御披露目! 二代目襲名とメルクの星屑!
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「ハァ~……」
「安心しな。娘さんキッチリ仕事をこなしてたからよ」
「ホ、ホントか!?」
「今では立派に二代目としてやってるよ」
トリコが笑顔で伝えると、結果的に何も伝えてなかったので焦っていた初代メルクは安心してホッと息を吐いた。
☆☆☆☆☆
外はすでに夜となり、メルクさんは最初にチャーハンを手に取った。
「いただきます。あむ……お、おいしい!」
「よかった。百合牡蠣のチャーハンです」
「へぇ、百合牡蠣ってこんなに風味が強かったのか」
「貝が閉じてる状態のまま隙間から捌くと風味が増すんです。この貝のうまみ成分のコハク酸は、空気に触れなければ濃縮し続けるんですよ。百合牡蠣は特殊調理食材なんです。メルクさんのオリジナル・黒小出刃包丁じゃなきゃできません」
「えっ……?」
「メルクさん、そっちの皿も食べてみて」
私が示したのは目の前に会ったステーキ。ナイフで切ったメルクさんはひと切れ食べる。
「スゴい! スモーククラゲの臭みが全くない! うまさだけが極立ってる!」
「蘇生牛刀を使ったの。一定のスピードで切ることによって臭みが出ないの」
「このイカの身はゼリーみたいに柔らかいので、羽衣薄刃でないと綺麗に皮が剥けません」
メルクさんは次々と料理を少しずつ食べていく。
「これは乱中華包丁を使いました。これは、無限ぺティナイフ」
「これは一刀柳刃、これは……」
メルクさんの目から涙が溢れてきた。私たちが伝えたいことが食事を通して伝わっているのを感じ、私にも小松さんにも涙が浮かんでくる。
「メルクさん……どれもこれもメルクさんが作った包丁だけが可能な調理なの。世界中のどこを探しても、この切り方ができるのはメルク包丁だけなんだよ」
「先代の包丁が持つ信頼は、充分に繋ぎとめてますよ。世界中の料理人たちがずっと昔から認めてるんです。今も……! メルクさんはメルク包丁の名を、しっかり守ってますよ……!」
「ううっ……!」
涙を流すメルクさんの手を小松さんが握り、私はうしろからギュッと抱きしめた。
この溢れる涙と共に、メルクさんが今まで張っていた気を解いてほしい。そして女だとか力がないとか関係なく、世界中の料理人たちはメルクさんがやっている今でも、『メルク包丁』を信頼して依頼していると自信を持ってほしい。
「安心しな。娘さんキッチリ仕事をこなしてたからよ」
「ホ、ホントか!?」
「今では立派に二代目としてやってるよ」
トリコが笑顔で伝えると、結果的に何も伝えてなかったので焦っていた初代メルクは安心してホッと息を吐いた。
☆☆☆☆☆
外はすでに夜となり、メルクさんは最初にチャーハンを手に取った。
「いただきます。あむ……お、おいしい!」
「よかった。百合牡蠣のチャーハンです」
「へぇ、百合牡蠣ってこんなに風味が強かったのか」
「貝が閉じてる状態のまま隙間から捌くと風味が増すんです。この貝のうまみ成分のコハク酸は、空気に触れなければ濃縮し続けるんですよ。百合牡蠣は特殊調理食材なんです。メルクさんのオリジナル・黒小出刃包丁じゃなきゃできません」
「えっ……?」
「メルクさん、そっちの皿も食べてみて」
私が示したのは目の前に会ったステーキ。ナイフで切ったメルクさんはひと切れ食べる。
「スゴい! スモーククラゲの臭みが全くない! うまさだけが極立ってる!」
「蘇生牛刀を使ったの。一定のスピードで切ることによって臭みが出ないの」
「このイカの身はゼリーみたいに柔らかいので、羽衣薄刃でないと綺麗に皮が剥けません」
メルクさんは次々と料理を少しずつ食べていく。
「これは乱中華包丁を使いました。これは、無限ぺティナイフ」
「これは一刀柳刃、これは……」
メルクさんの目から涙が溢れてきた。私たちが伝えたいことが食事を通して伝わっているのを感じ、私にも小松さんにも涙が浮かんでくる。
「メルクさん……どれもこれもメルクさんが作った包丁だけが可能な調理なの。世界中のどこを探しても、この切り方ができるのはメルク包丁だけなんだよ」
「先代の包丁が持つ信頼は、充分に繋ぎとめてますよ。世界中の料理人たちがずっと昔から認めてるんです。今も……! メルクさんはメルク包丁の名を、しっかり守ってますよ……!」
「ううっ……!」
涙を流すメルクさんの手を小松さんが握り、私はうしろからギュッと抱きしめた。
この溢れる涙と共に、メルクさんが今まで張っていた気を解いてほしい。そして女だとか力がないとか関係なく、世界中の料理人たちはメルクさんがやっている今でも、『メルク包丁』を信頼して依頼していると自信を持ってほしい。