ノッキングの達人! フグ鯨、実食の時!
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「フグ鯨一匹の末端相場は約一億だが、毒袋を完全に取り除いた場合、これが五億に跳ね上がる。ただし、毒化した場合は一気に0だ」
ココさんは取り出したナイフをフグ鯨に差し込む。その技術はうまいものだけど毒化してしまった。
「フゥ……。小松くん、僕の代わりに捌いてくれないか?」
「ええっ!? ぼ、僕がですか!?」
「くたびれたせいか手元が狂うんだ……。1ミリのミスで毒化してしまうからね……」
「あのデビル大蛇と激しい戦いをして、さらに捕獲するために消命を使ったんです。ムリもないですね」
「で、でも……」
「大丈夫。小松くんはプロの料理人だろ? 捌く順序は僕が指示するから、自信持って」
安心させるようにニコッと笑ったココさん……胸がときめくぐらい素敵です!
「いいんですか……? それなら挑戦してみます! ゆ、夢のようです……! フグ鯨を捌けるなんて!」
「えー! 小松がやるならもっと捕って来ないと、何匹あっても足りないぜ!」
「私が捕って来たのを合わせればいいでしょ!」
「それに、もうフグ鯨はいないよ」
「「「え――っ!?」」」
フグ鯨がもういない!? いやいや! 私、全部捕ってないよ!?
「どういうことだ!?」
「そろそろ産卵を終えて戻ってる頃さ。フグ鯨がこの浅瀬にいるのは、ほんの数時間だけなんだ」
ウッソー!? だったらもっと捕ってきたらよかった! 余ったら私も捌けるかチャレンジするつもりだったのに!
「じゃあ、チャンスは二十九回……。いくらたくさんあるからってココさんでも相当難しいんですよね?」
「大丈夫。落ち着いてやればできるさ」
「なら……瑞貴さんもやりましょう!」
「「「ハッ?」」」
突然の小松さんの提案に、私もトリコもココさんも呆気に取られた。いやいや、『なら』ってそういう問題じゃ……。
「小松さん、素人の私がやるより小松さんのほうがまだ的確だよ」
「いえ! 瑞貴さんの腕前は僕に引けを取りません!」
「五ツ星ホテルのコック長に引けを取らないって言い過ぎだよ……」
「そういや、今日の朝飯も普通の食材なのに高級料理並みのうまさだったな。うん、お前ならやれるんじゃねぇか?」
オイコラ! プロの小松さんは否定して私は肯定するって、どういう神経しとんのじゃ!
「へぇ。そんなにおいしいなら、僕も瑞貴ちゃんの料理を食べてみたいな。確かに捌いている間は神経を集中させるから疲れるし、休憩は必要だしね。もちろん、瑞貴ちゃんのも僕が指示するよ」
ココさーん!? 納得しないで! こいつらが過大評価し過ぎなんだってば!
「お願いします! 瑞貴さんが一緒だと僕も安心するんです!」
「わかった……。だけど期待はしないでね!」
私と小松さんはそれぞれのリュックから包丁を取り出すと、ココさんの目が見開いた。
(素晴らしい……! まるで濡れているかのような霞仕上げ、手入れが行き届いている包丁だ……。道具を見てわかる。小松くんの、料理人としてのこだわりと力量が! それに瑞貴ちゃんの包丁も、小松くんと引けを取らない……!)
小松さんはコック服に着替えると一匹のフグ鯨を目の前に置く。
「まず小松くんから。このフグ鯨は浮き袋の真下に毒袋がある。まずは尾びれの付け根から三枚に卸す要領で、10センチ包丁を入れよう」
「さっきとは違いますね」
「フグ鯨は毒袋の位置が一匹ずつ違うから、捌く順序も変わってくるんだ」
こればかりは今の私じゃ第六感もアテにならない。完全にココさんの指示がなければムリだ。
ココさんは取り出したナイフをフグ鯨に差し込む。その技術はうまいものだけど毒化してしまった。
「フゥ……。小松くん、僕の代わりに捌いてくれないか?」
「ええっ!? ぼ、僕がですか!?」
「くたびれたせいか手元が狂うんだ……。1ミリのミスで毒化してしまうからね……」
「あのデビル大蛇と激しい戦いをして、さらに捕獲するために消命を使ったんです。ムリもないですね」
「で、でも……」
「大丈夫。小松くんはプロの料理人だろ? 捌く順序は僕が指示するから、自信持って」
安心させるようにニコッと笑ったココさん……胸がときめくぐらい素敵です!
「いいんですか……? それなら挑戦してみます! ゆ、夢のようです……! フグ鯨を捌けるなんて!」
「えー! 小松がやるならもっと捕って来ないと、何匹あっても足りないぜ!」
「私が捕って来たのを合わせればいいでしょ!」
「それに、もうフグ鯨はいないよ」
「「「え――っ!?」」」
フグ鯨がもういない!? いやいや! 私、全部捕ってないよ!?
「どういうことだ!?」
「そろそろ産卵を終えて戻ってる頃さ。フグ鯨がこの浅瀬にいるのは、ほんの数時間だけなんだ」
ウッソー!? だったらもっと捕ってきたらよかった! 余ったら私も捌けるかチャレンジするつもりだったのに!
「じゃあ、チャンスは二十九回……。いくらたくさんあるからってココさんでも相当難しいんですよね?」
「大丈夫。落ち着いてやればできるさ」
「なら……瑞貴さんもやりましょう!」
「「「ハッ?」」」
突然の小松さんの提案に、私もトリコもココさんも呆気に取られた。いやいや、『なら』ってそういう問題じゃ……。
「小松さん、素人の私がやるより小松さんのほうがまだ的確だよ」
「いえ! 瑞貴さんの腕前は僕に引けを取りません!」
「五ツ星ホテルのコック長に引けを取らないって言い過ぎだよ……」
「そういや、今日の朝飯も普通の食材なのに高級料理並みのうまさだったな。うん、お前ならやれるんじゃねぇか?」
オイコラ! プロの小松さんは否定して私は肯定するって、どういう神経しとんのじゃ!
「へぇ。そんなにおいしいなら、僕も瑞貴ちゃんの料理を食べてみたいな。確かに捌いている間は神経を集中させるから疲れるし、休憩は必要だしね。もちろん、瑞貴ちゃんのも僕が指示するよ」
ココさーん!? 納得しないで! こいつらが過大評価し過ぎなんだってば!
「お願いします! 瑞貴さんが一緒だと僕も安心するんです!」
「わかった……。だけど期待はしないでね!」
私と小松さんはそれぞれのリュックから包丁を取り出すと、ココさんの目が見開いた。
(素晴らしい……! まるで濡れているかのような霞仕上げ、手入れが行き届いている包丁だ……。道具を見てわかる。小松くんの、料理人としてのこだわりと力量が! それに瑞貴ちゃんの包丁も、小松くんと引けを取らない……!)
小松さんはコック服に着替えると一匹のフグ鯨を目の前に置く。
「まず小松くんから。このフグ鯨は浮き袋の真下に毒袋がある。まずは尾びれの付け根から三枚に卸す要領で、10センチ包丁を入れよう」
「さっきとは違いますね」
「フグ鯨は毒袋の位置が一匹ずつ違うから、捌く順序も変わってくるんだ」
こればかりは今の私じゃ第六感もアテにならない。完全にココさんの指示がなければムリだ。