緊迫! トリコのナイフ対メルク包丁!
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「トリコさーん!」
「トリコ!?」
小松さんが呼んだ名でメルクさんはトリコの正体に気づいたようだ。私は薙刀をブレスレットに戻すとメルクさんに手を差し出す。
「手を出せますか?」
「あ、ああ」
「メルクさんになんてことするんですか! 僕たち、ケンカしに来たんじゃないでしょ!」
「しょうがねぇだろ。こいつが――」
「トリコだと!?」
私に手を引かれて上半身だけ起き上がったメルクさんに、次は小松さんが駆け寄って来た。
「大丈夫ですか!? メルクさん!」
「美食四天王のトリコか! 強いわけだ……」
「ああ。そういや名乗ってなかったか。じゃ、俺からも聞かせてくれ。――お前はいったい何者だ? 本物のメルクはどこにいる?」
「…………」
「えっ? どういうことなんですか?」
「この人は、メルクマウンテンやこの家を建てたメルクさんとは『別人』のメルクさんなんだよ」
「ええっ!?」
トリコの問いにメルクさんは無言だったものの、小松さんがどういうことかと聞いて来たので私は付け加えた。
メルクさんは私たちを邪険にすることはなく、再び家の中に入れてくれてお茶まで用意してくれた。それよりさっきの私たちの言葉が気になっているみたい。
「何故俺が偽者だと? そっちの君もわかってたのか」
「何故かって……メルクさんは、わざわざ『裏口』から私たちを通したからですよ。そんな人間いませんから」
「!」
「えっ!? あそこは表口じゃないんですか!?」
「小松さん、そっちの入口の上を見てごらん」
「上って……――あっ! こっちに看板があったんですねぇ……。それにポストまで!」
私が最初に家に入る前、外からこっちに来て『刀鍛冶MELK』という看板とポストを見つけたのだ。
「ってことは……」
「そっ。ここが本当の表口なの」
「瑞貴さんの言った通り、僕たちが入って来たドアのほうが裏口ってことですね」
「恐らくあっちは、あなたが作ったのでしょう? サイズを見れば歴然です。普通の人間が通るのに、こっちの入口は大き過ぎますから」
「確かに……まるで大男が出入りするような大きな玄関ですねぇ」
メルクさんが扉を開けたとき、私は奥に会った表口を見て違和感を持って確かめに行った。そしたら案の定ってとこね。
「ここは作業場だ。大きな材料を運ぶこともあるからだよ」
「じゃあ、この二階へ続く階段のデカさはどうなんだ?」
トリコが親指で示したのは壁に沿って作られた手摺りのない石の階段だ。その大きさは普通の階段より何倍も大きい。
「メルクマウンテンの階段のデカさと同じだろ。恐らくここは、本物のメルクが建てた工場(コウバ)兼自宅。本物のメルクは人見知りで、登頂場所とは逆に表口を作った。身長2メートルはくだらねぇ大男……それが本物のメルクだ。お前とは一致しない点が多い」
「身長のサイズだけじゃないか」
「そもそもメルクは、一龍の会長(オヤジ)の古い友人だと聞いたことがある」
「IGOの会長さんと!?」
「一龍会長の古い友人って……年齢が違い過ぎるよね」
驚く小松さんを余所にトリコは椅子に座ってメルクさんが淹れてくれたお茶を飲み、もう一度メルクさんを見る。
「俺にも、実際いくつかわからねぇくらいのじいさんだぞ? どう見てもお前がそれ相応の歳には見えねぇし」
「メルクさん……?」
「……IGOの会長・一龍」
「「「!」」」
どうやら観念したらしい。メルクさんの声音は先ほどと違っていた。
「トリコ!?」
小松さんが呼んだ名でメルクさんはトリコの正体に気づいたようだ。私は薙刀をブレスレットに戻すとメルクさんに手を差し出す。
「手を出せますか?」
「あ、ああ」
「メルクさんになんてことするんですか! 僕たち、ケンカしに来たんじゃないでしょ!」
「しょうがねぇだろ。こいつが――」
「トリコだと!?」
私に手を引かれて上半身だけ起き上がったメルクさんに、次は小松さんが駆け寄って来た。
「大丈夫ですか!? メルクさん!」
「美食四天王のトリコか! 強いわけだ……」
「ああ。そういや名乗ってなかったか。じゃ、俺からも聞かせてくれ。――お前はいったい何者だ? 本物のメルクはどこにいる?」
「…………」
「えっ? どういうことなんですか?」
「この人は、メルクマウンテンやこの家を建てたメルクさんとは『別人』のメルクさんなんだよ」
「ええっ!?」
トリコの問いにメルクさんは無言だったものの、小松さんがどういうことかと聞いて来たので私は付け加えた。
メルクさんは私たちを邪険にすることはなく、再び家の中に入れてくれてお茶まで用意してくれた。それよりさっきの私たちの言葉が気になっているみたい。
「何故俺が偽者だと? そっちの君もわかってたのか」
「何故かって……メルクさんは、わざわざ『裏口』から私たちを通したからですよ。そんな人間いませんから」
「!」
「えっ!? あそこは表口じゃないんですか!?」
「小松さん、そっちの入口の上を見てごらん」
「上って……――あっ! こっちに看板があったんですねぇ……。それにポストまで!」
私が最初に家に入る前、外からこっちに来て『刀鍛冶MELK』という看板とポストを見つけたのだ。
「ってことは……」
「そっ。ここが本当の表口なの」
「瑞貴さんの言った通り、僕たちが入って来たドアのほうが裏口ってことですね」
「恐らくあっちは、あなたが作ったのでしょう? サイズを見れば歴然です。普通の人間が通るのに、こっちの入口は大き過ぎますから」
「確かに……まるで大男が出入りするような大きな玄関ですねぇ」
メルクさんが扉を開けたとき、私は奥に会った表口を見て違和感を持って確かめに行った。そしたら案の定ってとこね。
「ここは作業場だ。大きな材料を運ぶこともあるからだよ」
「じゃあ、この二階へ続く階段のデカさはどうなんだ?」
トリコが親指で示したのは壁に沿って作られた手摺りのない石の階段だ。その大きさは普通の階段より何倍も大きい。
「メルクマウンテンの階段のデカさと同じだろ。恐らくここは、本物のメルクが建てた工場(コウバ)兼自宅。本物のメルクは人見知りで、登頂場所とは逆に表口を作った。身長2メートルはくだらねぇ大男……それが本物のメルクだ。お前とは一致しない点が多い」
「身長のサイズだけじゃないか」
「そもそもメルクは、一龍の会長(オヤジ)の古い友人だと聞いたことがある」
「IGOの会長さんと!?」
「一龍会長の古い友人って……年齢が違い過ぎるよね」
驚く小松さんを余所にトリコは椅子に座ってメルクさんが淹れてくれたお茶を飲み、もう一度メルクさんを見る。
「俺にも、実際いくつかわからねぇくらいのじいさんだぞ? どう見てもお前がそれ相応の歳には見えねぇし」
「メルクさん……?」
「……IGOの会長・一龍」
「「「!」」」
どうやら観念したらしい。メルクさんの声音は先ほどと違っていた。