隠された真実! 初代メルク現る!
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「だから俺は思った……――強くなけりゃいけないって! 強くならなければ師匠みたいな一流の研ぎ師になれないって!」
「だから強さにこだわっていたのか……」
「トリコに委託を知られたくなくて、強さを示そうとしたのもそのためだったんだね……」
「俺には何より重要なことだった。強さは二代目の証だと。自分の弱さを消し去るために、一生懸命師匠のような強い男になろうとした。でも……どう足掻いても師匠みたいに力強く、たくましい研ぎ師にはなれなかったのさ……」
初代メルクさんは男、でもここにいるメルクさんは女だ。どれだけ力を付けようとメルクさんは男になれない。男のような言葉や仕草も、女の自分を捨てようとしたのだろう。だけど……。
「私にはわからない」
「えっ?」
「メルクさんは二代目として、立派に仕事をこなしてるじゃない!」
「そうですよ、メルクさん!」
小松さんも私の言葉に同意してくれた。でも、メルクさんの顔は浮かないまま。
「俺は……まだ、一度も師匠から認めてもらってないんだ。勝手に二代目を名乗ってるだけ。ごめんよ、瑞貴、小松シェフ……トリコが言った通り、俺は偽者だ――」
「そんなことない!」
「本物ですよ! メルクさんは!」
「瑞貴……小松シェフ……」
それを私たちが証明してみせるんだ! メルクさんは紛れもなく――『二代目の研ぎ師・メルク』なのだと!
☆☆☆☆☆
……あれからトリコは男――初代メルクと蠍魔牛に付いて行った。だいぶ慣れたとはいえ地上のように動けないため、トリコは見失わないようにするしかない。
「おーい! ちょっと待ってくれってば! この重力の中をあんなに速く歩けるとは、さすがはメルクだぜ……! なあ、いったいどこへ行く気だ!?」
「…………」
「だだから聞こえねぇよ! 石使えよ、石! ――ん?」
普通にしゃべる初代メルクの声は全く聞こえないのでトリコは声を上げると、初代メルクはさらに奥を指差した。
「なんだここは……?」
奥に入るに連れて細道となり、猛獣がいない不思議な雰囲気がしたトリコ。すると最奥の光が見えた。
「こ、これは!? ス、スゲェ……!」
釜戸や砥石や木材があるので工場(コウバ)とわかるが、トリコが一番驚いたのは壁に並べられている武器と言ってもいい巨大な包丁がいくつもあった。
「だから強さにこだわっていたのか……」
「トリコに委託を知られたくなくて、強さを示そうとしたのもそのためだったんだね……」
「俺には何より重要なことだった。強さは二代目の証だと。自分の弱さを消し去るために、一生懸命師匠のような強い男になろうとした。でも……どう足掻いても師匠みたいに力強く、たくましい研ぎ師にはなれなかったのさ……」
初代メルクさんは男、でもここにいるメルクさんは女だ。どれだけ力を付けようとメルクさんは男になれない。男のような言葉や仕草も、女の自分を捨てようとしたのだろう。だけど……。
「私にはわからない」
「えっ?」
「メルクさんは二代目として、立派に仕事をこなしてるじゃない!」
「そうですよ、メルクさん!」
小松さんも私の言葉に同意してくれた。でも、メルクさんの顔は浮かないまま。
「俺は……まだ、一度も師匠から認めてもらってないんだ。勝手に二代目を名乗ってるだけ。ごめんよ、瑞貴、小松シェフ……トリコが言った通り、俺は偽者だ――」
「そんなことない!」
「本物ですよ! メルクさんは!」
「瑞貴……小松シェフ……」
それを私たちが証明してみせるんだ! メルクさんは紛れもなく――『二代目の研ぎ師・メルク』なのだと!
☆☆☆☆☆
……あれからトリコは男――初代メルクと蠍魔牛に付いて行った。だいぶ慣れたとはいえ地上のように動けないため、トリコは見失わないようにするしかない。
「おーい! ちょっと待ってくれってば! この重力の中をあんなに速く歩けるとは、さすがはメルクだぜ……! なあ、いったいどこへ行く気だ!?」
「…………」
「だだから聞こえねぇよ! 石使えよ、石! ――ん?」
普通にしゃべる初代メルクの声は全く聞こえないのでトリコは声を上げると、初代メルクはさらに奥を指差した。
「なんだここは……?」
奥に入るに連れて細道となり、猛獣がいない不思議な雰囲気がしたトリコ。すると最奥の光が見えた。
「こ、これは!? ス、スゲェ……!」
釜戸や砥石や木材があるので工場(コウバ)とわかるが、トリコが一番驚いたのは壁に並べられている武器と言ってもいい巨大な包丁がいくつもあった。