緊迫! トリコのナイフ対メルク包丁!
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「千徳包丁だ……! 肉と魚と野菜を切れる三徳包丁を遙かに超えて、数千種類もの食材を自在に切れる包丁界のオールラウンダー。一本500万円はする、メルクさんの代表作ですね~。これが研ぐ前の千徳包丁か~……完成したら、いったいどんな切れ味になるんだろう――」
「っ、触るな!」
「えっ!? ごめんなさい!」
ガチャ!
千徳包丁に手を伸ばそうとした小松さんに気づいたメルクさんが声を上げると、驚きのあまり手を引っ込めた衝撃で、小松さんの肘が棚に当たってしまった。しかも他は無事だが千徳包丁小松さんの元へ――。
「小松さん!」
「危ねぇ小松!」
私が小松さんの腕をつかみ、トリコが腕を回して小松さんを体ごと引っ張る。すると先ほどまで小松さんがいた場所に千徳包丁が柄しか見えないほど深々と床に刺さっていた。
「……えー!? 石の床に突き刺さった! なんて切れ味だ……!」
「あの傷は包丁で付いた傷だったか……」
「刃と傷の大きさからして、全部が千徳包丁じゃない。いろんな包丁で付いた傷なんだ……」
こうして事故で落としてしまったのもあれば、試し切りした結果かもしれない。とにかくそれほどの切れ味を持っているってことだ。
「メルク包丁……物によっては使用するのに免許が必要なほど危険な切れ味を誇る。素人がヘタに使って大怪我したって話はよく聞くが……研ぐ前からこれほどとはな」
「私、初めて見た。メルク包丁の切れ味……!」
トリコはゆっくりと千徳包丁の柄をつかんで引き上げた。あんなに深々と刺さったのに包丁には傷一つ付いていない。
「触らないほうがいいよ。その千徳包丁の原料は、ワーナーシャークの歯だ。無類の強度と切れ味を誇る。不用意に扱うのは危険だよ」
「ワーナーシャークだと? 捕獲レベル55のサメだぞ。つまり、原料の調達は他で頼んでいると」
「……違う、誰にも委託などしていない。包丁や砥石の材料は全て俺自身で調達している。口に気をつけなよ」
「メルク。お前にはワーナーシャークの捕獲はムリだろ。そこまでの実力があるとは思えねぇが」
「っ!」
「ちょ、ちょっと……」
千徳包丁を片付けながら出したトリコの問いでメルクさんの雰囲気が変わった。ヤバい予感がして小松さんが止めようとしたけど、私は肩に手を置いて制した。
「小松さん、今は待って」
「ですが瑞貴さん――」
「確かめもせず、何故わかる?」
「……フッ」
「!」
シャキイィィイイン!
トリコは不敵に笑うとナイフの構えをし、軽く振っただけで床に大きな傷ができた。って、人様の家を傷つけるな!
「確かめてみようか?」
トリコが手を擦り合わせている……これは戦いを前にするのと同じ姿勢だ。
「フッ、なんてな」
「ええっ……! いや、ちょっとまってくださいよ……!」
「ごめんよ、くだらねぇこと言って。原料調達の云々なんてどうだっていい。俺たちがここへ来た目的は――」
「表に……」
「あ?」
「表に出るんだ! 今すぐ!」
メルクさんの瞳は静かな怒りと闘志を燃やしている。トリコにプライドを傷つけられたのか、隠していたことを見破られたのかどちらかだろう。
「っ、触るな!」
「えっ!? ごめんなさい!」
ガチャ!
千徳包丁に手を伸ばそうとした小松さんに気づいたメルクさんが声を上げると、驚きのあまり手を引っ込めた衝撃で、小松さんの肘が棚に当たってしまった。しかも他は無事だが千徳包丁小松さんの元へ――。
「小松さん!」
「危ねぇ小松!」
私が小松さんの腕をつかみ、トリコが腕を回して小松さんを体ごと引っ張る。すると先ほどまで小松さんがいた場所に千徳包丁が柄しか見えないほど深々と床に刺さっていた。
「……えー!? 石の床に突き刺さった! なんて切れ味だ……!」
「あの傷は包丁で付いた傷だったか……」
「刃と傷の大きさからして、全部が千徳包丁じゃない。いろんな包丁で付いた傷なんだ……」
こうして事故で落としてしまったのもあれば、試し切りした結果かもしれない。とにかくそれほどの切れ味を持っているってことだ。
「メルク包丁……物によっては使用するのに免許が必要なほど危険な切れ味を誇る。素人がヘタに使って大怪我したって話はよく聞くが……研ぐ前からこれほどとはな」
「私、初めて見た。メルク包丁の切れ味……!」
トリコはゆっくりと千徳包丁の柄をつかんで引き上げた。あんなに深々と刺さったのに包丁には傷一つ付いていない。
「触らないほうがいいよ。その千徳包丁の原料は、ワーナーシャークの歯だ。無類の強度と切れ味を誇る。不用意に扱うのは危険だよ」
「ワーナーシャークだと? 捕獲レベル55のサメだぞ。つまり、原料の調達は他で頼んでいると」
「……違う、誰にも委託などしていない。包丁や砥石の材料は全て俺自身で調達している。口に気をつけなよ」
「メルク。お前にはワーナーシャークの捕獲はムリだろ。そこまでの実力があるとは思えねぇが」
「っ!」
「ちょ、ちょっと……」
千徳包丁を片付けながら出したトリコの問いでメルクさんの雰囲気が変わった。ヤバい予感がして小松さんが止めようとしたけど、私は肩に手を置いて制した。
「小松さん、今は待って」
「ですが瑞貴さん――」
「確かめもせず、何故わかる?」
「……フッ」
「!」
シャキイィィイイン!
トリコは不敵に笑うとナイフの構えをし、軽く振っただけで床に大きな傷ができた。って、人様の家を傷つけるな!
「確かめてみようか?」
トリコが手を擦り合わせている……これは戦いを前にするのと同じ姿勢だ。
「フッ、なんてな」
「ええっ……! いや、ちょっとまってくださいよ……!」
「ごめんよ、くだらねぇこと言って。原料調達の云々なんてどうだっていい。俺たちがここへ来た目的は――」
「表に……」
「あ?」
「表に出るんだ! 今すぐ!」
メルクさんの瞳は静かな怒りと闘志を燃やしている。トリコにプライドを傷つけられたのか、隠していたことを見破られたのかどちらかだろう。