隠された真実! 初代メルク現る!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
☆☆☆☆☆
……バルバモスと戦い続けた挙句、下に行くほど重力が強くなったのでトリコも着地際に片膝を付くほど辛くなってきた。
「ぐうぅ……重力がさらに増してきやがった……! ここは次のステージってわけか……。ここの重力に比べりゃあ、まだバルバモス相手のほうが楽だったぜ……! メルクがいる一番下まで体が保(モ)つかどうか……」
下に見えるのはバルバモスでも耐えられない次の層・シャインロック層である。一歩進む度に足が沈むほど重くなり、汗もかいてきたトリコ。一歩一歩進むのすら限界に近い。
「っ、ぐわあぁぁあああ!」
足を滑らせてしまったが、少し下にある崖に落ちるだけで済んだ。しかし立ち上がるにも壁に支えてもらわなくてはいけないほど困難な状態である。
「重力は…体に負荷がかかるだけじゃねぇ……! 精神的ストレスから自律神経にまで左右する……ハァ…ハァ……動機と目眩が……! なんだこの頭痛は……血が足に溜まって頭まで回ってこねぇのか……!? ヤベェ……!」
カランッ、カランッ。
意識を失いかけたトリコの胸ポケットから落ちて来たのは、外の光が届かないのに何故か布の隙間から確実に光を放っている二つの包丁だった。
「瑞貴と小松の包丁!?」
『これぐらいでヘバってどうすんの!』
『しっかりしてください! トリコさん!』
「瑞貴……! 小松……!」
二つの包丁からは持ち主を浮かべているようで、瑞貴は怒りながらも眉を下げて、小松は涙を流しながらトリコに訴えているように見える。それを見たトリコは包丁を拾って再び立ち上がる。
「悪かったな……瑞貴…小松…心配かけた……。ぐっ……俺に何かあったら瑞貴と小松の命とも言えるこいつらを、守る奴がいなくなるもんな!」
先ほど重力に圧されていたとは思えないほど、トリコは一気に下へ飛び続けて行く。その際二つの包丁が少しポケットから顔を出したが、確実にトリコのそばにいた。
「瑞貴と小松の包丁……守るべき確かな存在が、俺に確実に力を与えてくれる!」
ついにトリコは周りの石が光るシャインロック層に辿り着いた。守るべき存在があるからこそ、トリコはここまで来ることができた。
「光る岩石、シャインロックか……。こいつらの光を反射させたってわけか。重力に体を慣らしながら、少しずつ、ゆっくりとだ!」
二つの包丁が光った理由がわかり、トリコは一つ一つと確実にジャンプしながら降りて行く。
「ハァ……さすがにここまで来ると重力もハンパねぇ……。俺の体重も1トン近くになってるな……。普通に動いてちゃ…体への負担がデカ過ぎる……! 動きだ…強力な重力に対応する動きをしねぇと……!」
コロコロコロ……。
「!」
トリコは自分が地面に沈んだショックでできた小さな岩が、坂道に沿ってコロコロと転がっている様子を見ると目を見開いた。