衝撃! 折れた包丁と研ぎ師メルク!
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――夕方になっても階段はまだまだ続く。休憩も兼ねていたけどトリコも私も登るペースは変わらない。一人を除いて……。
「トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん! 待ってくださいよ~!」
「トリコ、小松さんと距離がだいぶ開いちゃったよ」
「ったく、早くしろよ! 日が暮れちまうぞー!」
「ハァ…ハァ…ハァ……。ずいぶん登ったのに全然頂上が見えてこない……。てか、まだ半分も来てないみたいだし…なんなんだ……この階段……? あんなに繊細で美しい包丁を作る人が、ホントにこの階段サイズの巨人だろうか?」
……小松は瑞貴とトリコの二人から聞いたときから想像していたイメージと違ったが、本当は深い理由があるのだと首を振る。
「……いや、違う! メルクさんは一人で仕事に集中するために、人が寄りつけない階段にしたんだ! あっ、上空から飛行機で向かえば――」
〈ギシャー!〉
……空には捕獲レベル39の鳥獣類・スカイカスが群れで飛んでいた。飛行機で行っていたら確実に襲われていただろう。
「な、なるほど……。上空はいつものパターンで、飛行機じゃムリってことか……ハァ……」
小松さんは何か独り言を言って上空にいるスカイカスを見ている。あの様子だと、飛行手段がとれないかとでも思ったんだろう。
「トリコ、さすがに小松さんも限界だし頂上も見えないから、今日はおしまいにしようか」
「そうだな。しょうがねぇ、今日はここらで休むとするか」
――石段は充分広さもあるため私たちは野宿することになった。夕食用にさっきのスカイカスを一匹仕留めたけど、木々がないから大きめの石に火を付けると燃え上がり、捌いたスカイカスを串に刺して焼き鳥にした。
「この辺りの石は硫黄が混ざった硫黄鉱物がゴロゴロしてっから、焚き火にはちょうどいいな」
「木で焼くのとは違った味わいができておいしいね」
「トリコさん、瑞貴さん」
「「ん?」」
「メルクさん、僕の包丁作ってくれますかねぇ……?」
「それはまあ、お願いしてみねぇとわかんねぇわな」
「小松さんの態度次第かもしれないけど」
でも、あれだけ立派な包丁を作れるなら欲しい人は山ほどいるだろう。中にはお金を懸けても欲しい人だっているし、かなり待たされることになったりして。
「職人さんは気難しい性格の人が結構多いですからね。いきなり押しかけて機嫌を損ねたりしたらどうしよう……」
「怒りを買って、メルク包丁で試し切りにされないことを祈るんだな!」
「もしくは危険区域に放り出したりして」
「二人共、怖いこと言わないでくださいよ!」
まあ冗談はさておき、どっちみち本人に会わないと何もかも始まらない。
「明日、頂上にあるメルクの工場(コウバ)に着いたら、お前の包丁を作ってくれるのか…そしてメルクの星屑の情報を知ってるのかどうかもわかるってもんだ」
「ええ……そうですよね」
「まっ最悪、お前の包丁はグルメデパートで買えばいいしな」
「え――っ!?」
「だから、あんたの金銭感覚と一緒にしないでよ……」
あそこの包丁って結構高いんだぞ。それに小松さんだって料理人としてなるべくいいのが欲しいだろうに……。
☆☆☆☆☆
翌日。今日こそは頂上に行こうと朝ご飯を食べて張り切っていた……んだけど、登って行ったら早々に捕獲レベル15の哺乳獣類・ファーニップの群れに出くわしてしまった。
〈〈〈〈〈ギャギャギャ!〉〉〉〉〉
「ぎえ――っ!!」
「ファーニップか。鉱山に住む猿の仲間だ!」
「この辺りに砥石の採掘場があるってことね。メルクさんの工場(コウバ)は近い!」
