緊迫! トリコのナイフ対メルク包丁!
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「先代は世間のことに全然興味がないから」
「まさか今のメルクが二代目だとは、世間じゃ誰も知らねぇだろうな。先代は何してんだ? 引退して隠居でもしちゃってんのか?」
「……師匠は今、砥石の原料になる石を採りに行ってるよ」
「えっ!? 現役か!」
「スゴいですねぇ。二代目をメルクさんに託して尚、一線で現場に出続けるなんて」
「…………」
トリコも小松さんも先代を褒めているのにメルクさんの顔は浮かない。師匠との仲が悪いわけじゃなさそうだし、何か事情があるのかな? でもその前に――。
「小松さん、ここへ来た目的を」
「ああっ、そうだった! あの、メルクさん。それはそうと実は、今日はその、一つお願いがあって来たんですが……」
「一つじゃねぇだろ! 瑞貴も俺にも声をかけろ!」
「ごめん、なんとなく先にこっちを訊いたほうがいいと思って」
これは事実だ。メルクさんが偽者ではなく二代目とわかったんだから、小松さんも安心して注文できると思ったのだ。
「包丁の発注か?」
「はいぃぃい! そうです!」
「もちろんOKだよ。依頼は順番待ちだから……そうだな、約三年後になるけど」
「三年後……!?」
「あらら……」
やっぱりかなりの人々が注文しているか。半ば予想通りもあって私が苦笑するのに対し、小松さんはトボトボとリュックの元へ歩き、トリコは大笑いしている。
「ハハハハッ! よかったな小松、包丁作ってくれるってよ! 三年後に!」
「三年かぁ……予約でいっぱいなら仕方ないか。こいつの代わりは、しばらくデパートで買うしかないや」
「ん……!?」
小松さんが取り出したのは、あのとき折れた包丁の刃。メルクさんは少し見ただけで惹かれるように小松さんの真正面にかがむ。
「その包丁は?」
「僕の包丁、この前折れちゃったんです……。大事に使ってたんですけど……」
「これは……!」
折れている包丁なのに、メルクさんは興味津々だ。でも目的は一つだけじゃないからトリコも立ち上がってメルクさんに問いかける。
「なあ、メルク。俺からももう一つ、頼みというか聞きてぇことがあるんだ。――メルクの星屑って、聞いたことねぇか?」
「何っ!? メルクの星屑だって!?」
「知ってるのか? メルク!」
「メルク…さん……?」
目を見開いていたし、この様子からして明らかにメルクさんは知っているはずだ。
「メルクの星屑が、どうかしたのか?」
「俺たちは今、そいつを探してるんだ。知ってるんなら教えてくれ」
「……メルクの星屑ってのは、砥石のことだよ。この世のあらゆる物質を研ぐことができるという幻の砥石だ」
「「ええっ!?」」
「砥石!?」
メルクさんから告げられたメルクの星屑の正体に、私も小松さんもトリコも声を上げて驚く。一龍会長め、砥石を捕って来てどうしろと!?
「メルクの星屑って、食材じゃねぇのか!?」
「食材? ああ。確か、その砥石で硬度が高い素材を研ぐときに出る金色の粉が、食品の調味料になると聞いたことがあるな。そのことかな」
「調味料……?」
「その粉は、新種のアミノ酸で構成されているらしい。味わったことがないような、極上のうまみ成分を含んでいるとか」
「味わったことがない、うまみ……!」
味のことが出てトリコは興味を持ち始めた。かくいう私も、そんな出会ったことない調味料と巡り合えるなんてワクワクする!
「まさか今のメルクが二代目だとは、世間じゃ誰も知らねぇだろうな。先代は何してんだ? 引退して隠居でもしちゃってんのか?」
「……師匠は今、砥石の原料になる石を採りに行ってるよ」
「えっ!? 現役か!」
「スゴいですねぇ。二代目をメルクさんに託して尚、一線で現場に出続けるなんて」
「…………」
トリコも小松さんも先代を褒めているのにメルクさんの顔は浮かない。師匠との仲が悪いわけじゃなさそうだし、何か事情があるのかな? でもその前に――。
「小松さん、ここへ来た目的を」
「ああっ、そうだった! あの、メルクさん。それはそうと実は、今日はその、一つお願いがあって来たんですが……」
「一つじゃねぇだろ! 瑞貴も俺にも声をかけろ!」
「ごめん、なんとなく先にこっちを訊いたほうがいいと思って」
これは事実だ。メルクさんが偽者ではなく二代目とわかったんだから、小松さんも安心して注文できると思ったのだ。
「包丁の発注か?」
「はいぃぃい! そうです!」
「もちろんOKだよ。依頼は順番待ちだから……そうだな、約三年後になるけど」
「三年後……!?」
「あらら……」
やっぱりかなりの人々が注文しているか。半ば予想通りもあって私が苦笑するのに対し、小松さんはトボトボとリュックの元へ歩き、トリコは大笑いしている。
「ハハハハッ! よかったな小松、包丁作ってくれるってよ! 三年後に!」
「三年かぁ……予約でいっぱいなら仕方ないか。こいつの代わりは、しばらくデパートで買うしかないや」
「ん……!?」
小松さんが取り出したのは、あのとき折れた包丁の刃。メルクさんは少し見ただけで惹かれるように小松さんの真正面にかがむ。
「その包丁は?」
「僕の包丁、この前折れちゃったんです……。大事に使ってたんですけど……」
「これは……!」
折れている包丁なのに、メルクさんは興味津々だ。でも目的は一つだけじゃないからトリコも立ち上がってメルクさんに問いかける。
「なあ、メルク。俺からももう一つ、頼みというか聞きてぇことがあるんだ。――メルクの星屑って、聞いたことねぇか?」
「何っ!? メルクの星屑だって!?」
「知ってるのか? メルク!」
「メルク…さん……?」
目を見開いていたし、この様子からして明らかにメルクさんは知っているはずだ。
「メルクの星屑が、どうかしたのか?」
「俺たちは今、そいつを探してるんだ。知ってるんなら教えてくれ」
「……メルクの星屑ってのは、砥石のことだよ。この世のあらゆる物質を研ぐことができるという幻の砥石だ」
「「ええっ!?」」
「砥石!?」
メルクさんから告げられたメルクの星屑の正体に、私も小松さんもトリコも声を上げて驚く。一龍会長め、砥石を捕って来てどうしろと!?
「メルクの星屑って、食材じゃねぇのか!?」
「食材? ああ。確か、その砥石で硬度が高い素材を研ぐときに出る金色の粉が、食品の調味料になると聞いたことがあるな。そのことかな」
「調味料……?」
「その粉は、新種のアミノ酸で構成されているらしい。味わったことがないような、極上のうまみ成分を含んでいるとか」
「味わったことがない、うまみ……!」
味のことが出てトリコは興味を持ち始めた。かくいう私も、そんな出会ったことない調味料と巡り合えるなんてワクワクする!