。それにしても、包丁もだいぶ仕上がってきたね」
「ああ、もうすぐだ。やっと小松シェフに渡すことができる。真の二代目としての初めての仕事に、小松シェフの包丁を作ることができるなんて、この上なく嬉しいよ……!」
ん? なんかメルクさん、顔が赤くない? まさか……。