ノッキングの達人! フグ鯨、実食の時!
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(フグ鯨がこんなにデカいわけねぇ。こいつはいくらなんでもデカ過ぎるだろう!?)
(あっ。トリコ、よく見て)
私が指差すとトリコも目をよく凝らして見る。デカく見えたのはフグ鯨が大量に集まっていたからだ。
(フグ鯨は、かつては体長6メートルの魚だったが、深海で圧縮されて小さくなった。だから今では産卵のときに身を寄せ合って互いを守る習性がある)
(だからと言ってこんなにいっぱい……今年は百年に一度の大当たりですね)
(と、捕り放題じゃねーか!)
(あっ、バカ!)
(やめろトリコ!)
(うおおぉぉおおお!)
見境なくトリコが追いかけたおかげで、四匹もフグ鯨が白から紫と黒も混じった斑(マダラ)模様に変わる。毒化した証拠だ。
(しまった! びっくりして毒化しやがった)
(だから言ったのに……)
(トリコさーん! 瑞貴さーん! ガボボボボッ)
(おい! そんな泳ぎでこっちに来んな! 全部毒化しちまうだろ!)
遅れて到着しそうになった小松さんだけど、カナヅチなのか泳ぎもままならずジタバタしている。
(トリコ、瑞貴ちゃん、下がっててくれ)
(えっ?)
(消命……)
命の気配を消す技・消命。一瞬ココさんが消えたかと思ったけど集中すればちゃんと見える。フグ鯨への意識を見事に眩ました。
ココさんは意識を沈め、静かに、ゆったりとポーチからデリケートタイプのノッキングガンを取り出して一匹のフグ鯨に近づく。
(ノッキング)
エラから頭部中心へ斜め45度にノッキングし、フグ鯨はプカッと横に倒れて浮き出す。
(成功したんだ。スゴい……)
(さすがココ。頼りになるぜ。……どれ、こんな感じか?)
トリコも続けて消命をしてココさんの隣に移動する。私も真似て消命すると二人よりも奥に移動した。
(トリコの荒々しいオーラが静まった……。ん? どこに行った?)
ココさんは振り向いたけどトリコはすでにいない。だから自分の隣にいると気づいたときは驚いた。
(完全に気配を消している……! 見ただけでコツをつかんだのか。さすがにスゴいセンスだな。瑞貴ちゃんは?)
(いねぇな……。息が切れて先に上がったんじゃねぇか?)
失敬な、ちゃんといますよ。トリコたちがいる場所より奥に移動しているとはいえ、こっちに顔を向けても完全に私の姿をとらえていないみたい。前に長時間も水の中にいれること言ったのに忘れたのかな? それじゃあ見物させてもらおっと。
(ほら)
(いいよ)
(えっ?)
(ノッキングガンはいらねぇ)
ココさんからノッキングガンを受け取るのを拒否したトリコはフグ鯨の元へ移動する。どうやるか見物だし、私も消命しつつトリコの動きを見る。
(俺は俺のやり方で、捕らえる。――ノッキング)
指を使って一瞬でフグ鯨のエラ先から差し込んだ。トリコとココさんの緊張が走る中、フグ鯨は倒れて浮かんだ。ノッキングが成功したんだ。
(一瞬で、フグ鯨の捕獲をモノにするとは……美食屋としての成長は止まらないな)
ココさんが感心する中、私もトリコから一つ学ばせてもらった。試してみようかな……指でやるノッキングを。トリコよりは細いしなんとかなるかもしれない。
そっとフグ鯨に近づいて狙いを定めて――ノッキング!