トリコと私は昨日のように登って行くけど、小松さんはファーニップに出くわして火事場のバカ力のようなものなのか、カエルのように一段一段を飛んで行く。
「トリコさ~ん! 瑞貴さ~ん! 待ってくださいよ~!」
「トリコ、小松さんと距離がだいぶ開いちゃったよ」
「ったく、早くしろよ! 日が暮れちまうぞー!」
「ハァ…ハァ…ハァ……。ずいぶん登ったのに全然頂上が見えてこない……。てか、まだ半分も来てないみたいだし…なんなんだ……この階段……? あんなに繊細で美しい包丁を作る人が、ホントにこの階段サイズの巨人だろうか?」
……小松は瑞貴とトリコの二人から聞いたときから想像していたイメージと違ったが、本当は深い理由があるのだと首を振る。
「……いや、違う! メルクさんは一人で仕事に集中するために、人が寄りつけない階段にしたんだ! あっ、上空から飛行機で向かえば――」
〈ギシャー!〉
……空には捕獲レベル39の鳥獣類・スカイカスが群れで飛んでいた。飛行機で行っていたら確実に襲われていただろう。
「な、なるほど……。上空はいつものパターンで、飛行機じゃムリってことか……ハァ……」
小松さんは何か独り言を言って上空にいるスカイカスを見ている。あの様子だと、飛行手段がとれないかとでも思ったんだろう。
「トリコ、さすがに小松さんも限界だし頂上も見えないから、今日はおしまいにしようか」
「そうだな。しょうがねぇ、今日はここらで休むとするか」
――石段は充分広さもあるため私たちは野宿することになった。夕食用にさっきのスカイカスを一匹仕留めたけど、木々がないから大きめの石に火を付けると燃え上がり、捌いたスカイカスを串に刺して焼き鳥にした。
「この辺りの石は硫黄が混ざった硫黄鉱物がゴロゴロしてっから、焚き火にはちょうどいいな」
「木で焼くのとは違った味わいができておいしいね」
「トリコさん、瑞貴さん」
「「ん?」」
「メルクさん、僕の包丁作ってくれますかねぇ……?」
「それはまあ、お願いしてみねぇとわかんねぇわな」
「小松さんの態度次第かもしれないけど」
でも、あれだけ立派な包丁を作れるなら欲しい人は山ほどいるだろう。中にはお金を懸けても欲しい人だっているし、かなり待たされることになったりして。
「職人さんは気難しい性格の人が結構多いですからね。いきなり押しかけて機嫌を損ねたりしたらどうしよう……」
「怒りを買って、メルク包丁で試し切りにされないことを祈るんだな!」
「もしくは危険区域に放り出したりして」
「二人共、怖いこと言わないでくださいよ!」
まあ冗談はさておき、どっちみち本人に会わないと何もかも始まらない。
「明日、頂上にあるメルクの工場(コウバ)に着いたら、お前の包丁を作ってくれるのか…そしてメルクの星屑の情報を知ってるのかどうかもわかるってもんだ」
「ええ……そうですよね」
「まっ最悪、お前の包丁はグルメデパートで買えばいいしな」
「え――っ!?」
「だから、あんたの金銭感覚と一緒にしないでよ……」
あそこの包丁って結構高いんだぞ。それに小松さんだって料理人としてなるべくいいのが欲しいだろうに……。
☆☆☆☆☆
翌日。今日こそは頂上に行こうと朝ご飯を食べて張り切っていた……んだけど、登って行ったら早々に捕獲レベル15の哺乳獣類・ファーニップの群れに出くわしてしまった。
〈〈〈〈〈ギャギャギャ!〉〉〉〉〉
「ぎえ――っ!!」
「ファーニップか。鉱山に住む猿の仲間だ!」
「この辺りに砥石の採掘場があるってことね。メルクさんの工場(コウバ)は近い!」
トリコと私は昨日のように登って行くけど、小松さんはファーニップに出くわして火事場のバカ力のようなものなのか、カエルのように一段一段を飛んで行く。