超重力! ヘビーホールを攻略せよ!
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「メルクさんの作るスープ、とてもおいしいんだよ」
「へぇ……って、瑞貴さん。メルクさんと昨日より仲良くなりました?」
「どうして?」
「なんか雰囲気が柔らかくなっているというか……うまく言えないんですけど」
「当たり。さっき友達になったんだよ、ねっ、メルクさん」
「フフッ、ああ。さあ、どうぞ」
「いただきます!」
私が笑いかけると微笑み返してくれた。そしてメルクさんも小松さんにスープを渡したので、小松さんはそれを飲む。
「おいしいです~! 上品でアッサリながらもコクの深い和風スープ……! ほんのりと酒かすの味が効いてますね。酒かす風味のスッポン、サケカスッポンでダシを取ってるんですね」
「瑞貴もそうだが、小松シェフもわかるなんてさすがだね」
「メルクさんこそ、料理上手なんですね! やっぱりセンスのある人は、何やってもうまいんですよねぇ」
「ありがとう……! さあ、仕事だ! 今日もやることが多いよ!」
「はい!」
「うん!」
昨日来た研ぎの仕事は終ったらしく、今日は刀鍛冶から始めるようだ。焼き入れした包丁の刃を叩いて均質にしていく。
「メルクさんも当然包丁作りは鍛冶仕事から始めるんですね」
「いや、本来始めるのは材料の調達からだよ。でも俺は、捕獲レベルの高い材料調達はできない……師匠は一人で全てをこなしていたよ。俺はまだまだ未熟ってことだ」
熱した包丁を水に入れて冷ますと、先ほどまで熱で赤かった刃が綺麗な銀色に輝いていた。
「「わあ~!」」
「包丁はこの焼き入れ作業がとても大事なんだ」
「こんなステキな包丁を作ってるのに未熟だなんて、絶対あり得ませんよ!」
「うんうん。美食屋だって捕獲レベルの高いのを仕留めても、ステキな包丁は作れない。だからメルクさんの技術は未熟なんて思えないよ!」
「そうかな? ありがとう」
次にメルクさんは研磨の作業に入った。昨日みたいに素早くじゃなくてゆっくり研いでいる。
「普通砥石は、刃物を段階的に研ぐためにキレの荒い荒砥、中くらいの荒さの中砥、キレが細かく仕上げに使う仕上砥の三種類に分けられてるんだけど、色がグラデーションになっている天然のグラデ砥石。これは一つで荒研から仕上げ研まで全ての役割を果たすんだ」
「へぇ~。天然物でそんな不思議な砥石があるんですね~」
「これも採掘したのは、師匠なんだけどね」
「それは関係ないよ。それを完璧に使いこなしているのは、他でもないメルクさんなんだもん」
「いや……まだまだ。先代の技術はこんなものじゃなかったよ……」
どうしてメルクさんって先代と比べているんだろう。二代目を就任したんならもっと自信を持って……――自信?
――夕方になると私たちはメルクマウンテンの出入口に立っているが、トリコは帰って来ない。
「それにしても、トリコは大丈夫かな?」
「必ず帰って来るよ」
「メルクの星屑と、先代のメルクさんを連れて!」
「うん……!」
メルクさんは木の上にいるポチコを見上げる。今日も堂々とした直立立ちをしているなぁ。
「あっ! な、なんですか? これ!」
「ああ。露天風呂だよ、見ての通り。ちなみに温泉」
「おっ、温泉!?」
暖かそうな湯気が出ている屋根つきの露天風呂に、小松さんは顔を輝かせている。
「へぇ……って、瑞貴さん。メルクさんと昨日より仲良くなりました?」
「どうして?」
「なんか雰囲気が柔らかくなっているというか……うまく言えないんですけど」
「当たり。さっき友達になったんだよ、ねっ、メルクさん」
「フフッ、ああ。さあ、どうぞ」
「いただきます!」
私が笑いかけると微笑み返してくれた。そしてメルクさんも小松さんにスープを渡したので、小松さんはそれを飲む。
「おいしいです~! 上品でアッサリながらもコクの深い和風スープ……! ほんのりと酒かすの味が効いてますね。酒かす風味のスッポン、サケカスッポンでダシを取ってるんですね」
「瑞貴もそうだが、小松シェフもわかるなんてさすがだね」
「メルクさんこそ、料理上手なんですね! やっぱりセンスのある人は、何やってもうまいんですよねぇ」
「ありがとう……! さあ、仕事だ! 今日もやることが多いよ!」
「はい!」
「うん!」
昨日来た研ぎの仕事は終ったらしく、今日は刀鍛冶から始めるようだ。焼き入れした包丁の刃を叩いて均質にしていく。
「メルクさんも当然包丁作りは鍛冶仕事から始めるんですね」
「いや、本来始めるのは材料の調達からだよ。でも俺は、捕獲レベルの高い材料調達はできない……師匠は一人で全てをこなしていたよ。俺はまだまだ未熟ってことだ」
熱した包丁を水に入れて冷ますと、先ほどまで熱で赤かった刃が綺麗な銀色に輝いていた。
「「わあ~!」」
「包丁はこの焼き入れ作業がとても大事なんだ」
「こんなステキな包丁を作ってるのに未熟だなんて、絶対あり得ませんよ!」
「うんうん。美食屋だって捕獲レベルの高いのを仕留めても、ステキな包丁は作れない。だからメルクさんの技術は未熟なんて思えないよ!」
「そうかな? ありがとう」
次にメルクさんは研磨の作業に入った。昨日みたいに素早くじゃなくてゆっくり研いでいる。
「普通砥石は、刃物を段階的に研ぐためにキレの荒い荒砥、中くらいの荒さの中砥、キレが細かく仕上げに使う仕上砥の三種類に分けられてるんだけど、色がグラデーションになっている天然のグラデ砥石。これは一つで荒研から仕上げ研まで全ての役割を果たすんだ」
「へぇ~。天然物でそんな不思議な砥石があるんですね~」
「これも採掘したのは、師匠なんだけどね」
「それは関係ないよ。それを完璧に使いこなしているのは、他でもないメルクさんなんだもん」
「いや……まだまだ。先代の技術はこんなものじゃなかったよ……」
どうしてメルクさんって先代と比べているんだろう。二代目を就任したんならもっと自信を持って……――自信?
――夕方になると私たちはメルクマウンテンの出入口に立っているが、トリコは帰って来ない。
「それにしても、トリコは大丈夫かな?」
「必ず帰って来るよ」
「メルクの星屑と、先代のメルクさんを連れて!」
「うん……!」
メルクさんは木の上にいるポチコを見上げる。今日も堂々とした直立立ちをしているなぁ。
「あっ! な、なんですか? これ!」
「ああ。露天風呂だよ、見ての通り。ちなみに温泉」
「おっ、温泉!?」
暖かそうな湯気が出ている屋根つきの露天風呂に、小松さんは顔を輝かせている。