☆☆☆☆☆
……それから一時間後、ギブアップした小松が砂浜に座り込んでいる中、トリコとココが上がってきた。
「捕れたぞ、小松! 瑞貴! ……――あれ?」
「トリコさん、ココさん、お帰りなさい!」
「小松くん、瑞貴ちゃんは?」
「えっ? まだ上がってないですけど」
小松の答えにトリコとココは顔を見合わせ、今度はトリコが問いかける。
(あっ。トリコ、よく見て)
私が指差すとトリコも目をよく凝らして見る。デカく見えたのはフグ鯨が大量に集まっていたからだ。
(フグ鯨は、かつては体長6メートルの魚だったが、深海で圧縮されて小さくなった。だから今では産卵のときに身を寄せ合って互いを守る習性がある)
(だからと言ってこんなにいっぱい……今年は百年に一度の大当たりですね)
(と、捕り放題じゃねーか!)
(あっ、バカ!)
(やめろトリコ!)
(うおおぉぉおおお!)
見境なくトリコが追いかけたおかげで、四匹もフグ鯨が白から紫と黒も混じった斑(マダラ)模様に変わる。毒化した証拠だ。
(しまった! びっくりして毒化しやがった)
(だから言ったのに……)
(トリコさーん! 瑞貴さーん! ガボボボボッ)
(おい! そんな泳ぎでこっちに来んな! 全部毒化しちまうだろ!)
遅れて到着しそうになった小松さんだけど、カナヅチなのか泳ぎもままならずジタバタしている。
(トリコ、瑞貴ちゃん、下がっててくれ)
(えっ?)
(消命……)
命の気配を消す技・消命。一瞬ココさんが消えたかと思ったけど集中すればちゃんと見える。フグ鯨への意識を見事に眩ました。
ココさんは意識を沈め、静かに、ゆったりとポーチからデリケートタイプのノッキングガンを取り出して一匹のフグ鯨に近づく。
(ノッキング)
エラから頭部中心へ斜め45度にノッキングし、フグ鯨はプカッと横に倒れて浮き出す。
(成功したんだ。スゴい……)
(さすがココ。頼りになるぜ。……どれ、こんな感じか?)
トリコも続けて消命をしてココさんの隣に移動する。私も真似て消命すると二人よりも奥に移動した。
(トリコの荒々しいオーラが静まった……。ん? どこに行った?)
ココさんは振り向いたけどトリコはすでにいない。だから自分の隣にいると気づいたときは驚いた。
(完全に気配を消している……! 見ただけでコツをつかんだのか。さすがにスゴいセンスだな。瑞貴ちゃんは?)
(いねぇな……。息が切れて先に上がったんじゃねぇか?)
失敬な、ちゃんといますよ。トリコたちがいる場所より奥に移動しているとはいえ、こっちに顔を向けても完全に私の姿をとらえていないみたい。前に長時間も水の中にいれること言ったのに忘れたのかな? それじゃあ見物させてもらおっと。
(ほら)
(いいよ)
(えっ?)
(ノッキングガンはいらねぇ)
ココさんからノッキングガンを受け取るのを拒否したトリコはフグ鯨の元へ移動する。どうやるか見物だし、私も消命しつつトリコの動きを見る。
(俺は俺のやり方で、捕らえる。――ノッキング)
指を使って一瞬でフグ鯨のエラ先から差し込んだ。トリコとココさんの緊張が走る中、フグ鯨は倒れて浮かんだ。ノッキングが成功したんだ。
(一瞬で、フグ鯨の捕獲をモノにするとは……美食屋としての成長は止まらないな)
ココさんが感心する中、私もトリコから一つ学ばせてもらった。試してみようかな……指でやるノッキングを。トリコよりは細いしなんとかなるかもしれない。
そっとフグ鯨に近づいて狙いを定めて――ノッキング!
☆☆☆☆☆
……それから一時間後、ギブアップした小松が砂浜に座り込んでいる中、トリコとココが上がってきた。
「捕れたぞ、小松! 瑞貴! ……――あれ?」
「トリコさん、ココさん、お帰りなさい!」
「小松くん、瑞貴ちゃんは?」
「えっ? まだ上がってないですけど」
小松の答えにトリコとココは顔を見合わせ、今度はトリコが問いかける。